1Q84 BOOK 3(前編) の商品レビュー
もうひとり視点が加わることで物語の厚みがぐっと増して、 話がおもしろくなってきているように感じる。
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基本、全くの端役で二度と登場しないであろうと思われていた人物が第3極の視点として登場する。本当にまさか、この人物がという感じで意外。視点として登場する以上、その人物背景や心理描写に紙面を割くため、物語の進行は停滞気味である。ただし、起承転結もいよいよ転の局面を迎え、二つの視点を接...
基本、全くの端役で二度と登場しないであろうと思われていた人物が第3極の視点として登場する。本当にまさか、この人物がという感じで意外。視点として登場する以上、その人物背景や心理描写に紙面を割くため、物語の進行は停滞気味である。ただし、起承転結もいよいよ転の局面を迎え、二つの視点を接続するための客観者としての視点、いなくても二つの視点は接触するであろうが、共に主観である以上、客観視できないので、が必要となったのだろうか。編集者の小松の様変わりや、NHK集金人とは等、結末に向けて語られるであろう謎が、あと1巻で何処まで収束するのか楽しみではあるが、物語が終わるのも少々、さびしい。それにしてもNHKに訴えられないか?
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Wikipediaのあらすじ 【Book1、Book2では、スポーツインストラクターであると同時に暗殺者としての裏の顔を持つ青豆を描いた「青豆の物語」と、予備校教師で小説家を志す天吾を主人公とした「天吾の物語」が交互に描かれる。 Book3では2つの物語に加え、青豆と天吾を調べる...
Wikipediaのあらすじ 【Book1、Book2では、スポーツインストラクターであると同時に暗殺者としての裏の顔を持つ青豆を描いた「青豆の物語」と、予備校教師で小説家を志す天吾を主人公とした「天吾の物語」が交互に描かれる。 Book3では2つの物語に加え、青豆と天吾を調べる牛河を主人公とした「牛河の物語」が加わる。】 普通におもしろく読めた。「羊たちの冒険」を思わせる村上春樹らしい作品。結局は長く思い続けた初恋が20年経って実った、という話なのかなという感じである。テンポよく話が進むので読みやすいかな。三巻も必要ない気がする。
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「第三の視点」が加わり(予想だにしていなかった)、より多面的になったなあ。倒叙的でもある。 著者の伸びやかな世界の広がりにつくづく驚嘆します。要所要所に散りばめられた比喩も美しい。 また『罪と罰』を読んでいてよかったなあ。わずか1、2行の箇所を味わえました。この手のケースっても...
「第三の視点」が加わり(予想だにしていなかった)、より多面的になったなあ。倒叙的でもある。 著者の伸びやかな世界の広がりにつくづく驚嘆します。要所要所に散りばめられた比喩も美しい。 また『罪と罰』を読んでいてよかったなあ。わずか1、2行の箇所を味わえました。この手のケースってもっとあるのかな。往年の著作をあまり知らない私は損をしている? 過去の自分を振り返ったり、未来を想ったりしますね。楽観や悲観ではなくて。そういう力があります。 いよいよ最終巻だな。
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村上ワールド全開! やはり村上春樹さんの作品には牛河のようなキャラクターがいないとね! この人物のおかげでグッと面白くなってきた。
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〈青豆〉 ・名を呼ぶある声を聞き、死のコースから自ら外れる ・ヤナーチェックの「シンフォニエッタ」。導入の役目。 ・NHKの集金人の執拗な攻撃 ・「あなたはいつまでもそこに隠れて、逃げおおせせることができると考えておられる。いいですよ、隠れていらっしゃい。しかしどれほどこっそり息を潜めていても、そのうちに誰かが必ずあなたを見つけ出します」 ・行為のない妊娠疑惑→陽性反応→もしこれが天吾の子供だったら?→FA!→産む決心 ・首都高速道路の階段を逆に上る、ことを思いつく ・自分だけの神を信じようとする 〈天吾〉 ・天吾の留守中、NHKの集金人がやって来る ・小松、無口化 ・『空気さなぎ』オタの安達クミとハシッシ ・「フクロウくんは森の守護神で、物知りだから、夜の智慧を私たちに与えてくれる」 「自分から森の中に入って行けばいい」→森はリトル・ピープルの領域(安達クミは何の隠喩だろう?) ・父との、自らとの和解→父の元を去る ・求めているのは、青豆の空気さなぎに出会うこと ・手紙を残してふかえりは去る→自分を見ている存在を知る ・小松、誘拐監禁被害を告白 〈牛河〉 ・さきがけメンバーとの接触 ・青豆の行方を追ううち、老夫人との関係を怪しみ始める、青豆の身辺調査 ・「鋭い嗅覚と、しがみついたら放さない粘り強さ」 ・牛河、結婚してたのか……! ・結婚していても、孤独だった。