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日本近代史 の商品レビュー

4.1

53件のお客様レビュー

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    14

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2013/01/18

それは過ぎ去った近代史ながら、まるで今日の現代史さながら。とはいえ、その差異を見出していくこと無しに、未来はけして拓かれない。

Posted byブクログ

2013/01/11

幕末から第二次世界大戦直前までの政治史についての本。 高校で世界史を選択した上に、もともと日本史をよく知らないので、本書の理解がほとんどできていない。基礎的な知識がある前提で書かれているので、ある程度の予習が必要だと思う。当時の日記などもかなり引用されているけれど、文体が今と違...

幕末から第二次世界大戦直前までの政治史についての本。 高校で世界史を選択した上に、もともと日本史をよく知らないので、本書の理解がほとんどできていない。基礎的な知識がある前提で書かれているので、ある程度の予習が必要だと思う。当時の日記などもかなり引用されているけれど、文体が今と違うので、余計にハードルが高い。 それでも、幕末から第二次世界大戦までの国内事情の大きな流れは把握できる。 江戸の身分制度から脱却と、立憲主義・議会制民主主義の建設と運用、崩壊が、1つの流れとして理解できる(ただし崩壊は入口までしか描かれていない)。 選挙投票率の低下が話題だけれど、今の仕組みを作るまでにどんな試行錯誤があったのか、ということが分かる。また、農家が政治に強い影響力を持つようになった経緯も幕末からの流れで理解できる。 この政治史の流れ、特に1900年代からの流れが、今の日本にあまりにも似ているというのが話題だ。 アメリカ発の金融恐慌(現代はリーマンショック)、関東大震災(現代は東日本大震災)、財政問題、不況、外交問題(当時は三国干渉と日露戦争、現代は東アジア外交)などにより、国内の意見は割れ、政党政治が成立しなくなった。戦前は、この「動かない政治」を軍部が動かして太平洋戦争へと突入した。 フリーズしたシステムはきちんと再起動しなければ、思ってもみなかった方向に突き進むことがあり得るということが分かっただけでも、読んだ価値は十分にあった。 国内政治の歴史は詳しく書かれているけれど、対外的な状況はほとんど描かれないので、別に補う必要はある。 また、著者のバイアスがかかった記述と思われる部分もあるので、別の観点からも確認したほうが良いと思う。

Posted byブクログ

2012/12/18

薩長同盟、大政奉還などから、日中戦争までの近代史80年間を通して読むことができる。政体の変遷がダイナミックに感じられる。 議会制民主主義がどのように、この国で育っていったのか。日本の民主主義は、戦後米国という外力によって与えられたものだから、日本人は有権者の意識が低い、という議...

薩長同盟、大政奉還などから、日中戦争までの近代史80年間を通して読むことができる。政体の変遷がダイナミックに感じられる。 議会制民主主義がどのように、この国で育っていったのか。日本の民主主義は、戦後米国という外力によって与えられたものだから、日本人は有権者の意識が低い、という議論を耳にしたことがある。この著作を読む限り、戦前の日本にも、民主主義の獲得、浸透の課程には、それなりのいきさつがあったのだ。 政権交代に沸いた前回の衆議院議員選挙から一転、今回は投票率が下がり、地域、地元を固めた自民党が、小選挙区で軒並み勝利し、結果として圧勝するという結果であった。確かに民主党に失望したものの、投票先の見つけにくい、言わば”人気の無い”選挙であったかもしれない。それでも、最善解を模索し、選択、決断をするという政治の本質を考慮すると、やはり何らかの意思は表示すべきだろう。参政権があるということのありがたさについて、この著作は再認識させてくれる。

Posted byブクログ

2012/11/16

 日本史(歴史)嫌いで、高校の授業はほぼ昼寝でやり過ごした私ですが、この本を機に歴史への興味を取り戻せそうです。  明治維新から日中戦争までの近代を6つのフェーズで捉えなおし、それぞれにキーワードを与えて論じていますが、区分自体に大きな意味は無いように思えます。むしろ、これらのフ...

 日本史(歴史)嫌いで、高校の授業はほぼ昼寝でやり過ごした私ですが、この本を機に歴史への興味を取り戻せそうです。  明治維新から日中戦争までの近代を6つのフェーズで捉えなおし、それぞれにキーワードを与えて論じていますが、区分自体に大きな意味は無いように思えます。むしろ、これらのフェーズを通じ現れては消えるさまざまな対立軸(e.g.「公議輿論」-「富国強兵」、「積極財政」-「緊縮財政」、「政友会」-「憲政会」etc.)に焦点が当てられており、これらの対立軸が3次元的に重なり合いながら時代を織り成すさまが鮮やかに描かれています。  個人的には、二・二六事件直前の混乱期、宇垣一成(朝鮮総督だそうですが、この本を読むまで知りませんでした)の言葉「現在では…如何にも争いが小キザミと成れり来り。これは果たして何を物語るか?」が印象に残りました。政治的対立軸の過細分化とリーダーシップの弱体化を案じての言葉ですが、現代日本のおかれた政治的状況と相違点を探すのが困難なほどです。

Posted byブクログ

2012/11/08

明治維新から第二次世界大戦直前までを六つの時代構成に分けて論じている。様々な登場人物とイデオロギーが浮かんでは消え、近代化から崩壊への80年間の怒涛のような様相をよく表している。日本史の授業中も寝てたから、ようやく歴史を歴史として認識できるようになった。十分、理解できたわけではな...

