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日本近代史 の商品レビュー

4.1

53件のお客様レビュー

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2014/02/22

変革の時代を知りたいが故に始めた日本近代史についての読書。本書の言う改革や革命の時代は、司馬氏の作品を通じ知識を仕入れていたから、スイスイと読めた。建設や再編の時代は、翔ぶが如くのおかげで、改革や革命の時代には及ばないが割と理解できた。 しかし、それ以降はさっぱり。大正から昭和...

変革の時代を知りたいが故に始めた日本近代史についての読書。本書の言う改革や革命の時代は、司馬氏の作品を通じ知識を仕入れていたから、スイスイと読めた。建設や再編の時代は、翔ぶが如くのおかげで、改革や革命の時代には及ばないが割と理解できた。 しかし、それ以降はさっぱり。大正から昭和にかけての知識不足。読んでいて何となくわかったのは、この時期に生まれた政治制度の原型は現代にも強く引き継がれていること。政治に関心が湧きにくいのは、同時期の理解に乏しいことに原因があるかもしれない。これからは、建設の時代以降の知識を補完すべく読書を進めていこう。

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2013/07/30

日本という国が最も激しく揺れ動いた1857(安政4)年から1937(昭和12)年間での80年間を「改革」「革命」建設」「運用」「再編」「危機」という六つの時代に区分し、筆者独特の歴史観に基づき、通観されたものである。 3.11という国難に際し、小物の政治家しかいない現状の日本と...

日本という国が最も激しく揺れ動いた1857(安政4)年から1937(昭和12)年間での80年間を「改革」「革命」建設」「運用」「再編」「危機」という六つの時代に区分し、筆者独特の歴史観に基づき、通観されたものである。 3.11という国難に際し、小物の政治家しかいない現状の日本と、「危機」の時代を比較し、「危機」の時代から「崩壊」へと進んでしまった日本の歴史を憂慮されている。 資料を精緻に読むことにより得られる重要な史実。 今後の日本の未来を作り上げていくうえで、示唆に富む著作であった。

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2013/07/07

坂野潤治著の日本近代史。1857年から1937年の80年間を、「改革」「革命」「建設」「運用」「再編」「危機」という6つの時代に区分して、通観する

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2013/06/10

 凄い本である。何があったのかを教えてくれる歴史書は数多くあるが、おきた歴史的事実の意味を政治風景まで理解しやすくつづった本として、本書は最高の本ではないだろうかと思えた。  本書は1857年(安政4年)から1937年(昭和12年)までの80年間を「改革期」「革命期」「建設期」「...

