天地明察(下) の商品レビュー
いや~面白かった。時代小説らしく無いといったら無いのかも知れませんが、あまり時代小説を読まない人間にとってはとても読みやすかったです。主人公『晴海』の情熱と、実直な人柄から読後感がとても良い小説です。『えん』との恋模様も抑えた感じで本筋を邪魔しませんが、十分に存在感が有ります。脇...
いや~面白かった。時代小説らしく無いといったら無いのかも知れませんが、あまり時代小説を読まない人間にとってはとても読みやすかったです。主人公『晴海』の情熱と、実直な人柄から読後感がとても良い小説です。『えん』との恋模様も抑えた感じで本筋を邪魔しませんが、十分に存在感が有ります。脇役も人間味あふれる人達でかためられているので、そちらを主人公にした話も読みたいです。買って損無し。
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読んでいて気持ちの良い小説だった。気鋭に溢れた人々が生き生きと描かれている。 自分で成し得なかった部分と重なり才気に嫉妬もしたけど、それを超えて惚れ込める人物像が創られていて、新しい時代小説だと思う。 『光圀伝』も期待せざるを得ない。 映画も楽しみ。 岡田准一、宮崎あおいはピッ...
読んでいて気持ちの良い小説だった。気鋭に溢れた人々が生き生きと描かれている。 自分で成し得なかった部分と重なり才気に嫉妬もしたけど、それを超えて惚れ込める人物像が創られていて、新しい時代小説だと思う。 『光圀伝』も期待せざるを得ない。 映画も楽しみ。 岡田准一、宮崎あおいはピッタリのキャストだと思う。 関孝和が誰かによって、左右されるかもなぁ。 あぁ、面白かった。
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遂に自身の天命を見つけ、多くの協力者と共に奔走し、その成果を挙げながら、同時に大きな挫折を味わう春海。 しかし、どん底にあっても公私共に良縁に恵まれたのが春海の強みですね。 読了後、これほど暖かな気持ちになるとは思わなかったです。
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読みやすくてすらすら読めました。 春海さんを始め、皆が素敵で可愛くて魅力的。 時代が動いたのを目撃した感じ。
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今日はよく晴れて絶好のダービー日和。てな具合に、お天気のことはいつも気になりますねぇ。 この前の金環日食では日本中が俄かに天体ブームになり、私の職場の窓からも折り良く薄っすらと雲に隠された太陽の環が見えて、暫し見とれてた。 本当に予告された時刻通りに隠れてまた出てくるのだから凄い...
今日はよく晴れて絶好のダービー日和。てな具合に、お天気のことはいつも気になりますねぇ。 この前の金環日食では日本中が俄かに天体ブームになり、私の職場の窓からも折り良く薄っすらと雲に隠された太陽の環が見えて、暫し見とれてた。 本当に予告された時刻通りに隠れてまた出てくるのだから凄いよね~。そういうことって、もはや当たり前のことなんだけど、この本を読むと、それはそこに至るまでの数多の先達たちの労苦の上に成り立っていることが良く分かる。そんでもってこれも数学なんだわ。 さて下巻。遂に、保科肥後守正之から、改暦の儀、天を相手の真剣勝負を命じられる。たかが暦といいながら、宗教、政治、文化、経済-全てにおいて君臨することを意味するこの事業の歩みが、ここでもまたサラサラと綴られる。 ひとつの失敗から一敗地に塗れ臥薪嘗胆の日々の中で多くの人が逝きそれらの思いも背負って着々と手を打つ春海。史実に基づいた話の流れに、過剰な思い入れを排した語り口が好ましい。 天才を発揮できない境遇の関が春海に託す思い、泰然と春海を支えるえんの存在、おじの遺志を継ぎ関の弟子となった建部兄弟との邂逅、物語の中で語られるそれぞれの場面に、この事業に携わった多くの人々の意思と立ち振る舞いの潔さに触れ、本当に気持ちが良い。 同じ日に没したという夫婦の物語に、私たちもこういう関係であれればなんて今更ながらに思ったりもして、馬券は当たらなくても、とても清々しいダービーデー。
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下巻は春海が改暦事業に携わってから幾度もの失敗を経て成功させるまでが描かれています。 改暦にかける情熱、先人たちの思い、失敗の苦悩、周囲の怨嗟、支持者達からの惜しみない協力、成功に向けての布石等が、淡々とあっさりとした文章で綴られています。 だからこそかえってそれらが痛いほどに伝わってきます。 算術や暦法、自分にとって縁の無い世界、むしろ苦手な分野をテーマとした小説が、魅力的な登場人物たちのおかげで、こんなに面白く読めてしまうとは。 喜び、悲しみ、興奮、感動と、とにかく胸が震えた小説でした。
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徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。 即ち、日本独自の暦を作り上げること。 当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。 改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。 碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見...
徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。 即ち、日本独自の暦を作り上げること。 当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。 改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。 碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。 彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く―。 日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。 第7回本屋大賞受賞作。 渋川春海と彼を取り巻く人間模様と改暦にかける情熱など、読んでいて爽快でした。 しかし、多くの個性的なキャラクターが登場するせいか人物像の掘り下げには少々難があるかもしれません... その反面、キャラに陰りや重みが少ない分、軽快でスピーディーな展開が楽しめます(-^□^-) (お話としても凄く面白かったです) ・「囲碁侍」算哲が天才数学者関の存在を知り、挑み、そして挫折。 ・全国各地を測量して回り、その結果授時暦への改暦を願い出た。 ・そして授時暦に代わる、研究の集大成たる「大和暦」を作り上げた。 完成した「大和暦」をいかに正式に国の暦として採用させるかというその過程や、幕府と朝廷の間の政治力学の狭間でこれを実現していく緊迫した終盤は実に感動的でした。 気弱な青年であった晴海が個人的に人間として成長していく過程もまた魅力的な作品。 そして、一貫して描かれているのは一途かつ頑固な改暦への情熱。 そしてその情熱を支える妻、えんの賢さ・温かさもいい味を出しています。 碁打ち、算数、天文、歴史、好きにはたまらない小説ではないでしょうか。 私は碁も天文、算数等あまり得意な分野ではありませんが、それでも楽しく読む事ができました。
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最後の方がかなり怒涛の展開だったがものすごく幸せな人生を歩んだ人だと思った。 何をするにも人の手助けなしにはなし得ることはできないのであるなぁ。
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清々しい読後感。胸熱くなる。養老孟子さんの解説も心に響く、良いものは良いと。 無垢な探究心とその志同じくする人たち・支えてくれる多くの人たちの物語、ムネアツです。まさかこんなに泣くとは予想していなかった。上下巻ともにやたら涙ぐんで読んでました、電車の中なのにね。出てくる人たち、みんないい人ばっかりなんですもん。 碁盤を挟んでの保科正之の語り。「黄金の王 白銀の王(沢村凛)」が思い出されたのです。国を背負う者の思い、民を国を、その将来を思うところが同じだなーって。 「士気凛然、勇気百倍」。こんなふうに意気込んで、モチベーションMAXで仕事したい。たぶん、今まででも何回かはこのような気持ちで望んでいるとは思うのですけどね。これからも、士気凛然と仕事に望みたい。挫折し、心折れても、再び立ち立ち上がり、成し遂げる。この信念が読んでいてたまらない。 道策とのやり取りで「弟子をとれ」。ですよねー。才ある者は、そのすべてを次の世代に託していかないと。道策、関孝和ともそれを成し遂げたというのは本当に素晴らしいこと。 にしても、年上に囲まれていたのでしょうがないのでしょうが、親しい人がどんどん先になく亡くなられるというのは耐え難いことだろうなあ。 で宮崎あおいさんはえん?こと?どっちだろうとか思ったりもして。悩むべもなくえん(延)で良かったのですが。渾天儀を最初に抱くのがことだったので、あれ?とか思ったのですね。 途中、急に駆け足になるところありますよね?空白行もないのにガラリと変わったり。ちょっと面喰ってしまった。 でも、なんで分冊にしたんだろう。1冊でも問題ない量だと思うのだけど。
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改暦という目標にただひたすら突き進む渋川春海の姿に心打たれました。草食系かつオタクな主人公がとにかく素敵です。切った張ったの出てこない良質な時代小説かと思います。故に映画化のハードルは高いと思います。昔数学の教科書で見かけた関孝和の天才ぶりが凄いです。
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