かたくなにこの世に確かなものなどないと信じている。 ・天吾のそばに部屋を借り、潜伏 牛河が出て来るものの、話としてはあまり発展したとは言い難いBOOK3前編。 特に牛河章はすべて牛河の恐ろしいまでの勘と推理力により進んでいるので、えええーと思うところも多々あるんだが、それでもするすると読まされてしまい、そのうちそれがまるで気にならなくなってしまう不思議。 そしてBOOK3前編で強く感じたのは、天吾が完全に母親の影と父親から解き放たれたということ。 自分の全てを父に話してしまうことで、己の内部に立ちはだかっていた父という存在を殺したようにさえ思えた。それが印象的だった。 それらは天吾が自分の意思で青豆に会いたい触れたいと望んだから起きたことなんだろうか。 天吾の父親が言葉を持たない人間として出てきたのはとても良かったなあと思う。 この父のことを考えると、胸が苦しくなって仕様がない。 特に、天吾が推理して話したことが胸にどっかんと響いて引っ掛かって引っ掛かって……(父親は、天吾を集金に付き合わせることはコミュニケーションの一環だった、それが彼が唯一上手くできることだった、のくだり) それから、”彼らの神”でなく、私だけの神を持つ、という青豆の宗教観がとても興味深かった。 そして今回もまたよく分からないことが増えてしまった。 NHKの集金人とは一体何の隠喩か? 青豆の求めている、世界が消滅した後にやってくる王国の姿とは? リトルピープルが新たな通路を作り、ドウタを生むのと、青豆が妊娠したのは同じこと? 空気さなぎ=子宮? 色んな書評や考察サイトを読んでいる途中だけれど、それでもよく分からない…… そして読解力のないわしは、読んでいるさなかも、自分自身でその答えを見つけることができなかった、ので、とても気持ち悪い状態が続いているのである。 読書において、全てを理解する、あるいは自分の中に確固たる答えを見つけることがそんなに重要なことではないのだろうけれど、知りたいなあ。 最後になんだか一番心に残ってしまっている台詞。 「このドアはなかなか悪くありません。叩き心地がよろしい」 なんだそれwwww 私が青豆だったら、我慢しきれず`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!! となるな(笑
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ここで視点が3つになります。 ハラハラさせる展開に引き込まれました。 「希望のあるところに必ず試練がある 」
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ついに邂逅か?と思わせつつ下巻に続くのはうまいとも言えるし延ばしすぎとも感じられる。 個人的に牛河好きだなぁ。自分の勝負所がわかってる感じ。好かれないけれども憎めないキャラクター。 青豆の記述を通して村上春樹の宗教観が提示されたように思う。なぜ信仰は組織化され宗教となるのだろう。
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5冊目にして新たな語り手が…まさかの「牛河」凄い演出! 1Q84は相変わらず謎だらけ、少しずつ解明し少しずつ増えて行く精神世界、ついに青豆が…何で?理解不能。それでも後半には新たな謎が解明されようとして終わる、続きを読ませようとする構成は毎度感心する。全く先が読めず謎は深まるばか...
5冊目にして新たな語り手が…まさかの「牛河」凄い演出! 1Q84は相変わらず謎だらけ、少しずつ解明し少しずつ増えて行く精神世界、ついに青豆が…何で?理解不能。それでも後半には新たな謎が解明されようとして終わる、続きを読ませようとする構成は毎度感心する。全く先が読めず謎は深まるばかり、最後の1冊早速読もう!
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※このレビューにはネタバレを含みます
話の主軸がさきがけとの関連から青豆と天吾がいかに引き合うかに変わってきた。今までのドキドキ感が減り、事実を追っていく感じ。時間軸がどうなっているかも分かりにくくなった。1Q84年を描くためにあえてそうしているのだろうか。 牛河の予想が都合よく当りすぎているように感じ、不自然感が出ている。ここで牛河をフューチャーした意味がいまいち分からなかった。理解力、読む力が足りないのだろうか… もしかしたら二人とも精神異常をきたしているのか…
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