万能鑑定士Qの推理劇(Ⅱ) の商品レビュー
莉子の論理的思考が、感情の起伏に邪魔されて苦労するのが、ハラハラさせられる。もどかしいのは分かるが、浅倉絢奈を登場させるのに、何か意味があったのだろうか? 本文より 「学業ってさ」漢那の声はなおも落ち着いていた。「理不尽だよな。もうまともに働けるだけの身体ができあがってのに、授業...
莉子の論理的思考が、感情の起伏に邪魔されて苦労するのが、ハラハラさせられる。もどかしいのは分かるが、浅倉絢奈を登場させるのに、何か意味があったのだろうか? 本文より 「学業ってさ」漢那の声はなおも落ち着いていた。「理不尽だよな。もうまともに働けるだけの身体ができあがってのに、授業や部活で生徒を縛る。で、いきなり社会に放りだす。泳ぎ方を教えもせずに、水に飛びこませるようなもんだ。そう思わないか」「条件は誰でも同じです」「違うよ。時期や地域によって異なる。僕らの世代、南の離島じゃ相当に苦しかった。仕事はない。同世代は大勢あぶれている」「だからって良識を失っていいって話にはならないでしょう。みんな努力してるのに」「僕だって同じさ。不合理と不条理ばかりの社会で、何も持たない人間がどうやって逆転できるか、真剣に考えた。理解なんか求めない。これが僕の生き方だよ」どうにもできない哀しみがくすぶり、莉子はなにも言葉にできなかった。
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松岡圭祐による万能鑑定士新シリーズ第2弾。 持ち込まれた古い「不思議の国のアリス」の裏に隠された秘密と、それを解き明かすために万能鑑定士Qを閉店しオークショニアになる莉子。その結末はほろ苦く、結局誰かが救われたのかどうかもやもやしてしまう。 それにしても颯人くんは幼い頃から不幸に見舞われながらも、父親を慕い、いつか会えることを夢見て試練に耐え続けている。けなげで、それでいてまっすぐに育っているところは救いか。
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古書・オークション・憧れの先輩の変化などがテーマなのかな? と本書を読んで感じました。 本書を読んで印象に残った場面は、 ・ヒロインである凜田莉子の高校時代の回想 高校時代の描写が書かれており、読んでいる自分もふと 高校時代を思い出して懐かしんでしまいました。 ・パラドックス問題 「全能の神は流れが速すぎて神みずからも泳げない川を作れるか」 というパラドックス問題について、作中ではあまり深く触れられなかった のですが、どういうことか気になってずっと考えこんでしまいました。 読者に考えされる箇所が散りばめられているのは、Qシリーズの 良いところだと感じました。 また、Qシリーズは短期間で一気に読むべきだと再確認させられました。 2~3時間で読み終わる内容なので、夜の読書にオススメです。 ちょっとした謎解きと人間模様が楽しめます。
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謎の少年から「古書をオークションにかけてほしい」と依頼され、少年を助けたい一心でオークション会社に入社することになった莉子。そこでも手腕を発揮する。しかし… 小笠原君に良い役周りなのが心憎い! でもかっこいいヒーローでないのも、らしい。ラストが物悲しい分★1つマイナス。
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莉子がお店を閉めてオークションハウスで働くことになった話.いつもながらいろんな鑑定の話があって,作者の知識すごいなーと感心.今回はそんなに小笠原がでてこなくて良かった(あんまり好きじゃない).颯人くんにこれから希望があればいいなあ.
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2巻めは、短編集的だった1巻めと異なり、シャーロックホームズの未発表作品と、ある子供に頼まれた本の鑑定の2つのストーリーが絡み合った構成。 なかなか面白く読めた。
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万能鑑定士Qシリーズ。事件簿の2作目を借りたつもりが、最新刊だった… でも、単独でも十分楽しめ、莉子の知識の広さに圧巻!気軽に楽しむには、オススメの1冊。
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なんか最近ちょっとマンネリ化してた気もしたけど、前作より面白かった気がした。 要所要所に登場してた絢奈も、実際には、添乗員αの2巻の本編とうまいことリンクしているんだろうか?
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絢奈がメインの添乗員αも面白いが、やはり莉子メインのQシリーズの方が慣れているからか、スッキリする。推理劇、続いてほしい!
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颯人君のひたむきさに心動かされる。 それに必死に応えようとする莉子にもまた。 シリーズで一番好きかも! だからこそ最後が…。 今後の作品でぜひ後日談をお願いします! そこ以外はお見事。珍しく☆4 改めて表紙を見てみたら、シリーズで一番地味ですね。 そこがまたいい。
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