 凄い本である。何があったのかを教えてくれる歴史書は数多くあるが、おきた歴史的事実の意味を政治風景まで理解しやすくつづった本として、本書は最高の本ではないだろうかと思えた。  本書は1857年(安政4年)から1937年(昭和12年)までの80年間を「改革期」「革命期」「建設期」「運用期」「再編期」「危機期」「崩壊期」の6段階に分けて考察している。  そのどれもが単に事実の羅列に終わることなく、どれもが興味深い指摘と考察を繰り広げている。  「革命期」において「江戸城総攻撃が行われ、旗本から会津藩までのすべての幕府勢力が降伏したとすればどのような事態になったであろう。江戸落城で形の上では官軍の圧勝に終わったとしても、新政府の関東、東北支配は名ばかりになったのではなかろうか」とは、実に冷徹な指摘である。  なるほど「旧幕勢力を温存させた上での王政復古とそれを内戦で壊滅させた上での王政復古の違いは説明を要さない」。「単純なる勝利」より「血を流した勝利」とは、果たして西郷隆盛はそれを意図していたのだろうか。  「明治憲法」を伊藤博文が大変な情熱で導入したことは知ってはいたが、その背景に「中央政府の正当性の根拠があまりにも薄弱だった」ことがあるとは驚きである。  「建設の時代」を読むと、「征韓論分裂」や「西南戦争」を引き起こした明治政府内部が4つの「政治勢力」に分かれて「路線」をめぐる「政治抗争」を行っていたことがよくわかる。  これも現在とは違って、当時は、政治方針を大衆にわかりやすくアピールすることはないから、本書のような解説・考察がなければ当時の政治風景は読めない。  「運用の時代」にしても「議会を開設すれば、当時地租以外には直接国税はなかったのだから有権者の多数は農村地主になる・・・議会を開設したら議会の第一要求は自分たちだけが負担する地祖の軽減になるだろう」「松方デフレと国会開設は両立しないのである」とは慧眼である。なるほど、当時のシステムはこういう問題を抱えていたのか。  また、大隈重信・福沢諭吉の「イギリス型議院内閣制」にたいし、伊藤博文・井上毅の「ドイツ型専制憲法体制」との争いを読むと、「大隈重信の明治14年の政変」の理由も背景も理解できるように思えたが、もしこの時に日本が「イギリス型議院内閣制」を選択していれば、その後の太平洋戦争の破綻の道とは違う道があったのだろうかと慨嘆する思いを持った。  本書は、「歴史的事実」のみではなく、「政治システム」「経済」まで網羅した説得力のある考察を行っている。  「再編の時代」の考察では「人口4000万人のうち、わずか約50万人の農村地主が参政権を独占」とある。なるほど、これでは議会で地祖の増税が通るわけがない。当時の政治の選択にはそれなりの理由があることが、やっと見えてきた思いを持った。  1930年代・昭和初期の「危機の時代」の風景はさらに凄みがある。本書で引用した「宇垣一成」の日記の記載「現在では、政党-軍部-官僚-左傾-右傾・・・如何にも争いが小キザミとなり来たれり」には驚く。  政治はやはり多くの政治勢力の大同団結によって安定するのだろう。「情勢の流動化」とは、「小キザミとなった政治勢力」がコントロール不能にバラバラに動き出すことだということがよくわかる。  ここまで読んで、2012年の民主党政権の崩壊を思い浮かべた。政治の動きは時代をこえて繰り返すのだろうか。現在の安倍政権も支持は「アベノミクス」次第である。これが上手くいかなければ「小キザミとなった政治勢力」の動きにより、一気に情勢は当時のように流動化するのだろうか。  本書は、日本の歴史を新しい視点で見ることができる凄い本であるが、表題は実に陳腐である。これでは本棚にあってもなかなか手に取る気にはなりにくい。もう少し工夫はなかったのだろうかとも思った。

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2014/02/11

明治維新から大政翼賛会までの怒涛の450ページ!近代は現代の先駆けであり、現代は近代の再構築であることという、歴史の連続と非連続がめくるめく。ちょっとEテレの「さかのぼり日本史」の1年目を見た時の「そうだったのか!」という納得感を思い出しました。きっと歴史という時計の針が進むのは...

明治維新から大政翼賛会までの怒涛の450ページ!近代は現代の先駆けであり、現代は近代の再構築であることという、歴史の連続と非連続がめくるめく。ちょっとEテレの「さかのぼり日本史」の1年目を見た時の「そうだったのか!」という納得感を思い出しました。きっと歴史という時計の針が進むのはそれ以前に針を進ませようとする人々の模索の積み重ねであることがテーマだからでしょう。とにかく個人という点が相乗作用しあって歴史という線になっていく。教科書的には「富国強兵」と四文字熟語でくくられてしまうスローガンも大久保の「富国」vs西郷の「強兵」というように対立し紆余曲折を経て生まれてきたもの、という事例のように数々の論点が様々な個人の主張によって勝ち負けが決まり、ターニングポイントを曲がってきたことがライブ感を持って迫ります。ただ、勝ち負けといってもそれは一瞬のことで今日の勝者は明日の敗者となり、近代史の登場人物はすべて結局、勝てなかった人々であり、彼らの構想を超えて進んでいくのが歴史なのだ、という印象を持ちました。しかし、いや、だからこそ、議論すべきテーマをちゃんと設定出来るかどうか、ちゃんと決定出来るかどうかで、未来の在り方が変わるということを本書は訴えていて、それこそが2013年の今日的なテーマなのだと思います。

