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日本近代史 の商品レビュー

4.1

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

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  4. 2つ

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  5. 1つ

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2012/08/29

幕末から日中戦争の80年を改革・革命・建設・運用・再編・危機の6つに区分して描く。この後「崩壊」の時代が到来する。危機的な現状を「明治維新前夜」と何の根拠もなく騒ぐ風潮を否定し、「昭和維新・崩壊前夜」では、との危機感を呈示する。良い通史書と思う。

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2012/08/14

開国から日中戦争までの通史をまとめた良書。ところどころ筆者の解釈が主張されており、かなりの名著だと思う。 個人的に原敬をあまり評価しない点が面白かった。こんなに解釈が分かれる政治家はいないと思うし、だからこそ原敬は研究対象として面白いのだろうと思う。 史料の引用が随所でなされてお...

開国から日中戦争までの通史をまとめた良書。ところどころ筆者の解釈が主張されており、かなりの名著だと思う。 個人的に原敬をあまり評価しない点が面白かった。こんなに解釈が分かれる政治家はいないと思うし、だからこそ原敬は研究対象として面白いのだろうと思う。 史料の引用が随所でなされておるのも特徴。このせいでこの本は速読には向かない。じっくり取り組むのが良い。

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2012/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新書だけども・・・ ボリューム満点の約450ページ・・・ 幕末1857年から日中全面戦争へ突入していく盧溝橋事件1937年までの日本の近代80年間を・・・ 改革/1857~1863 革命/1863~1871 建設/1871~1880 運用/1880~1893 再編/1894~1924 危機/1925~1937 の6つの時代にわけて見ていく通史・・・ 誰、どのグループが主導権を握り、日本を動かしてきたか・・・ どういう対立があったのか・・・ その背景にあったものは何か・・・ それによってどのように日本が動いていったのか・・・ またその結果さらに、誰、どのグループが主導権を握っていったのか・・・ これを読めば流れはバッチリでしょ・・・ そして崩壊/1938~1945へと続く道はどのようにして用意されていったのか・・・ 崩壊の時代の前、危機の時代の混迷っぷりは凄い・・・ まさに日本の指導層がバラバラ・・・ そしてこのバラバラ感・・・ 混迷感はまさに・・・ 現在に通じる・・・ 通じるとすれば・・・ この状況の後に来るのは・・・ 再び崩壊の時代・・・ おー、怖い・・・ なので・・・ 過去に学ぶとするならば・・・ 危機の時代の章に書いてあるものは・・・ ヒジョーに・・・ 参考になるのではないかと・・・ でもその危機の時代も・・・ 再編の時代からの流れを受け継いだものである・・・ そしてのその再編の時代もまたしかり・・・ だとすればやはりこの本のように通史で・・・ 流れで過去を学んでおくというのは・・・ 大事だよね・・・ つーことで・・・ オススメでございます・・・ こいつぁ面白い あと・・・ 政友会=戦前の自民党ってのは面白い・・・ 日本の政党政治って基本的にはずーーっと変わらないんだなぁと・・・ いや、諸外国もそんなもんなのか?

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2012/07/08

新書だが2cmの分量。日本近代史の流れを7つの段階に区分し、最後の「崩壊期」を除く6つの段階を通観する。 憲政会と政友会の対外路線の転換の部分は、他の文献に比べ詳しく書かれており非常に勉強になった。 久々に一気に通読した。現代の政治状況も見据えているので、教材研究の参考にすべき良...

新書だが2cmの分量。日本近代史の流れを7つの段階に区分し、最後の「崩壊期」を除く6つの段階を通観する。 憲政会と政友会の対外路線の転換の部分は、他の文献に比べ詳しく書かれており非常に勉強になった。 久々に一気に通読した。現代の政治状況も見据えているので、教材研究の参考にすべき良書。

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2012/07/04

幕末から日中戦争までの大きな流れを掴むことができる良書。 日本近代史を「改革」→「革命」→「建設」→「運用」→「再編」→「危機」に分類し、前後の繋がりをうまく関連付けながら考察している。 幕末から維新については西郷隆盛の「合従連衡」論を軸とするポイントが史実を整理する上で興味深か...

幕末から日中戦争までの大きな流れを掴むことができる良書。 日本近代史を「改革」→「革命」→「建設」→「運用」→「再編」→「危機」に分類し、前後の繋がりをうまく関連付けながら考察している。 幕末から維新については西郷隆盛の「合従連衡」論を軸とするポイントが史実を整理する上で興味深かった。 以下引用~ ・どのような革命も、「体制内改革派」と「体制外改革派」の一時的な提携なしには成功しない。・・・日本近代史では前者を「公武合体派」、後者を「尊王攘夷派」と呼んできた。 ・西郷にとって一番大切な「合従連衡」の相手は、有力大名ではなく、その家臣の中の「改革派」であった。この「改革派」は「開国派」であっても「攘夷派」であってもかまわなかった。

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2012/06/17

結論からいうと、自己の歴史的評価ありきの本。 つまり、自分の歴史的評価に合うような事実だけを都合良く取り出している。 文献の引用でも、自分の歴史的評価に沿わない文献については、省略という形をとっていて、排除している。 本来、事実があってそれに対する評価をするのに、この本はそれす...

