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子規とその時代 の商品レビュー

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2019/01/13

タイトル通り、子規の生きていた時代(明治元年~三十五年あたりまで)の交々を、子規に絡めて論じた一冊。初出は様々な雑誌や論考集であり、それらを纏めた物の為、若干話が前後するような部分もありましたが、問題なく読めます。 当時採用されていた教科書の記述について、子規が指摘したと云う「四...

タイトル通り、子規の生きていた時代(明治元年~三十五年あたりまで)の交々を、子規に絡めて論じた一冊。初出は様々な雑誌や論考集であり、それらを纏めた物の為、若干話が前後するような部分もありましたが、問題なく読めます。 当時採用されていた教科書の記述について、子規が指摘したと云う「四ツ目事件」をはじめ、笹の雪、明治新事物に関して、当時の俳諧事情等々、明治と云う社会の息遣いを知る手がかりにもなりました。 近藤泥牛『新派俳家句集』に対しての怒りの手紙及びその後の当該資料の扱われ方(若尾瀾水の名が見えるところも面白かった)や、倉田萩郎の手紙の返事(俳句と共に切手類を送り付けられても添削は出来ないのでお返しします云々。でもホトトギスや日本には送ってね!とか)、漱石絡みですが「酔桃館蔵沢」の墨竹画(漱石が欲しがっていた)について、小杉天外や中島湘烟(同時代を生きた、同じく病床に生きた人たちの反応など)などなど、どの項目もじっくり読んで楽しめる作りでした。素晴らしい!

Posted byブクログ