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2013/04/08

近代日本(幕末~太平洋戦争直前まで)を政治・経済の両面から描いた本。 とくに日中戦争へ突入するまでの、政治・経済・軍部のながれがダイナミックで引き込まれる。 なぜ日本は海外に戦争をしかけていったのか? 日中戦争~太平洋戦争にいたるまで、民意や議会・政府が反ファシズムだったのに、...

近代日本(幕末~太平洋戦争直前まで)を政治・経済の両面から描いた本。 とくに日中戦争へ突入するまでの、政治・経済・軍部のながれがダイナミックで引き込まれる。 なぜ日本は海外に戦争をしかけていったのか? 日中戦争~太平洋戦争にいたるまで、民意や議会・政府が反ファシズムだったのに、軍部の独走を止められなかったのは、どういう流れだったのか? これまでは、歴史は点でのおきまりの知識と解釈でしか知らなかったが、この本で歴史を流れでよむことで、新たな視点で歴史を理解するようになったものが多々あった。 個人的には、参政権をもつ人々の懐具合の変化で、いかに政治がかわるのか、この本でえがかれていて(この本では農民富裕層)、参政権のありがたさと、参政権をもつ我々は実はものすごく国に影響をあたえることができるのだということを感じた。 メモ:歴史を教科書だけでのお決まりの解釈ではなく、流れでとらえて新たな視点を得ることができる。

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2013/04/02

幕末から日中戦争勃発までの通史。 この本によって、自分の近代史の知識がいかに不足していたかを知った。 特に明治後半から昭和にかけての政治史。 政友会と憲政党という二大政党が争っていた事など すごく基本的な事柄のはずなのによく知らなかった。 今後、近代史を学ぶ上での基礎になりそうな...

幕末から日中戦争勃発までの通史。 この本によって、自分の近代史の知識がいかに不足していたかを知った。 特に明治後半から昭和にかけての政治史。 政友会と憲政党という二大政党が争っていた事など すごく基本的な事柄のはずなのによく知らなかった。 今後、近代史を学ぶ上での基礎になりそうな一冊。

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2013/02/24

間違いなく良書だと思います.浅学な私にとってはお腹一杯の一冊なので,また改めて読み返したいと思います.

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2013/02/21

近代日本の政治史(明治維新から太平洋戦争直前までの80年間) 著者なりのスタイルで新書の形にまとめあげていますが、それでも約450ページという大容量。勉強のつもりで読んでください。 日本がなぜに戦争に走っていったのか、小中学校の教科書では知ることのできなかった「そういうことだっ...

近代日本の政治史(明治維新から太平洋戦争直前までの80年間) 著者なりのスタイルで新書の形にまとめあげていますが、それでも約450ページという大容量。勉強のつもりで読んでください。 日本がなぜに戦争に走っていったのか、小中学校の教科書では知ることのできなかった「そういうことだったのか」を解き明かすには、これくらいには分量が要るのだと、それほどまでには激動の時代だたのだと思わせられます。読んでいるときは気づかなかったのですが、江戸時代末期から昭和初期まで、たった80年間しか経ってないのに、こんなに世の中が変わったことに、読み返しながら驚いています。 この時代に何があったかは、知っておくべきことです。この本でなくてもたくさんありますが、著者の偏見などが比較的少ない本書はおすすめです。

Posted byブクログ

2013/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

坂野潤治『日本近代史』ちくま新書、読了。開国から戦前昭和までの八〇年。近代日本の国家像の再統合を試みる意欲作。普選の前夜に吉野作造の人気は急落。民主化には漸進的アプローチが不可欠だが、急進主義に取って代わられる。著者は震災後の25-37年を危機の時代と呼ぶ。吉野の評価は割と高い。

Posted byブクログ