終点のあの子 の商品レビュー
自分が高校生の頃から、いやそれ以前からか。この歳になってもずっと謎、積年の疑問だった女子高校生の頭の中。 大好きから大嫌いへ、愛情から憎しみへ、友情から敵意へと、まるで古いオーディオのレベルメーターのように両極端へと瞬時に振り切れるその針は、傍目には恐ろしい近寄りがたいアンタッ...
自分が高校生の頃から、いやそれ以前からか。この歳になってもずっと謎、積年の疑問だった女子高校生の頭の中。 大好きから大嫌いへ、愛情から憎しみへ、友情から敵意へと、まるで古いオーディオのレベルメーターのように両極端へと瞬時に振り切れるその針は、傍目には恐ろしい近寄りがたいアンタッチャブルなものとして横目で見ていた。 そういう女子高生たちの機微を、作者の柚木麻子さんは非常に細かく、そして深く丁寧に描写する。ははぁ、こういう思考システムでこういう結論に達するんだな、と納得は出来ないのだけれど、なんとなく得心してしまう。そんな感じ。 四つの章の、それぞれの主人公の女の子たちが、同級生との微妙でなんともいえない独特の距離感で関わり(そこで登場する脇役の子が次の章では主人公になるみたいな)不思議なクラス・カーストみたいなものを構築していく。 これ面白いなぁ。実に面白い。
Posted by
女子のお話。 独特の世界があることは何となく知ってはいましたが、みえなくてもよかった陰の部分が最初のお話からでてきて、どうしようかと思ってしまいました。 いろいろと悩んで、考えることは大事なことだとは思いますが、自分の時間、大事ですよ。嫌な人のために自分の時間を使うのは、それが1...
女子のお話。 独特の世界があることは何となく知ってはいましたが、みえなくてもよかった陰の部分が最初のお話からでてきて、どうしようかと思ってしまいました。 いろいろと悩んで、考えることは大事なことだとは思いますが、自分の時間、大事ですよ。嫌な人のために自分の時間を使うのは、それが1秒であってももったいないです。 人の見方なんて関係ない、そんな子もいたので救われました。
Posted by
こんなにも嫌なものを見たのはいつぶりか 私が苦手と感じ、逃げに逃げを重ね、属していながらも関わらずにいられる術を見つけていた女のあれこれ 嫌なものと感じるのは、登場人物の誰よりも若くない私自身が、自分は特別で何者かになれると未だに信じ切っているからだろう 恥ずかしいことこの...
こんなにも嫌なものを見たのはいつぶりか 私が苦手と感じ、逃げに逃げを重ね、属していながらも関わらずにいられる術を見つけていた女のあれこれ 嫌なものと感じるのは、登場人物の誰よりも若くない私自身が、自分は特別で何者かになれると未だに信じ切っているからだろう 恥ずかしいことこの上ない 同時に私が女であることに向き合っていないからこそ、読んでいて全てが苦しかった 自分の嫌なところをもっと人に見てもらいたい 私はどんな化学反応を起こすだろう 私が踏み出す半歩はどんなものなのか 気になるうちはまず安心
Posted by
高校生、中学生くらいの時のこういう気持ちある、あるーって共感しながら読了。 母になってもある。子どもの優秀さで目に見えないカースト。 ママ友とのお付き合いは程よい関係でいられる人だけにしよう。
Posted by
きっと登場する女子高生のどの子かに、自分を重ねる。 ぴったり当てはまる子はいなくても、部分的に「あっ、私と一緒。」っと気づかされる。 自分の行いを振り返り、反省して謝ろうと行動にうつす、そんなことを高校生だった当時の私にはできなかった。いや、今でもきっとできていない。 嫌われる...
きっと登場する女子高生のどの子かに、自分を重ねる。 ぴったり当てはまる子はいなくても、部分的に「あっ、私と一緒。」っと気づかされる。 自分の行いを振り返り、反省して謝ろうと行動にうつす、そんなことを高校生だった当時の私にはできなかった。いや、今でもきっとできていない。 嫌われるまえに自分から逃げだして、人間関係をリセットする。こんなことを繰り返しては前進できていないと痛感した。 繊細な心の動きが巧みに表現されていて、ぐいぐい引き込まれる素敵な作品でした。
Posted by
終点はこの子だったのか…。 学生時代に感じていた、感じすぎていたカースト問題を思い出した。 グループに所属していると、好きな子、好きなものを好きと言うことが難しかったり、周りの目を気にしすぎてしまったりしていたんだっけ…。
Posted by
なにこの面白さ。これがデビュー作とは。ずっと積読本にしてきた自分を責めるほど。登場人物の繊細な心の機微の捉え方や、著者の言葉選びが秀逸。何より観察眼が凄い。作中の彼女たちの大人とこどもの狭間の危なげな心の動きを、見事に言葉として産み出している。自分も同じような感情を抱いたことがあ...
なにこの面白さ。これがデビュー作とは。ずっと積読本にしてきた自分を責めるほど。登場人物の繊細な心の機微の捉え方や、著者の言葉選びが秀逸。何より観察眼が凄い。作中の彼女たちの大人とこどもの狭間の危なげな心の動きを、見事に言葉として産み出している。自分も同じような感情を抱いたことがある思春期を懐かしくもありほろ苦く思い出させてくれた。もっともっと柚木作品に触れたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本の後ろに書いてあるあらすじを読んで、惹かれて買った本です。多分、自分から一番遠くに位置してる、女子高生ってどんなものなのか、という怖いもの見たさ。 先入観無しで読んだからか、わからないけど、すごく面白かった。同じ空間にいた4人の物語で、それぞれの視点で話しが進みます。感じ方や、微妙な感情の揺れが細かく描かれています。ある女の子について、友達からの視点で描かれたものと、その女の子自身が語っているものがあって、感じ方の違いが、よくわかります。後半にいくにつれて、どんどん謎解きのようにわかっていくので、すっきりしました。 どの女の子の考え方にも共感はできませんでしたが、とにかく感情の描写が細やかだし、終わり方も綺麗で、好きな本でした。柚木さんの他の作品も読んでみよっと。
Posted by
女子校めんどくさい。 外部の子が入るとクラスがガラッと変わる。 女子校5年目の娘が呟いた言葉が印象的で手に取ってみた。 確かに心理描写がそのまま、自分を高校時代に戻してくれる様な気持ちになった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館の本 読了 内容(「BOOK」データベースより) プロテスタント系女子高の入学式。内部進学の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマン。風変わりな彼女が気になって仕方がないが、一緒にお昼を食べる仲になった矢先、希代子にある変化が。繊細な描写が各紙誌で絶賛されたオール讀物新人賞受賞作含む四篇。 おや?この作家さんは好きだったはずなんだけどコレはダメだ。
Posted by