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モンスター の商品レビュー

3.7

1077件のお客様レビュー

  1. 5つ

    192

  2. 4つ

    394

  3. 3つ

    333

  4. 2つ

    68

  5. 1つ

    20

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2022/03/01

醜い容姿で社会からの風当たりも強くつらい経験を経て 自分を変えるため、整形を繰り返して徐々に変わっていくとそれに比例して社会からの対応も変化していくことに共感しました。 顔なんて結局皮膚一枚という言葉が印象に残っていますが、綺麗事言っても結局その人の中身を知ろうにも少なからず外見...

醜い容姿で社会からの風当たりも強くつらい経験を経て 自分を変えるため、整形を繰り返して徐々に変わっていくとそれに比例して社会からの対応も変化していくことに共感しました。 顔なんて結局皮膚一枚という言葉が印象に残っていますが、綺麗事言っても結局その人の中身を知ろうにも少なからず外見から入るというのが、職業柄痛感しております。 それをリアルに示しているところがとても良いと思いました。

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2022/02/27

生まれつき醜い容姿と暗い性格からモンスターと呼ばれた、田淵和子。 さまざまな苦労の末、整形を繰り返し、絶世の美女の鈴原未帆として生まれ変わり、波乱万丈な人生を歩む… 人を容姿だけで判断しては決していけない、が、やっぱりまずは容姿なんだろう… 誰も未帆が和子だとは気づかない…...

生まれつき醜い容姿と暗い性格からモンスターと呼ばれた、田淵和子。 さまざまな苦労の末、整形を繰り返し、絶世の美女の鈴原未帆として生まれ変わり、波乱万丈な人生を歩む… 人を容姿だけで判断しては決していけない、が、やっぱりまずは容姿なんだろう… 誰も未帆が和子だとは気づかない… 父親や姉すら気づかない… 英介も未帆の容姿だから、でしょ⁇ 容姿で傷ついている人がいることはわかるが…

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2022/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 好みのストーリーだった。全女性が生まれた時から直面するルッキズムの全てが描かれている。小説ということもあり、「女性は顔が全て。男性は女性の顔で恋に落ちる」という極端とも言える思想が話の軸となっていたが、的を射ていると言える。  また、「かつて美人は一握りのものだったが、不美人のその他大勢の女性が市民権を得るために、また『美人をものにできない哀れな男性』を減らすために、『個性』を謳うことで美人の幅を拡大したため世の中に美人が溢れることとなった」という話も大いに納得した。近年、日本人女性の容姿の全体レベルが飛躍的に上がったのもこの為だろう。  また、男性がブスを見下し、美人を女神のように扱う対比描写は胸糞だったが残念ながら現実そのものであった。美人を目の前にすると普段どれほどスマートな男性でも余裕をなくし、下手に出る様子は滑稽とも言える。 物語後半では主人公は「幸せ」を獲得するチャンスを与えられたものの、それは選ばずに自分の信念を貫き通し、積年の望みを叶えた後ラストを迎えている。世間一般で謳われる「幸せ」を追い求めるのも良いが、結局は「自分がどうしたいのか」を尊重した先に自分を満たす何かがあるのかもしれない。

Posted byブクログ

2022/02/20

面白かった。 酷い容姿で蔑まれた女性が美容整形を繰り返して生まれ変わり、シンデレラストーリーのようなものを歩んでゆく。 これだけ書くと、なんとも非現実的な話であるが、描かれていたのは、人間臭さ、人間らしさ、人間であるがゆえの、滑稽さ、自分でもよくわからない強い情念。決して果て...

面白かった。 酷い容姿で蔑まれた女性が美容整形を繰り返して生まれ変わり、シンデレラストーリーのようなものを歩んでゆく。 これだけ書くと、なんとも非現実的な話であるが、描かれていたのは、人間臭さ、人間らしさ、人間であるがゆえの、滑稽さ、自分でもよくわからない強い情念。決して果てることのない欲望。 良く書けば純粋であり、悪く書けば狂気である。 この物語をどう読むか。バッドエンドのシンデレラストーリーか、それとも、ハッピーエンドのそれか 僕にはどうも単純な評価はこの物語には相応しくないように感ずる。 自分が求めたものを手に入れたはずの主人公には、つねに切なさと虚しさがつきまとっていたように感じた。 それは、美や愛に執着する主人公だけでなく、私達が人間として生きる以上、逃れられない宿命みたいなものなのかもしれない。 長くなったが、人間って面白くも、悲しく儚い生きものやなあと、改めて感じたところです。

