終点のあの子 の商品レビュー
多感な少女たち。 自分を守る為に、背伸びをしたり、他人を貶めたり…。 大人になった今は、そんなに頑張らなくても大丈夫って分かるけど 小さい世界で生きていくって大変なんだ。 物語に出てくるどの少女も誰の心にも潜んでいるんじゃないかなぁ。
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女子高生の日常の心の中を描いた1冊 事実はどうかわからないが興味深く読んだ。 自分の中の女性的な気持ちがシンクロしてる気がする。 男なんだけど やっぱ 考え方が女性的なんだなぁ 悲しむことなのかどうなのか?
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お嬢様の女子高に通う女の子達のお話 4作の短編集で、1作だけ二人の視点が入り交じる ・フォーゲットミー、ノットブルー ・甘夏 ・ふたりでいるのに無言で読書 ・オイスターベイビー 有名な写真家の父を持ち、特定のグループに属さない自由奔放な朱里 そんな朱里に惹かれる希代子 元々希...
お嬢様の女子高に通う女の子達のお話 4作の短編集で、1作だけ二人の視点が入り交じる ・フォーゲットミー、ノットブルー ・甘夏 ・ふたりでいるのに無言で読書 ・オイスターベイビー 有名な写真家の父を持ち、特定のグループに属さない自由奔放な朱里 そんな朱里に惹かれる希代子 元々希代子と仲がよかったが、夏休みに自分なりに変化しようとする森奈津子 クラスの女王のように振る舞う恭子 オタクグループでつるんでいる早智子 一番好きなエピソードは「ふたりでいるのに無言で読書」かな 早智子さんとの対比の描写がとてもよかった 早智子はしっかりと墓場鬼太郎のトートバッグと認識しているのに対して、恭子さんから見れば妖怪の書かれたダサいバッグにしか見えないよなぁ 解説に書かれてある通り、登場人物を特徴づけるアイテムの表現が的確なんだと思う あと、恭子さんのイメージがガラッと変わったし、結局本人は変わらないあたりが逆に物語のテンプレートをを崩している気がする 「甘夏」もなかなかよい 学校に車で迎えに来るという出来事が、色々な人の視点ではどう見えたのか そしてその裏事情というあたりが面白かった 登場人物に抱くイメージが、他の人視点で描かれるパートを読むと少し変化する この辺は、「桐島、部活やめるってよ」に似ている 単行本としては霧島の方が早いけど、雑誌掲載はフォーゲットミー、ノットブルーの方が先なんじゃなかろうか? 他の人のイメージ変化とともに、本人達の意識の変化も含めて秀逸な物語になっている 解説でも書かれてある通り、リーダー的な振る舞いからその取り巻きになったり、ランク外でひたすら勉強するグループになったりと 女性のグループは一度固定されるとなかなか変化しないと思っていたけれども、実はもっと柔軟なものかもしれないとも思える これが柚木麻子さんのデビュー作というのはなかなか興味深い 女性同士の関係を描いた作品として、あまからカルテット、嘆きの美女と続いていく中で共通するものを感じる
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―現在、クラスには六つのグループが存在する。どのグループも、それほど結束は強くない。皆、自分が入れそうなグループに慌てて飛び込んだだけのことだ。二学期には再編成があるだろう。 とある女子校を舞台に繰り広げられる人間模様、思春期の心の動き。 学校生活において、どのグループに属する...