結論からいうと、自己の歴史的評価ありきの本。 つまり、自分の歴史的評価に合うような事実だけを都合良く取り出している。 文献の引用でも、自分の歴史的評価に沿わない文献については、省略という形をとっていて、排除している。 本来、事実があってそれに対する評価をするのに、この本はそれすらできていない。 それが明治憲法の統帥権の独立などの条文について、「悪法である~」という記載などに表れている。 内容は片面的で、非常にバイアスがかかっているので、私はこの本をお薦め出来ない。 紙幅は400ページ以上に及んではいるにしては、記述自体はそれほど濃くない。 中公新書の「昭和天皇」、「伊藤博文」、ちくま新書の「宮中からみる日本近代史」はお薦めです。

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2012/06/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書は、明治維新から太平洋戦争に至る日本近代史を①改革期⇒②革命期⇒③建設期⇒④運用期⇒⑤再編期⇒⑥崩壊期の6つの期間に分け、歴史をある種のバイオリズムの繰り返しに見立てていて現代への示唆も同時に与えてくれます。 それぞれのステージで抱える課題や陣容は異なりますが、共通しているのは、自らが信じて進むべき正義をかざした各集団が、時に争い時に大同団結をするという権力奪取・維持の歴史ということ。すなわち、 外様藩、下流武士層、藩閥、官僚、自由運動家、財閥、左翼・右翼政党、軍閥などのアクターが、公武合体、尊王攘夷、尊王倒幕、富国強兵、殖産興業、立憲選挙・デモクラシー、ファシズム・大東亜共栄などのスローガンを掲げて勢力闘争を繰り広げてきた歴史とも言えるように思えます。 今の日本は6つのステージのどこに位置付けられるだろうか、そんなことに想いを巡るには適した良書です。

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2012/05/22

ものすごく長かったけど、すごい濃さです。 政党政治を安易に信じるなかれ。 しかしそれに変わるものはあるのだろうか。 わが国の混迷は続く。。

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2012/05/21

 坂野さんはいつも骨太の政治学史をかく先生。  今回の書は、新書だが厚さが2センチもあり、力が入っている。今の政治情勢についての警告の書。  まず、西郷隆盛の合従連衡の話から始まる。西郷は、様々な主張を持つ、各藩主と有力志士たちを、勤王という観点だけでまとめあげて、それと佐幕...

 坂野さんはいつも骨太の政治学史をかく先生。  今回の書は、新書だが厚さが2センチもあり、力が入っている。今の政治情勢についての警告の書。  まず、西郷隆盛の合従連衡の話から始まる。西郷は、様々な主張を持つ、各藩主と有力志士たちを、勤王という観点だけでまとめあげて、それと佐幕との対決という構図にもっていって、明治維新を成功させた。  もちろん、戦術的には多くの間違いと多くの犠牲があったが、近代国家になるための政治体制の変革をなしとげたといえる。  それに対して、昭和に入ってからの日本の政治、軍部、行政は、細かく主義主張がかわれ、合意形成がはかれない。結局天皇陛下に従うといいつつ、誰も責任をとらない体制になってしまっている。  坂野さんは、今の政治・行政の状況は、この、主義主張が些末な観点から分裂している昭和初期の状況に似ている、この結果は、一貫した政策をもたずに、どろぬまの戦争に巻き込まれていく。  坂野さんは、復興は第三の敗戦ではないという。第二次世界大戦の敗戦によって、外圧とはいえ、平和・民主主義という思想の統一ができた。今は、政治・行政・外交にコンセンサスがない昭和初期に似ていて、このままでは、崩壊の道を歩んでいるという強い危惧をもって書き上げた本。  自分は、行政マンとして、混乱した政治情勢、予算や法律が事前予防では通らない現実を踏まえて、できるだけ継続性のある地道な政策をできる範囲で続けていきたいと思う。ひとりひとりが、行政、政治、民間の立場で、日本の安定と復興のために地道に動く、そして地道な活動をお互いにばかにしない、という愚直な思想が求められていると思う。

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2012/05/09

新書なのに400ページもあるので読むのは大変ですが……これは今年出た新書のなかでは一番のオススメ。明治維新とは、自由民権運動とは、大正デモクラシーとは、など、根本から実証し直す、著者渾身の一冊。

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