日本の難題をかたづけよう の商品レビュー
とりあえず知人に勧められた第一章のみ読了。 経済学の最先端のマーケットデザインという考え方。 需給曲線という神の見えざる手に導かれ最適化される市場を想定するのではなく、様々な要因や歴史、慣習を内包した市場を想定し考察する。そして理論と実践の橋渡しをするため、現実的に機能しうる...
とりあえず知人に勧められた第一章のみ読了。 経済学の最先端のマーケットデザインという考え方。 需給曲線という神の見えざる手に導かれ最適化される市場を想定するのではなく、様々な要因や歴史、慣習を内包した市場を想定し考察する。そして理論と実践の橋渡しをするため、現実的に機能しうるかを実験によって考察すること。 具体例;オークション、臓器提供の最適化など ダイナミックに制度そのものをデザインすることにより、課題に対してアプローチする取り組みは、斬新というかコペルニクス的転回というか。 ゲーム理論って極めて数学的なのに、どこか人間的な感じがするのは、恐らく人間のすべての行動を数値化しているからなのだろう。
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久々に社会学的な新書を読んだ。 1章の安田さんのブログ、エコノ斬りでこの本の告知があったので、ちょうどマーケットデザインがスウェーデン銀行賞(ノーベル経済学賞とは言いたくないw)を取ったので、ちょっと知識を入れたくて読んでみた。 マーケットデザインに関しては想像とは違い、ゲーム理論的な話に留まったので少し拍子抜けした。もう少し突っ込んだ話を見たかったが、新書なので仕方ないか。 政治の可視化の件は国内ではないが、オバマの話もあるし、なかなか面白いことだった。データ大事ですね。 社会学のひきこもりに関する話も新鮮だった。 4章はエネルギー関連の話。この前の100年先を読むですでに知識を入れていたのでざっくりと読んだ。 5章はユニバーサルデザイン系な話。 総括としてライトな内容が多かったのでさっと読める内容。 少し幅広く知識を入れるには良い本だと思います。 ■目次 まえがき 荻上チキ 1章 社会を変える新しい経済学 マーケットデザインの挑戦 安田洋祐 2章 データで政治を可視化する 菅原琢 3章 社会学は役に立つのか? ひきこもりの研究と政策を具体例として 井出草平 4章 環境エネルギー社会への想像力と実践 古屋将太 5章 「社会モデル」へのパラダイムシフトをまなざす 大野更紗 付録 貧しい人びとの仕事をつくる 梅本優香里 あとがきにかえて 荻上チキ
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タイトルに惹かれて即買い。 解決策を提示しているわけではなく、 解決するときに使えそうな道具を、 さまざまなテーマにわけて提示している。
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タイトルにもあるように,様々な分野で活躍する若い人たちが,いま日本社会にある問題をとりあげ, 具体的なデータや例などを示しながら,新しい「考え方」を教えてくれる. 今後の見通しを立てるために「考え方」は重要. 勉強になったと思います. ”日本では「差別や不当な扱いを受けたことを告発する人」って、もうめちゃめちゃに嫌悪されるよね。” ”逆に「不当な扱いを受けても、一切異を唱えない」は賞賛される。” という文言を,ウェブ上で見かけました. 困っている人の存在や気持ちは,困ったことがある人や困っている人でないとわからないことが多いですよね. こういった人たちの声や実情は,日本社会のなかではっきりと見いだされることが少ないです. なので,一見どこにも問題は無いように思えますが,実際には潜在化されて問題が存在しています. これらが今後,もっと明らかになっていけばと思う,そうあるべきだと思います. そういう希望が,わずかにでも今後,見出せる気がした一冊でした.
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いま日本が抱える多くの難題に対し、一撃必殺の答えを提示するのではなく、新たな問題に対する新たな"道具"を共有し合おう、という趣旨の本。 難題…と言ってもいっぱいあるだろうし、何となくそこに居合わせた各分野での新進の評者たちが各々の研究をかいつまんで紹介し、広く読者に興味を持ってもらうという感じです。 シリーズ化して網羅性とか1冊の中での相関性を持たせた方がいいのでは。それはシノドス自身の役割なのかなー 以下、章毎の感想。 第1章 経済: マーケットデザインの話。序盤の事例紹介が面白くてとても興味を惹かれ、理論の話はまだがんばって読めたものの、終盤の理論応用はイマイチ…何らかの"難題"に即して問題提起された方が良かった 。 それでも"うまい仕組み"としてのマーケットデザンは興味深いです。よく知りもせず「人間社会はお金の多寡で計れるものじゃない」と社会制度に経済学的理論を持ち込むことには懐疑的だったのですが、マーケットデザインは伝統的な経済学が想定する市場(=完全競争市場)ではなく、市場以外にも様々な変数・要因のある実態の経済環境を分析し把握するところから始める、というのは目から鱗でした。 第2章 政治: 計量分析による政治の可視化の話。 経験、感覚、出来事の積み重ねから分析しがちな政治を数字データから分析すると、様々な仮説を立てることが出来る。反証可能性の担保から考えても、良いと思いました。 第3章 社会学(ひきこもり対策): 「社会学とは何か」という問いから始まり、"専門家としてニーズに「応答」する社会学"として自己定義した上で、著者が専らにしているひきこもり学生への対策を紹介している。 本筋とは外れるが「思想と実態を切り離す」という話にはハッとさせられました 第4章 環境エネルギー: この手の分野には疎く、「へー」という新情報ばかり。 自然エネルギーの「電力そのものの価値」と「環境価値」という考えは、よく考えれば当たり前なんだけど、成程と思った。 