明治維新から第二次世界大戦直前までを六つの時代構成に分けて論じている。様々な登場人物とイデオロギーが浮かんでは消え、近代化から崩壊への80年間の怒涛のような様相をよく表している。日本史の授業中も寝てたから、ようやく歴史を歴史として認識できるようになった。十分、理解できたわけではないが。あとがきには、震災後の現代を戦後直後や明治維新前夜と同じように論じる風潮に対し、筆者は「日中戦争が勃発したころ」に類似していると反論する。その理由は本書をずっと読んでいればわかる。政治が四分五裂している状況は、まさに日中戦争時代の政友会、民政党、社会大衆党、軍部と様々な指導者がいた状況と酷似しているという主張は深く納得できた。維新、維新と言う現在は、逆に大きな危機の途上にあるのかも。

Posted byブクログ

2012/11/05

日本近代史の1850年から1940年の90年を、6期(改革期、革命期、建設期、運用期、再編期、危機期、崩壊期)にわけて、通史として述べた本。 日本史の特に近代史を知っている人にとっては、きっといろいろな史実が関係し、1つの歴史の流れを作っていることに興味がわくとは思うが、自分が...

日本近代史の1850年から1940年の90年を、6期(改革期、革命期、建設期、運用期、再編期、危機期、崩壊期)にわけて、通史として述べた本。 日本史の特に近代史を知っている人にとっては、きっといろいろな史実が関係し、1つの歴史の流れを作っていることに興味がわくとは思うが、自分があまり日本近代史に詳しくなく、新しく知った史実が多すぎて消化不良だった。 ただし、最後の最近の日本の大地震を1945年の終戦に次ぐ復興と考える人も多いようだが、著者は政治家が小物化した危機期の方が近いのではないかと考えている。「智者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」の言葉のように、歴史をもう少し勉強するべきなのではと感じる本だった。

Posted byブクログ

2012/11/03

明治維新から盧溝橋事件までの政治史。一読しただけでは全体の理解に至らなかったので、年表と様々な補足資料を用意して再読しようと思います。

Posted byブクログ

2012/09/23

すでに評判が高くなっていますが、なかなかおすすめできる一冊です。題名は「日本近代史」ですが、「日本近代政治史」というほうが正確でしょう。80年位前までの歴史とはいえ、自国の政治史を誰もが納得できる様に客観的、実証的に記述することは、困難というより不可能だと私は考えています。この本...

すでに評判が高くなっていますが、なかなかおすすめできる一冊です。題名は「日本近代史」ですが、「日本近代政治史」というほうが正確でしょう。80年位前までの歴史とはいえ、自国の政治史を誰もが納得できる様に客観的、実証的に記述することは、困難というより不可能だと私は考えています。この本にしても、引用している史料は、著者の提示する構図を補強するものばかりが選択されている可能性もあります。それを疑念を持って読むことも良いでしょうが、まずは著者の提示する歴史像を理解することでしょう。 随所に散りばめられている、著者の現代日本政治に対する危機意識にある程度共感できるなら、面白く読めると思います。

Posted byブクログ

2012/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1857年から1937年までの日本の歴史分析であるが、実は私はこの時代の歴史を本格的に勉強したことがない。中学では駆け足で通過。高校の日本史の授業はこの時代まで至らなかったのだ。 とはいえ、登場人物に対するイメージは何となく持っているのだが、本書の分析ではそれらのイメージがことごとく覆されてしまった。特にひどかったのは板垣退助と原敬だ。どちらも偉人に近いイメージを持っていたが、本書によれば、政局で動く今日の「政治屋さん」に近い。まあ、原敬については、日本の鉄道(特に国鉄)の歴史に深く関係する人物であり、イメージの違いは何となく感じてはいたのだが。 いずれにせよ、政治家とはどのように発想し、どのような論理構成を行うのかということを歴史分析から学ぶのは非常にためになると思う。

Posted byブクログ

2012/09/04

現在の日本の現状を、1937年の、崩壊の始まりに直面していた日本の当時になぞらえる著者のあとがきは、本文を読めば納得させられるものがある。危機を深化させ崩壊をもたらした昭和維新に、今のどのような状況を見ているのかも良くわかる。筆者は、亡の次には興がくる、そのリーダー達はすでに出番...

現在の日本の現状を、1937年の、崩壊の始まりに直面していた日本の当時になぞらえる著者のあとがきは、本文を読めば納得させられるものがある。危機を深化させ崩壊をもたらした昭和維新に、今のどのような状況を見ているのかも良くわかる。筆者は、亡の次には興がくる、そのリーダー達はすでに出番をなっているはずだと書いているが、今、我々が選択を間違えば、再び「崩壊」を経験しなければならないことになるのだろう。しかし、選択肢は余りにも乏しく感じる。

Posted byブクログ