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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 の商品レビュー

3.7

639件のお客様レビュー

  1. 5つ

    94

  2. 4つ

    248

  3. 3つ

    203

  4. 2つ

    41

  5. 1つ

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2012/04/22

母親殺しの容疑をかけられ、逃走するチエ。 チエの幼なじみであるみずほは、チエを探すために故郷でかつての友人等に会い、チエの行く先の手掛かりを探すが……… ---------------- 20〜30代の女性の友人観、恋愛観、家族観をうまく切り取り、ありがちな恋愛小説にまとめず...

母親殺しの容疑をかけられ、逃走するチエ。 チエの幼なじみであるみずほは、チエを探すために故郷でかつての友人等に会い、チエの行く先の手掛かりを探すが……… ---------------- 20〜30代の女性の友人観、恋愛観、家族観をうまく切り取り、ありがちな恋愛小説にまとめず、ミステリーに落とし込んだ一冊。 あえて、ミステリーの皮を被せることで女性の心の機微や価値観を描き出すことに成功している。 また、近年20〜30代に増えている「友達母子」を上手くフューチャーしているところも面白い。 女性読者の多くは、この物語に登場する女性、彼女たちの関係性に「共感」できなくとも、「理解」はできるはずだ。 この本には、作り物っぼさのないリアルな女性がいる。 これまでの辻村作品とはかなり毛色が違うので、『ロードムービー』のような爽やかな読後感を期待すると、肩透かしを喰らったように感じるかもしれないが、同年代の女性にはぜひオススメしたい。

Posted byブクログ

2012/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おそらく、この物語に感動を覚える人のほとんどが女性ではないか。 女性にしか分からない(であろう)面倒な、濃密な、親しげな、格付けのある人間関係。読み進めながら、「自分はみずほ側だ」と思っていたところへの、大地の発言、亜理紗の登場。それは驕りでしかないのか。 母親と娘との関係は、家族であるとともに、女性同士でもある。誰しもが一度はその関係性に悩ませられているに違いない。時に家族以上に親密であり、しかし時に他人のように心が離れる関係。 「お母さん、お母さん」 物語の中で、みずほが、チエが母親を呼ぶとき、自分の母親を思わない訳にはいかない。 「すべての娘は、等しく母親に傷付けられている」 同性からの攻撃は、ひどく堪える。しかし、それが母親であった場合の辛さはいかほどか。女性同士であり、家族でもある母親との、脆い、危うい関係性。誰しもが、これまでの自分と母親との関係を思い返すはずである。 しかし、果たして自分は母親を傷付けないでいたか。 いるはずのない娘を、雑踏の中に探す母親。傷付けられても、それでも娘をかばう母親。タイトルの意味を知る時、「母親」という存在を思わずにはいられない。 決して明るい作品とは言えない。読後感が爽快!とも言えない。 だが、私にとっては間違いなく良作であるし、多くの人が言うように、「母親」という立場になれたら、その時にもう一度読みたい作品である。

Posted byブクログ

2012/05/03

女友達との確執や母娘関係の描写の巧みさはさすが辻村深月。 また今回も個性ある登場人物は読者が女性であればなおさら “いるいるこういうタイプ”と感心するのではないでしょうか。 辻村作品の登場人物は、執筆した時の著者の年齢とともにオーバーラップされているように感じる。 3年後には3...

女友達との確執や母娘関係の描写の巧みさはさすが辻村深月。 また今回も個性ある登場人物は読者が女性であればなおさら “いるいるこういうタイプ”と感心するのではないでしょうか。 辻村作品の登場人物は、執筆した時の著者の年齢とともにオーバーラップされているように感じる。 3年後には35歳の登場人物が、8年後には40歳の登場人物が主役となる作品を生み出すのではないかと想像してしまう。 さて本書の評価は、 『くじら→スロウ→スプーン→名前探し』第一次辻村集大成の感動覚めやらぬうちの本書だったので☆☆☆です! ただし本書が伏線で新たな作品が出てきた場合には☆の数が変更することがあります。(笑)

Posted byブクログ

2012/04/19

女同士の付き合いの不文律とか親娘関係のめんどくささとか、すごく丁寧に描かれてる。 自分が子供を産んだりすれば、また違う読み方ができそう。

Posted byブクログ

2012/04/19

殺す理由があるのに、母を殺せない娘と、その幼馴染の、殺す理由がないのに、母を殺した娘の話。 幼い頃、虐待と言って良い程、厳しく、時に理不尽に育てられた、主人公のみずほ。 一方、他人からは異常に思える程、仲の良すぎる、閉ざされた家庭で育てられたチエミ。 ある日突然、チエミが母を...

殺す理由があるのに、母を殺せない娘と、その幼馴染の、殺す理由がないのに、母を殺した娘の話。 幼い頃、虐待と言って良い程、厳しく、時に理不尽に育てられた、主人公のみずほ。 一方、他人からは異常に思える程、仲の良すぎる、閉ざされた家庭で育てられたチエミ。 ある日突然、チエミが母を刺殺して行方不明になった事件をきっかけに、結婚して疎遠になっていたみずほは、かつての友人達を訪ね、チエミの行方を捜します。 壊れようがない程、異常なまで一体化した母娘だったのに、何故チエミは母を刺したのか。そして、何処へ向かったのか。事件の一ヶ月前、彼女が送ったメールの意味は何だったのか。 一つずつ、幾つもの謎が明かされてゆき、最後には、タイトルに隠された謎も判明します。 ミステリ、なのだけれど、母娘は勿論、女同士の計算や友情(或いはそうと見せかけたもの)、あらゆる人間関係に纏わる感情が具に描き出されていて、一気に読んでしまうのに、ずしっと心に残ります。

Posted byブクログ

2012/04/18

辻村深月には珍しく陰鬱な気持ちになるストーリーだった。救いはあるけど、救われきれない。でもタイトルの意味付けは素晴らしい!

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2012/04/20

2012-36 面倒くさい女の人間関係がリアルにかかれている。 最後まですっきりしない終わりかた。 辻村さんにしては珍しい。

Posted byブクログ

2021/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2012/4/13 Amazonより届く。 2021/11/12〜11/18 かつて"親友”と呼び合ったチエミが、母親を殺して失踪した。みずほは縁遠くなってしまっていたチエミとの古い約束を思い出して、チエミを探す。その過程で明らかになる過去の友情やこれまでの自分の母親との関係。 重奏的に繰り広げられる、展開に引き込まれる。タイトルの意味と、真実が明らかになるとき・・・やられました。名作です。

Posted byブクログ

2012/03/28

幼馴染でもある女友達が母親を殺して逃亡した、その真相を知るために当時の友達、交際相手、教師達を訪ねていく主人公。 女同士の面倒くさい友情の描写はえげつないほどリアルだな、と思った。

Posted byブクログ