光 の商品レビュー
山間の村で、小学生の利一と仲間たちが出会った不思議と、奇跡、そして事件。こどものときにしか浴びられない光を、全身に受けつづけた日々のかけがえのなさがつづられた、しんみりとさせられつつも爽やかさの残る連作短編集、です。「月と蟹」の生々しくも重い少年の物語とはまた違ったベクトルの少年...
山間の村で、小学生の利一と仲間たちが出会った不思議と、奇跡、そして事件。こどものときにしか浴びられない光を、全身に受けつづけた日々のかけがえのなさがつづられた、しんみりとさせられつつも爽やかさの残る連作短編集、です。「月と蟹」の生々しくも重い少年の物語とはまた違ったベクトルの少年たちのひと夏を描いています。 この一冊には、ミステリ風味と、友情物語と、そしてサスペンスと。こども視点でのさまざまな要素がミックスされた、なかなかに濃い日々が描かれています。キャラクタもなかなか濃くて(キュウリー夫人ってステキ・・・)、親しみを感じます。 終盤はかなりシリアスに危機を迎えるのですが、その果てのラストシーンのまばゆさは、乗り越えた危険のていどの分だけ、素晴らしいものでした。どんでん返しでインパクトをつけるのではなく、浮かびあがってくる情景でインパクトをつけてくる、という作者の最近の変遷、巧さを感じたのでした(生意気ないいかたかもしれませんが・・・)。
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少年時代の思い出をベースにした小説。著者の作品には類似パターンがあったように記憶しているが、題名は忘れた。後半にてサスペンス的要素が出てくるが、それまではスタンドバイミー(スティーブンキング原作)を彷彿させる。
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小学生が主人公の、ミステリー色を帯びた軽い冒険談。人物像は、相変わらず表層的。かつてNHKで放映していた、少年ドラマシリーズを思い出した。
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少年の頃の思い出。ドキドキワクワク笑って走ってアホで、恥ずかしさや悔しさと勇気が詰まった作品。ばぁちゃんとワンダが良かった。
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私が小学時代を過ごした町は田舎暮らしや都市開発とは無縁の場所で、今も大きく変わることなく横浜市内の同じ場所にある。そして比較的ませたガキだった私は小4の時分にはゲーセンでスト2やったりしていたわけで、この小説の主人公たちと同じような環境では少年時代を過ごしたわけではないのだけれ...
私が小学時代を過ごした町は田舎暮らしや都市開発とは無縁の場所で、今も大きく変わることなく横浜市内の同じ場所にある。そして比較的ませたガキだった私は小4の時分にはゲーセンでスト2やったりしていたわけで、この小説の主人公たちと同じような環境では少年時代を過ごしたわけではないのだけれど、すごく共感して懐かしい気持ちになりました。結局バカな小学男子の精神は時代や土地が違っても大差ないのだと思う。私より下のゆとり世代や現在の子供たちもきっと根っこの部分では変わらないんじゃないかなぁ。記憶の中で自分が3年生の時と4年生が時との境界は曖昧なものになっているけど(たぶんクラス替えがなかった為)、読んでいて自分の3・4年の頃を色々と思い出しました。もう会うこともなくなった顔が浮かんできました。加えて6章~終章の所では直木賞作家作品らしいエンタメ要素も顔をだし、ついでに全体に仕掛けられたちょっとした騙し要素にもまんまとやられて、非常に面白い小説でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小学生の頃遊んだ仲間や出来事を思い出した。今考えると無茶なこと、恥ずかしいこと、残酷なことなどいろんな事が思い出される。今思えば、周りの環境は今ほど豊かで無かった。それもひっくるめて幸せでいい思い出になっている。
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キラキラしてました。 アホでノスタルジックでたまらんです。 読んでいるうちに自分も子どもに戻ったような気になってしまい、一緒にハラハラドキドキ。 ほんのりあったかくなる読後感でした。
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特別大きなひねりもなくって読後感も爽やかで楽しかったです。ところどころで思わず声出して笑ってしまいました。4人の少年+αのちょっとした冒険ですね。なんだかんだでみんな良い子です。この子たちの瞳はきっとキラキラしてるんだろうなぁ。 利一は道尾氏の幼少期がモデルなんでしょうか。自分も...
特別大きなひねりもなくって読後感も爽やかで楽しかったです。ところどころで思わず声出して笑ってしまいました。4人の少年+αのちょっとした冒険ですね。なんだかんだでみんな良い子です。この子たちの瞳はきっとキラキラしてるんだろうなぁ。 利一は道尾氏の幼少期がモデルなんでしょうか。自分も田舎育ちだからノスタルジー感じました。 ちょっと前に道尾氏がtwitterで最近の子供たちは虫じゃなくてモンスターを狩らされてて可哀そうだなって呟いてましたけど、ホントにその通りですね。仕方ないことかもしれないけど、なんだか切ないです。 悦子の「リー」って呼び方がまるで中国人を呼んでるみたいな違和感があって何でだろうと思ってたら、あれですね、ブルース・リーです。
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ギャングエイジと呼ばれる小4の男子4人+小6の姉。 5人のドタバタな夏から春を迎えるまでの冒険…? 何かに一生懸命になって、必死で、どこか大人の反応も気にしつつ、それでも、全人生を賭ける勢いがある時代。 怖さも、楽しさも、全てひっくるめて、本当に、キラキラした(当人にはドキドキ...
ギャングエイジと呼ばれる小4の男子4人+小6の姉。 5人のドタバタな夏から春を迎えるまでの冒険…? 何かに一生懸命になって、必死で、どこか大人の反応も気にしつつ、それでも、全人生を賭ける勢いがある時代。 怖さも、楽しさも、全てひっくるめて、本当に、キラキラした(当人にはドキドキの)一時です。 まさに、宝物の時代でしょうか…。 道尾さんの過ごしてきた日々かと思ってしまいます。 ちょっとしたスタンド・バイ・ミー? 今回はどんでん返しはないだろうな… と思っていたら……!?
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夏の花火、冬の蛍、ライターの炎、ヒカリゴケ… 小学生たちの日常と冒険のなかに差し込む光。 まだその眩しさで見えないものが多い彼らが 出会う事件が彼らの心に小さな変化を 起こしていく瞬間が丁寧に描かれています。 そして周りの大人たちが時折眩しい瞬間を思い出すところが、 読んでいて愛...
夏の花火、冬の蛍、ライターの炎、ヒカリゴケ… 小学生たちの日常と冒険のなかに差し込む光。 まだその眩しさで見えないものが多い彼らが 出会う事件が彼らの心に小さな変化を 起こしていく瞬間が丁寧に描かれています。 そして周りの大人たちが時折眩しい瞬間を思い出すところが、 読んでいて愛しい気持ちにさせてくれます。 人はみな弱くて、そして強い。 誘拐事件は手に汗握る緊張感でした。 楽しいことを一緒にするだけでなく、 助けを求めている時に手を貸してくれる友達。 それが本当の友情だと思います。
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