ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 の商品レビュー
女友達、母娘、田舎。 良いとか、悪いとか、単純に割り切れない、折り合いをつけるのが難しいものだらけで、しんどい。終始重たいけど先が気になって一気に読んだ。
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母と娘、そして友人。いくつもの女性社会のいくつもの感情が渦巻く。それまで友人だったのに結婚式に呼ばれなかったから絶交とか面倒すぎるし、毒親も、なんでも話すぎる親子関係もややこしい。それでもきちんと救いもあり。辻村深月の奥深さよ
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いい子で家族仲のいいチエミは、母親を殺して失踪。 幼馴染のみずほが心当たりをもとにチエミを探す物語です。 * "傲慢と善良"と似た描き方を感じます。 ただ◯◯な子というだけでは終わらせず、至った背景を、閉塞感を、歪な親子関係を、持てる人との差を、相手の立場...
いい子で家族仲のいいチエミは、母親を殺して失踪。 幼馴染のみずほが心当たりをもとにチエミを探す物語です。 * "傲慢と善良"と似た描き方を感じます。 ただ◯◯な子というだけでは終わらせず、至った背景を、閉塞感を、歪な親子関係を、持てる人との差を、相手の立場で考えることの難しさをあらゆる角度から描かれています。解像度高すぎてまたしんどかったです。 歪な背景で育った子がどんな場面でどんな風に屈折するか、それすら無自覚かをなんでこんなにわかってらっしゃるんでしょうか。 (チエミ寄りの似た体験があるので自分のことかと思いました。) 読み物として、文章として状況や発言を目にすると明らかに異常だと思いますし、そんなの距離を置いてしまえばとも思ってしまいます。 でもそんなこと、きっと本人たちもわかっているし簡単に関係性を変えられるほど現実が軽くないことをありったけ思い知らされました。 何より、そんなことを思っていた矢先以下です。 『普通、普通、普通。 その枠を外れる異常。あなたの家は、異常である。 だけど、その普通に正解はあるのか。それはあなたの願望が反映されていないだろうか。普通じゃない、と断じられたチエミに教えたかった。どの普通にも、どの娘にも、正解はない。』 辻村さんは優しいですね。 事実を抉るような角度で取ってきて、でもマイノリティをそれで置いてけぼりにしないから。 * 翠ちゃんの、自分の信じるものも芯もあるけど、世間"一般の人"が大事にしているそれと違うことにどうしようもない気持ちでいること、また常に茶化すような口調が痛々しかったです。 彼女もはやく過去を振り返って楽になれたらいいな。
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辻村さんのエッセイ読んでて、出てきたので読んでみた。 まず、女特有の関係性の生々しさが全面に出ていて良かった。いろんなコミュニティの友達がいるけど、それぞれの立場だったり関係性だったり話すことも全然違う。その中でぼんやり思ってて、でもこんな自分嫌だなと思うことが、作中でも出てきてて、こんなこと思ってるって友達に話せたりしないから、作品として代弁してくれているようで、やっぱりそうだよねそう思うよね、って思えた。こういう人には言えない暗い部分を描き出せるところが小説だよなぁと改めて思う。 チエミ視点の第二章で、大地との関係について、チエミ自身が自分が交わることのないところにいる人だからこそ、って言っていたのが印象深かった。自分がどう見られているかだったり、暗黙のうちに存在しているレイヤーみたいなものにも気づいていて、その上で行動しているということにはっとした。 自分もそうだが、なんで結婚とか出産とかわかりやすいラベルを手に入れれば、安心だと思うんだろう…どうなっても結局日々は続いていくだけなのに、とわかってはいるけどまぁそういうものか。
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うんーーーちょっとチエミとその母は親離れ、子離れできてなさすぎていなくて、依存の関係がすごくないか?と思いました。 (それは私の主観なので、家庭それぞれだと思いますが。) そのチエミが初めて最後のシーンで母に反抗したんですねぇ。でもあのチエミがあの母を置いて行くなんて。。!笑 女性関係、母娘関係についてはすごく共感できる物語でした。
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私も母の娘で、娘の母だ。 なかなか読み進められなかった。何故そうなるのか分からなかった。読了後ようやく理解した。読むのが苦しかったのだ。これは私の物語だ。だから苦しかったのだ。でも読む手を止める事も出来なかった。 全ての女性は母の娘だ。そして娘の母になる資格は全ての女性に有る。こ...
私も母の娘で、娘の母だ。 なかなか読み進められなかった。何故そうなるのか分からなかった。読了後ようやく理解した。読むのが苦しかったのだ。これは私の物語だ。だから苦しかったのだ。でも読む手を止める事も出来なかった。 全ての女性は母の娘だ。そして娘の母になる資格は全ての女性に有る。これは全ての女性の物語だ。
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チエミにイライラしたのは私だけではないはず。 最後まで人のせい、過去のせいにするチエミに始終イラついた。 私はみずほ側の人間なのだろう。 この物語だと、チエミのようなキャラクターでも、みずほのように愛してしまう。 それでもみずほや亜理紗のように生きたい。 ずるいと言われても、計算高く生きたい。 みずほの地元の友達を哀れだと思ってしまう。 「普通」でないといけない。 そんな雰囲気を感じる。 私も結婚適齢期の人間であり、周りが次々と妊娠出産というライフステージを進んでいく中で、私は結婚も出産もしないと決めている。 私の状況とみずほが重なる。 みずほは結婚をしているが、結婚出産妊娠に夢を見ていなかったからだろうか。 そんなみずほも地元の友達を「哀れ」だと思っているのではないか。 この本のみずほとチエミは対照的な人間であり、その2人が交差することが、不思議でもあり、納得もできる。 お互いに嫌っていながら、憧れている。 そんな関係なのだろう。 この本の登場人物と同年代である今、この本に出会えてよかった。
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とりあえず、 女性は楽しめそう、かも 女性同士のマウントの取り合いって男性も読んでて楽しいのだろうか? 女性の感情、行動が、女性にしかわからないような描写で書かれてあるような? 私も女だが なんで女ってこんななんだろう と思ってしまう作品 他作品めっちゃ好きだったのあるけ...
とりあえず、 女性は楽しめそう、かも 女性同士のマウントの取り合いって男性も読んでて楽しいのだろうか? 女性の感情、行動が、女性にしかわからないような描写で書かれてあるような? 私も女だが なんで女ってこんななんだろう と思ってしまう作品 他作品めっちゃ好きだったのあるけど 今回のはあまり好きになれず、残念
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『傲慢と善良』と、描きたいものは同じだったのかもと思った。でも『傲慢と善良』の方が、容赦なくてぐさっと来る部分は多かったかな。
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ミステリーの形で、女性の心の襞が解やかに描き出されているのが大きな魅力。切なさが残る物語。 ただ、主人公たちの年齢が30くらいだから、同年代くらいになってから読んだ方が共感、感動できるような気はした。 人の心の実現の仕方がすごく上手い。 だけど、個人的には内容自体がめちゃおもしろ...
ミステリーの形で、女性の心の襞が解やかに描き出されているのが大きな魅力。切なさが残る物語。 ただ、主人公たちの年齢が30くらいだから、同年代くらいになってから読んだ方が共感、感動できるような気はした。 人の心の実現の仕方がすごく上手い。 だけど、個人的には内容自体がめちゃおもしろいっていうものではなかったかも。
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