―現在、クラスには六つのグループが存在する。どのグループも、それほど結束は強くない。皆、自分が入れそうなグループに慌てて飛び込んだだけのことだ。二学期には再編成があるだろう。 とある女子校を舞台に繰り広げられる人間模様、思春期の心の動き。 学校生活において、どのグループに属するかは最大の問題だ。 ブランドものなんて持たなくても、メイクなんてまだ早いでしょ、 その言葉に反抗する女子高生たちのクラスにも、この作品に登場するような壊れやすくて、それなのに確固たるヒエラルキーが存在するのかもしれない。 あの頃、話題についていくのに必死だった人も、 あの頃、何も気にせず走り回っていた人も、 彼女たちのどうしようもない心の動きを、痛いほど分かり合える作品。
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高校生あるあるの心情が、読みやすい文章で書かれていたのでスラスラ読めました。きっと現役の高校生が読むのとまた違うだろうなぁ。ただ全部が全部共感でした訳ではないので星3つ
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よかったーー!幸せになったのかな?みんな なんか自分に言われてるんじゃないかなと思うことが多くて落ち込んだりもしつつ、引き込まれる文章ですぐ読み終えた。
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個人的には早智子と恭子さんの話が1番印象に残りました。 どの話も結末がスッキリする訳ではないからこそ、すごくリアルな女子高生たちを描いてるように思います。 当たり前だけど、自分から見たら羨ましい存在の人も、それぞれ悩みや葛藤を抱えているんだな…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
5つの物語からなる連作短編集。 装丁がかわいいですね。 「スクールカースト」 最近、よく聞く言葉です。 でも、まぁ、言葉は変われど、私が高校生だった遥か昔から、あったんですよね。そういうのって。 それにしても、女同士の人間関係。めっちゃヒリヒリします。もう、読んでてヒリヒリが止まらない感じ。 真面目で普通な女子高生の希代子。自由奔放でちょっと風変わりな朱里。 希代子は、クラス内のどのグループにも属さず、自由気ままに振舞う朱里に憧れるのですが、でも、仲良くなるにつれて、だんだんと、その憧れが嫉妬や妬みに変わっていくんです。 一方、朱里の方の奔放さっていうのも、天然。なのかといえば、多分、きっと、そうではなくて、自分は特別なんだ。ということを意識して振舞っている感じがします。 自分は何をしても許される。とか、誰からも愛されてる。とか、そういった傲慢さを自分でも分かっていて、「そんな私」というのを演じているんでしょうね。 うんうん。いるよね。そういう子。うんうん。 っていうか、この手の人間関係。って、なんかどこまでも付きまとってくるような、気がするんですよね。 社会人になっても、結婚しても、ママ友ができても。 人間って、なぜか、自分にないものを持ってる人には近づきたいと思うし、その人と同じ場所に立ちたいと思うんですよね。 そして、どんな環境であれ、自分の立ち位置が高くあればあるほど安心するし、常に自分より低い位置に誰かがいることを確認して、また安心するし。 って、もー、ほんと、めんどくさくて困っちゃう。人間関係って。 私が一番好きなのは、『ふたりでいるのに無言で読書』 希代子のクラスメイトで、美人の恭子と、オタクな保田の友情物語。なのですが、ここでも、美人か美人じゃないかのヒエラルキーや、自分の定位置から抜け出すことのできない恭子の葛藤が、なんか切ないなー。なんて思ったりしました。 でも、二人には、ずっと友達でいてほしいな。
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女子高を舞台に女子高校生たちの思春期特有の心の揺れ動きが繊細に描かれている 早智子と恭子の話がお気に入り 朱里はずっと特別な存在として扱われていたけど、最後の話でこの子も他の子と変わらない普通の子だったんだなと思った 学校って普通を目に見える形にして押し付けてくるから息苦しい...
女子高を舞台に女子高校生たちの思春期特有の心の揺れ動きが繊細に描かれている 早智子と恭子の話がお気に入り 朱里はずっと特別な存在として扱われていたけど、最後の話でこの子も他の子と変わらない普通の子だったんだなと思った 学校って普通を目に見える形にして押し付けてくるから息苦しいよね どの話もモヤッとする部分もありながら後味がよくて、読了後に心が浄化された気分になる 江ノ島行きたい ✏反省とか感傷って逃げじゃね?被害者っていう立場に逃げ込んで、楽に生きようとする。そんな人間にだけは絶対なりたくねえ。
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内部進学の多い女子高に、有名なカメラマンの父をもつ朱里という女の子が外部から入学してきたことで、心や人間関係を掻き乱されていく少女たちの姿がリアルに描かれている。私には、朱里は好きになれないキャラクターだった。なにか特別感のある女の子。朱里は女子校でも、卒業し美大生になってからで...
内部進学の多い女子高に、有名なカメラマンの父をもつ朱里という女の子が外部から入学してきたことで、心や人間関係を掻き乱されていく少女たちの姿がリアルに描かれている。私には、朱里は好きになれないキャラクターだった。なにか特別感のある女の子。朱里は女子校でも、卒業し美大生になってからでも、ことあるごとに、普通であることをとにかく嫌っていた。なぜそこまで普通が嫌いなのかを考えてみると、きっと朱里は自分を普通とは違う特別な存在に魅せるという形でしか、自分のアイデンティティを主張する方法を知らず、普通になることをとても恐れていたからなのではないかと思った。
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