そう言う立てつけであることが広く知られれば電気代が多少UPしても社会に受け入れられるんじゃないのかなぁ・・ 第5章 Handycappedへの社会保障: 『困ってるひと』の著者が書いています。現代は医療が社会化していく過渡期、という話は非常に興味深かった。 その後の「社会モデル」の紹介は、こう書いては失礼なんだけど、文系大学生の卒業論文って感じであんまり・・ 付録 貧困層への職業訓練: 日本の話ちゃう・・という些末なツッコミはしちゃダメですね、だから付録として収録されてるんだろうし。 音楽レーベルの立ち上げ、というのは「それはあなたが音楽好きなだけなんじゃないの、音楽の才能がなければ救われないじゃないか」と思ってしまったのですが、前半の「貧困国での起業」紹介は、「起業」というものの本質を感じられたし、「本人が所属する社会のニーズを踏まえた職業訓練」というのもご尤もだと思いました。 章の中で完結していて面白かったのは、個人的には2、3章。 その他は"もう一歩"感が否めないんだけど、各分野への取っ掛かりとしては有意義か。 高校3年生や大学生みたいな、これから社会に漕ぎ出す若者向けな内容かも知れません
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日本の抱える課題について問題を指摘して終わり、ではなく、新たな視点で解決への道筋をみせようという意図がある、という紹介でした。 本の構成が章ごとに執筆者が分かれているため、実際に読んでみると、その意図に沿っているものと、あまり沿っていないものがあるように思いました。 1章の「マーケットデザインの挑戦」では「囚人のジレンマ」という古くからある問題を例に「ナッシュ遂行」の説明をするなど、なるほどと思える内容でした。 2章の「データを政治で可視化する」も、政治のニュースを雰囲気だけで終わらせずに、データの積み上げで分析していくべき、ということで政治に限らず参考になる章でした。 3章「社会学は役にたつのか」では、大学生のひきこもりがなぜ起きるかとそれに対する対策を述べた章でした。大学生のひきこもりは中学、高校時代に不登校を経験していない人からも起こるという実態があります。 (1)コミュニケーション不全(友達が作れない) (2)課題の喪失(大学は自由) という2点がひきこもり発症の要因と仮定し、それが正しいかどうかを分析します。 社会人でも若い世代を中心に出社できなくなる人が増えているため、大学生に限らず、ひきこもりの解決に向けての参考情報になると思いました。 4章「環境エネルギー社会への想像力と実践」の章は、東日本大震災に伴う原発事故以降のエネルギー社会について述べたものです。この章はいらないかなと思いました。 全体的に尻すぼみ感があり、もう一歩という本だったと思います。
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多様な角度から将来をどうしようかと語られいたが、自分自身の興味のばらつきを解消できるほどの面白さっていうのは見出せなかった。
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現在特に問題視されている難題に立ち向かってらっしゃる新鋭の専門家による解説。ある意味古来のしがらみのようなものをぶっ壊そうと努力してらっしゃる姿勢が見て取れます。日本なんか問題だらけでどうしようもねえじゃん!と悲観、諦めたら終わり。ちゃんと向きあって新しい視点でポジティブに解決に...
現在特に問題視されている難題に立ち向かってらっしゃる新鋭の専門家による解説。ある意味古来のしがらみのようなものをぶっ壊そうと努力してらっしゃる姿勢が見て取れます。日本なんか問題だらけでどうしようもねえじゃん!と悲観、諦めたら終わり。ちゃんと向きあって新しい視点でポジティブに解決に向けて努力していきたいと感じる1冊でした。
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経済、政治、教育、社会保障といった日本を取り巻く難題に対する解決案を若手の論客たちが具体的な方法で提示する。中身は紙面の都合上、厚いものではないけど、全体を通じて、数値化することによりエビデンスをとっていくアプローチは大変面白い。ただ、その数値ってのら難しくて、どういう質問なのか...
経済、政治、教育、社会保障といった日本を取り巻く難題に対する解決案を若手の論客たちが具体的な方法で提示する。中身は紙面の都合上、厚いものではないけど、全体を通じて、数値化することによりエビデンスをとっていくアプローチは大変面白い。ただ、その数値ってのら難しくて、どういう質問なのか、回答者の属性に偏りはないか、時期は、といった落とし穴にも注意する必要がある。答え有り気の調査も考えられるからね。 マーケットデザインのトピックは難しかったけど、政治の可視化やひきこもり対策、障害者を取り巻く環境については興味深く読ませていただいた。 大野さんの本は読みたいね。
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日本の難題をかたづける、というよりはそのための考え方、理論を提供してくれるような本。 書いている人たちがいずれも若い方で、すごいなあと思っていました。 ただ、単純にむずかしかった!興味のある分野はけっこう読めたけど、政治と環境の章はむずかしくて読む気力が失われたので飛ばし読み。浅...
日本の難題をかたづける、というよりはそのための考え方、理論を提供してくれるような本。 書いている人たちがいずれも若い方で、すごいなあと思っていました。 ただ、単純にむずかしかった!興味のある分野はけっこう読めたけど、政治と環境の章はむずかしくて読む気力が失われたので飛ばし読み。浅学すみません。
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