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雪と珊瑚と の商品レビュー

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245件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2012/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

梨木さん、新刊~~♪ いいですねー、やっぱ好き。 「かもめ食堂」とかあのへんのテンポで映画化とか素敵そうという感じ。 いや、でもそれだとこのイチイチ言葉で伝えてくる感じがだせない、か? うーん、でも雑木林の民家カフェとか、こう光景浮かんでくるんだよなあ。 料理もおいしそうですし。 くららさん、もう尊敬ですっ。 大根のスープ、やってみようっと。 子を産むって、やっぱりなにかが変わるものなんだろうか? そのエネルギーがプラスになるかマイナスになるかは 分からないけど、プラスになれば、確かにそれは生きる糧になりそうな気はする。 ただ、それをエネルギー源にすることは子にとっては どういう意味になるのかなあ? うーん、ぐるぐるぐる考えても分からないです。 母になる資格がない人はなるべきではない、それは子供を不幸にするから。 でも資格があるって、自分にはできるってどうしたら分かるのだろう? ・・・・・なんかものすっごい賭けな気もする。 さて、珊瑚さん。 シングルマザーという存在。私が育つ過程においてそーゆー存在は 全くなく。正直、よくわからない。珊瑚が泰司の家庭をよくわからない、と思うのと同じに。 無知は罪悪だというけれど、少なくとも無知であるとゆーことを自覚する ことはできると思う。 でもやっぱ分からないことは分からないことで、知ろうとすることが いいことなのか、悪いことなのかさえ想像がつかない。 この人の姿勢、とゆーか在り方とゆーか、はとても好きだ。 くららさんに出会えて、そうしていろんな人と関わりあっていって、 ぐるぐるぐるぐる悩みながらも、でも前に進むしかない。 働いて、生きようって。 たんたんと働いてればいつかは終わる。 目の前にあることをひとつづつ片づけること。 ちょっと復興への望み、みたいなのも感じたり。 なんとゆーか、色々、本当に色々あるんだけど、 おいしいものをちゃんっと食べて、一生懸命働いて、 そうしてみんなで生きていけたらいい、ってすっごく思った。 で、梨木さんの描く気持ちのいい人たちってのは、私にとっては結構 理想的で、とても好きなのだけれど、 それだけじゃお話は成り立たないわけで、こうひっかかる人、 美知恵さんですね。 この人、なんかヤな人、だけで終わるかとおもいきや、 最後にすっごいぐさっときたなあ。 つーか、普通、あんな手紙、書かない。 でも梨木さんの中であれは必要だから書いたのだろうなあ。 どっぷり珊瑚さんは受け止めちゃってたが、 もし私だったら、完全無視です。つーかもう破いて棄てます。 もうびりっびりに!! あれは完全なる悪意なんだろうか、それとも理解できない、分からないものへの拒絶なんだろうか。 後者ならば関係の変化はありうる。 でも前者ならば・・・・。 うーんここでもまたぐるぐるぐる。 梨木さんのお話は、どうも私にとってああ、おもしろかった、だけで 終わらせられないものが多い。 なんとゆーかストーリーを楽しむというより、 登場人物の考えとか感じたこととか、そーゆーものを味わうように 読む感じ。 考えるのは苦手だし、答えのでないものの方が多いし、 それでもまた読みたくなる。 あ、でもただ好きだなあって思えるだけのも大好きです。

Posted byブクログ

2012/05/12

珊瑚、21歳。20歳で結婚したものの1年で離婚。ゼロ歳の女の子・雪を抱えて保育所探しの日々だったのを、偶然「赤ちゃん、お預かりします」の貼り紙を見つけて…。 梨木さんの新作でとても楽しみにしていました。 私は彼女の、優しい異界ものが好きなのですけど(そして、「僕は、そして...

