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ザ・コストカッター の商品レビュー

3.8

23件のお客様レビュー

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2015/05/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不振の企業に着任した経営者とカラ売り屋の話である。 描写として特徴的なのが、経営者が悪で、カラ売り屋が正義となっていること。着任した経営者はアナウンスメント効果で株価を上昇させるが、結局売り上げをごまかし、最終的には粉飾してしまう。 カラ売り屋にスポットライトが当たる面白い小説だった。

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2014/10/26

数字しかみない雇われ経営者は現場を見ないで意思決定をしがち。人間味のない決断を連続して下すと優秀な社員が離れ企業が崩壊する。ベンチャーキャピタルのマネーゲームは人も企業も不幸にするね。

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2018/10/14

シビアすぎて、現実感のない経済小説だ。企業再生経営と称して理不尽なレベルのコストカットを強い、株価を上げて報酬だけもらう。それは本当のハイエナである。 後味の悪いことこのうえなし。

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2014/01/11

カラ売り屋と企業再生請負人の攻防についてのお話。 他の作品同様、臨場感があり好きです。 作品としてキレイにまとまってるとは思うが、テーマに魅力を感じれなかった。

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2013/08/21

 株価をつり上げるためだけに雇われた蛭田明は、更なるリストラを断行する。歴史があり世間から信頼されていた企業ブランドは地に落ちる。一時的な株価上昇という目的は達成するかに見えるのだが、蛭田のリストラの影響は甚大であった。不自然な株価上昇、社員の困惑、社会に与える影響などについては...

 株価をつり上げるためだけに雇われた蛭田明は、更なるリストラを断行する。歴史があり世間から信頼されていた企業ブランドは地に落ちる。一時的な株価上昇という目的は達成するかに見えるのだが、蛭田のリストラの影響は甚大であった。不自然な株価上昇、社員の困惑、社会に与える影響などについてはカラ売り屋の北川の目を通して語られる。企業の社会における役割を見失うことがいかに不幸なことであるのか、そんな当然のことも強欲投資家たちにはわからない。

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2013/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カラ売り屋vs企業再生請負人を描いた経済小説。ビジネスや人物の描写の仕方がリアルで、惹き込まれてしまいました。面白かったです。

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2012/10/21

カラ売り屋「パンゲア」の北川と、リストラ屋「極東スポーツ 社長」の蛭田の対決。 ワンマン経営の不正を暴いていく北川の姿が、まるでミステリーの謎を紐解いていくようで、とても面白かった。 アメリカ、日本、メキシコなど多くの都市が舞台として登場し、その都市の歴史や特徴などを詳細に記述...

カラ売り屋「パンゲア」の北川と、リストラ屋「極東スポーツ 社長」の蛭田の対決。 ワンマン経営の不正を暴いていく北川の姿が、まるでミステリーの謎を紐解いていくようで、とても面白かった。 アメリカ、日本、メキシコなど多くの都市が舞台として登場し、その都市の歴史や特徴などを詳細に記述しており、多くの知識を得ることができる。 また、実在の企業や人物なども登場し、その記述も興味深い。 企業の「再建王」坪内寿夫、「再建の神様」大山梅雄にも大きな関心を持つことができた。 最後に、経済・金融用語集がまとめられており、小説の内容の理解を深めることができる。

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2012/06/16

いつもながら切れ味鋭い黒木さんの新作、株価は上がるが会社をぼろぼろにする立て直し屋の様がえげつない。空売り屋とのバトルが秀逸。

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2012/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

粉飾の手口としてよく使われるものに、ビル・アンド・ホールドというものがあります。まだ倉庫にある在庫を売ったことに して、売り上げを計上してしまう…例えば、3月に販売したことにして、6月に返品するといった やり方です。 会計士が倉庫にある預かり品を調べておかしいと思っても、「これは売約済み製品を、先方の都合で預かっている ものです」と言われれば、その場では「分かりました」と引き下がるしかない。 あっ…もしかして、あの会社の売上ってこの「ビル・アンド・ホールド」じゃないのか…と気づいてしまった、結果的に勉強になった本です。笑

Posted byブクログ

2012/05/13

カラ売り屋VSコストカッター ボクは黒木亮の本が好きだ。 学生時代に読んだ、トップレフト。 今思えば、ボクが今、金融系の企業に勤めているのも彼の本の影響だろう。 そんな黒木氏の新作文庫本。 主人公はカラ売り屋「パンゲア」の北川。 本書を読むまで、カラ売り屋というと、株価が下...

カラ売り屋VSコストカッター ボクは黒木亮の本が好きだ。 学生時代に読んだ、トップレフト。 今思えば、ボクが今、金融系の企業に勤めているのも彼の本の影響だろう。 そんな黒木氏の新作文庫本。 主人公はカラ売り屋「パンゲア」の北川。 本書を読むまで、カラ売り屋というと、株価が下がることで利益を出す企業なので、あまりいいイメージがなかったが、その概念を覆された。 主人公の敵となるのが、企業再生請負人である蛭田。 老舗スポーツ会社再生のために、米系投資ファンドから送り込まれた社長だ。 この蛭田は大リストラを行い、短期的に株価を吊り上げる。 リストラ、コストカッターというと、日産のV字回復を成し遂げたカルロスゴーンの活躍以降、機関投資家などからもてはやされていると思う。 もちろん、日産のカルロスゴーンの場合、リストラを行い短期的なV字回復をさせただけでなく、その後の成長戦略にも力を入れている。 ただ、本書に出てくる蛭田という男は、短期的に株価を上げることだけに注力。 そんなリストラ屋の蛭田とカラ売り屋の北川の全面対立小説なのだ。 本書は、金融の知識がなくても、わかりやすい表現で説明されており、理解しながら読み進めることができる。 誰もが楽しめる金融エンタメ小説なのだ。 そして、本書はいろいろな問題点を読者に投げかける。 会社と株主、従業員、取引先、役員・・・の関係。 すなわち、ステークホルダーというものを真剣に考えさせられる社会派小説とも言えるだろう。

Posted byブクログ