霖雨 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いや、世の中とはそうしたもののようです。人の事は悪く言いたいらしい。つまるところ、わかってもらいたいという気持ちが己の欲なのではますまいか。その欲を捨てて、すべきことを成していくのが人の道だと思うようになりました 人が生きていくとは、長く振り続く雨の中を歩き続けるのに似ている。しかしな、案ずる事は無いぞ。止まぬ雨は無い。いつのひか雨が止んで、晴れた空が見えるものだ 義挙のためなら、己一身も家族も顧みない覚悟が必要なのかもしれないが、家族を慈しむ心があってこそ、国家についても考えを深めることができるのではないか 私は、人を生かそうとする道でしか洋子は変えられると思っておるのだ
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日田の咸宜園の主宰者広瀬淡窓と弟・久兵衛の真摯に時代に向き合う姿勢。 面白くなかったわけではないのだが、葉室さんの作品のなかでは、あまり好きではないかも。 はじめは淡窓の弱腰にいらっとしたが、力ではなく、時間をかけて育てていくべきなのだという考えには、浅慮であったと反省する次第。...
日田の咸宜園の主宰者広瀬淡窓と弟・久兵衛の真摯に時代に向き合う姿勢。 面白くなかったわけではないのだが、葉室さんの作品のなかでは、あまり好きではないかも。 はじめは淡窓の弱腰にいらっとしたが、力ではなく、時間をかけて育てていくべきなのだという考えには、浅慮であったと反省する次第。しかし、佳一郎の底の浅さは全くもって愛せないし、千代は千代で煮え切らないし、自分で何とかしようとして事態を悪くするというありがちな展開。このきょうだいのお陰で話が盛り上がる訳だが、彼らが好きになれないせいで、作品自体の評価はちょっと低めにしてしまった。
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「人を潤す慈雨となる生き方をしなければならぬ」と語る淡窓。すごい覚悟だ。そういえば日田の叔母も肝っ玉がすわっていたっけ。人が風土を育て、風土が人を育てるんだな。面白かった!
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読み友さんのオススメは確かこの作品だったな…と借りてきた、初めましての葉室麟作品です。 面白かったです。 日田を舞台に、広瀬淡窓と弟・久兵衛を中心としたしみじみとした物語でした。 淡窓の私塾の咸宜園になにかと介入してくる塩谷郡代に従うばかりの兄弟のことがよく理解できなかったのです...
読み友さんのオススメは確かこの作品だったな…と借りてきた、初めましての葉室麟作品です。 面白かったです。 日田を舞台に、広瀬淡窓と弟・久兵衛を中心としたしみじみとした物語でした。 淡窓の私塾の咸宜園になにかと介入してくる塩谷郡代に従うばかりの兄弟のことがよく理解できなかったのですが、最後まで読んで、彼らの生き方が少しわかった気がします。 淡窓と対照的な、大塩中斎が起こした乱、歴史の一事件としては知っていましたが、こんな経緯だったことを改めて知りました。 ひとを生かそうとする道でしか世の中は変えられぬと思う、か。暴力は暴力しか生みませんね。 止まない雨はないけれど、生きていくには雨も必要ですね。
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2016.10.04 幕末の学者は凄いものだと改めて思う。武士でなくとも商人の中にも見上げた人がいる。
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他藩から来た曰くありげな姉弟に振り回される、おじさんたちのお話。・・・このように書くと軽いお話に思えるが、読み進むのに気力が必要だった。
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私塾・咸宜園を主宰する広瀬淡窓の学問することと、生きる社会の中で周りと関わる事の難しさと楽しさがしみじみと感じられる。
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天領である豊後日田(大分県日田市)で、私塾・咸宜園を主宰する広瀬淡窓(儒学者・詩人)と家業を継いだ弟・久兵衛の物語。入門にあたり年齢・学歴・身分を問わない淡窓の教育方針は当時としては画期的。全国から入門希望者が集まったが、お上にとっては危険な存在で、西国郡代からのいやがらせが続く...
天領である豊後日田(大分県日田市)で、私塾・咸宜園を主宰する広瀬淡窓(儒学者・詩人)と家業を継いだ弟・久兵衛の物語。入門にあたり年齢・学歴・身分を問わない淡窓の教育方針は当時としては画期的。全国から入門希望者が集まったが、お上にとっては危険な存在で、西国郡代からのいやがらせが続く。一方、掛屋を営む弟の久兵衛も、公共工事を請け負わされ、民の反発をかって苦境に陥っていた。 そんな折、大塩平八郎の乱に加わった元塾生が淡窓のもとに逃げてくる。お上に叛旗を翻した乱に加わった弟子に対し、淡窓はどんな決断を下すのか。また久兵衛は難局を乗り切ることができるのか。 手を携えて困難に立ち向かいながらも清冽な生き方を貫こうとする広瀬兄弟の姿を通し、「長い雨が降り続いて心が折れそうになっても決して諦めてはいけない」というメッセージが切々と胸に迫る。。。。
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2013.6.25読了。図書館。日田の儒学者とその弟、その家族、思いを人情味溢れる構成で書き綴られた小説。少し、暗かったかな?
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小説は映画と違って頭の中で映像化しなければいけませんが、その作業は人それぞれで自由だと思います。作者の表現と自らの想像力が噛み合ったときには自分だけの映像が現れ、それは自分だけのものとなる感覚になります。 僕の中では小説は単なる娯楽という位置づけですが、時に娯楽を超えて、主人公の...
小説は映画と違って頭の中で映像化しなければいけませんが、その作業は人それぞれで自由だと思います。作者の表現と自らの想像力が噛み合ったときには自分だけの映像が現れ、それは自分だけのものとなる感覚になります。 僕の中では小説は単なる娯楽という位置づけですが、時に娯楽を超えて、主人公の生き様から喜怒哀楽が強烈に僕の胸に突き刺さることがあります。 淡窓を中心に久兵衛、千世、佳一郎は勿論のこと、塩谷郡代や茂知蔵ですら入り込むことができ、それぞれの立場での苦悩や葛藤を感じることができました。 あまり注目されていないものからこのような小説を見つけたときには大変嬉しいです。
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