珊瑚、21歳。20歳で結婚したものの1年で離婚。ゼロ歳の女の子・雪を抱えて保育所探しの日々だったのを、偶然「赤ちゃん、お預かりします」の貼り紙を見つけて…。 梨木さんの新作でとても楽しみにしていました。 私は彼女の、優しい異界ものが好きなのですけど(そして、「僕は、そして僕たちはどう生きるか」もまた凄くよかった!!)、今回は“普通の”小説で、でも最後までしっかり(*^_^*)読むことができました。 珊瑚は若い若いシングルマザーなのですが、母性を持たない母親に育てられた生い立ち&現実感のない若い男の子(としか言えない)との結婚・離婚を背景にした、今を生きていかなければならない、という現在が、梨木さんの構成と文章の巧さでとてもリーズナブルに始まったことが嬉しかったです。 (シングルマザーものの中には、あまりにも無鉄砲というか考えなしの主人公を周りの人たちが振り回されたながらもフォローする、という話もあって、その甘えたタッチには苛々させられたものだから…。) で、雪を預かってくれることになったのは、退職^_^;した修道女の くららさん。一軒家で静かに暮らす彼女は、とても魅力的な人で、彼女の言うこと、眼差し、また彼女の作る温かい野菜料理にはほっとさせられて、そこがこの物語の中で一番好きだったところのように思います。 話の展開としては、珊瑚がくららさんに触発されて惣菜カフェを開き、切り盛りしていく、という起業もの、というか、珊瑚&雪の成長物語なのだけど、そこは面白く読みながらも、客商売というものに関しても、育児に関しても、その他あれこれ全て、そんなに簡単なものではないでしょう!という違和感が。 ただ、珊瑚の多角的に自分を見つめることができる人となり、珊瑚と関わる人たちのそれぞれかなり説得力のある人の良さ、また、野菜そのものの味の描写や料理としての優しさに支えられて、実は昨日の夜遅くに読み始めたのに、今日は仕事が休みとはいえ、もう読み終わってしまった、ということからも、ぐいぐいと力を持って読ませてしまう作品だったと思います。(*^_^*) くららさんの持っている宗教観、珊瑚が感じる人から助けられることに対するあれこれ、また、言ってしまえば登場人物たちの全てがちゃんと言いつくされていない、というもどかしさは、梨木さんの確信犯的持って行き方だったんでしょうね・・・。 日常生活で、この人のことをすべて理解できた!なんてことはあるわけがないのであって、そんな日々にちょっとお邪魔して読ませてもらった、と思えば、うん、こんな物語もいいよね、と。 話は終わってないから、これから珊瑚や雪、また、お店はどうなっていくのか、それは誰にもわからない、私のこれからが自分でもわからないように、と素直に思えたこともよかった気がします。

Posted byブクログ

2012/05/11

淡々とした主人公とそれを取り巻く人々のほっこりするストーリー。 出てくる食べ物がとにかく美味しそう。 「からくりからくさ」や「沼地の~」と同じ系統。 凄く好き系の話しなのに途中まで話に引き込まれなかったのは 「赤ちゃん」と「仕事が出来ない」という2つが自分の中で違和感があり ...

淡々とした主人公とそれを取り巻く人々のほっこりするストーリー。 出てくる食べ物がとにかく美味しそう。 「からくりからくさ」や「沼地の~」と同じ系統。 凄く好き系の話しなのに途中まで話に引き込まれなかったのは 「赤ちゃん」と「仕事が出来ない」という2つが自分の中で違和感があり ひっかかりが解けなかったせいか。 その2つが苦手な人間でなければ、とても落ち着いて読める話。

Posted byブクログ

2014/05/05

★自分の中でいろいろ分裂していることがある気がして。散らかった自分の想いを整理したいなと思って、再読。きっと珊瑚のように機が熟すとき、つまりよいタイミングがご縁があればあるような気がする。それまでは焦らずにいようと思う。それにしても、くららさんがいいなぁ。まいのおばあちゃんと重な...

★自分の中でいろいろ分裂していることがある気がして。散らかった自分の想いを整理したいなと思って、再読。きっと珊瑚のように機が熟すとき、つまりよいタイミングがご縁があればあるような気がする。それまでは焦らずにいようと思う。それにしても、くららさんがいいなぁ。まいのおばあちゃんと重なる。押しつけがましくなく、でも、迷う人の進む道をまっすぐに示す。そんな人になりたいな。(2014/05/05) ★再読。最近、梨木さんの本ばかり読んでいる。自分が思っている以上に切羽詰まっているのかもしれない。『不思議な羅針盤』を読んだばかりなので、あぁ、梨木さんは自分が体験したこと、それを通して感じたことをするりと物語に反映されているんだなぁとしみじみと感じた。身の丈にあった生活。きっと私自身の許容範囲をこえたことばかりに囲まれていて、落ち着かないのだと思う。スケールを小さく、密に。そのことを心に留めながら、日々を見つめていたい。(2013/03/07) ★この物語の主人公(のひとり?)の珊瑚は、マーガレットに似ているなぁと思いながら、ページを重ねていった。 様々なことに葛藤しながら、でも、その時がきたらしっかり向き合う。言葉にも誠実。そんな珊瑚と珊瑚のまわりでそんな珊瑚にふんわり寄り添っている人たちが好きだなと思った。 今、きっと私たちは個人レベル、それからもっと大きなレベルで生き方を社会の在り方を、価値観の見直しを迫られているのだと思う。この物語はそれに対するエールのような気がしている。ゆっくりゆっくり、でも忘れずに、そして確実に。 それにしても、自分の住まいの近くに「雪と珊瑚」のようなカフェとそのカフェがあるような空間があったらいいのになぁとしみじみと思った。(2012/04/29)

Posted byブクログ

2018/10/20

珊瑚、21歳。生まれたばかりの赤ちゃん雪を抱え、途方に暮れていたところ、様々な人との出逢いや助けに支えられ、心にも体にもやさしい、惣菜カフェをオープンさせることになる……。

Posted byブクログ