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2022/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「容姿」って、人の人生に、どれだけの影響を与えるものなんですかね。 この物語の主人公・未帆は、幼い頃からその醜い容姿から、化け物と言われ続け、母親からも疎まれるという、壮絶で悲惨な日々を過ごして来ました。 そして、整形を繰り返し、綺麗な外見を得た未帆は、かつて、自分が好きになり、未だ忘れられない男性に近づいていきます。 うーん。 やっぱり、子供って、両親から愛を受けること、ってすごく大事なことなんだなー。って思いました。 美帆は、両親から全くと言っていいほど愛情を受けなかったので、そういったことが、すべての原因なんだろうな。という感じです。 たった一人の男性のための、その人の愛情を独り占めしたいがための人生。 もし彼女が、人生のどこかで一度だけでも、誰かから、ほんの少しでもいいから、「愛情」をいうものを注がれていたなら、整形をして綺麗になったとしても、多分、全然違う人生を歩めたんじゃないかなー。という気がします。 自分の身体や、命までも犠牲にして手に入れたかったものも、結局は、それだけの価値があったかどうかは、主人公の美帆にしか、分からないものなんですよね。 同じ女として、とても、切ないなー。

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2022/02/12

容姿コンプレックスを煮詰めて屈折した性格の主人公が見てて始終痛々しい。サクセスストーリーの面もあり勢いよく読み進められた。 容姿が魅力的になっていくにつれ、いわゆるカースト上位の人間になる。そんな自分に陶酔して今度は上から目線で男性を扱うようになるのだが、その描写が丁寧に書かれ...

容姿コンプレックスを煮詰めて屈折した性格の主人公が見てて始終痛々しい。サクセスストーリーの面もあり勢いよく読み進められた。 容姿が魅力的になっていくにつれ、いわゆるカースト上位の人間になる。そんな自分に陶酔して今度は上から目線で男性を扱うようになるのだが、その描写が丁寧に書かれており、その人間臭さがなんとも良い。

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2022/02/08

自分の容姿が辛ければ、整形してもいいと思う。 問題はそれがどんどん依存症のようになってしまうことと、愛する人ができた時、告白するかもしくは告白しない強さを持てるか。 容姿でひとを判断する世の中は私も含めて、変えられない。

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2022/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

醜い女が整形手術をすることで、少しずつ世界が変わっていく様を描いている。手術も、目→鼻→口→また目、さらにアソコまで…一度に変身しないところがリアル。 百田さんの小説は初めてですが、文章も読みやすく、心の機敏をよく捉えていて読み応えがあり面白かったです。

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2022/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み進めると、どんどん次が読みたくなるが、だんだんと次の展開が怖くなる不思議な小説。 ブスと美人。自分は男なので、そんなに違いがあると今まで思ったこともないし、感じたことも無かったが、確かにそうかもしれないと思う箇所は多々あった。 主人公は幼い時の純情な心を死ぬ間際まで持ち続けた人。何のために生きるのか、90や100まで生きることに意味があるのか?などこの高齢化社会の生き方に問題提起している作品。 武士はいつでも死ぬ覚悟があったから尊敬された。今の老人から聞こえてくるのは、90までは生きたい。70で死んだら、まだ若いのに…など。意味がある言霊が聞こえてこない。本当に大切なのは、人生で何を成し遂げるか?と言うことではないだろうか。 40年で完うできた主人公の想いを想像して、すぐに涙が溢れた。最後、初恋の人にカミングアウトするシーンは鳥肌もの。疾走するように読み進められる名作です。

Posted byブクログ

2022/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女性にとって容姿が美しいということは誰も憧れる。主人公は醜い顔の持ち主で幼少期から辛い想いをし続けていたが、整形を繰り返し美しくなる。美しくなると今まで寄ってこなかった異性が寄ってくるようになる。美しくなったことで異性からの賞賛、同性からの羨望が集まるようになる。 でも結局寄ってくる男はみんな同じでしかなかった。どんな言葉を使ってもみんな目的はただ1つ。青春時代に恋した人とやっと近づくもその人も目的はただ1つだった。主人公はそれで満足して幸せな死を遂げたが、私は女の幸せって何なのだろうかと感じた。男の人を喜ばせることだろうか。女性が美しいことは何のためにあるのだろうか。 際限のない美の追求?異性からの賞賛?人生において様々な場面で得をするため? 異性を見た目で判断しないとは言えない。100%内面だけで判断している人なんて存在しないのだ。 登場人物が醜い容姿から美しい容姿へと変わるにつれて周りの環境や人が変わっていく様子が細かに描写されている。しかしそれだけではない。女性はなんのために生きるのか、男女の関係とは1つの目的に集約されるのではないか、本当の愛とはなんなのか、というような様々な角度から考えさせられる小説だった。

Posted byブクログ