1,800円以上の注文で送料無料

日本近代史 の商品レビュー

4.1

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2018/08/10

著者は実証史学に基づいてニュートラルに叙述するという評判というのがイメージだったのが、ざっと通読してみると主観的解釈や主義主張も挿入されており、スタンダードとは言えない作りになっている。ある程度歴史を知ってる人間がツッコミを入れながら読むにはいいのかもしれない。長編ではあるので細...

著者は実証史学に基づいてニュートラルに叙述するという評判というのがイメージだったのが、ざっと通読してみると主観的解釈や主義主張も挿入されており、スタンダードとは言えない作りになっている。ある程度歴史を知ってる人間がツッコミを入れながら読むにはいいのかもしれない。長編ではあるので細かい間違いも散見されるし、全くの無学者がただ近現代の通史を学びたいなら、教科書とか受験参考書を読んだほうがいいように思う。

Posted byブクログ

2016/04/24

結構分厚い新書ながら一挙に読めて面白い。 政治の主導権を誰が握るのか、どういった構想が支持を得られるのか、さまざまな政治主体が絡み合う複雑な日本近代史(1857-1937)を改革、革命、建設、運用、再編、危機6段階に分けて叙述され、説得的な説明・解釈がなされている。ただし、これ...

結構分厚い新書ながら一挙に読めて面白い。 政治の主導権を誰が握るのか、どういった構想が支持を得られるのか、さまざまな政治主体が絡み合う複雑な日本近代史(1857-1937)を改革、革命、建設、運用、再編、危機6段階に分けて叙述され、説得的な説明・解釈がなされている。ただし、これはあくまでも政治史から見たネーミングであるので、その辺は気をつけたい。例えば、1880年代、松方財政の始まりとともに政治上の勢力としての「富国派」は挫折するが、民間主導の経済発展はまさにこの時代(運用の時代)から始まるのだから。

Posted byブクログ

2015/09/12

同じ出来事も歴史家の眼差しによって全く違う位相が現れる。 政友会と改進党の二大政党制、内にリベラル外にタカ派(とその逆)という補完関係は興味深い。

Posted byブクログ

2015/09/06

著名な歴史学者である東大名誉教授が、幕末から先の大戦までの80年間を読み解く。 リーダーの本棚 ユニ・チャーム社長 高原豪久氏 日本の歴史について問題意識を持って学ぶことは私の習慣の一つになりました。また、グローバルに活躍することを目指す若いビジネスパーソンにどのような研さん...

著名な歴史学者である東大名誉教授が、幕末から先の大戦までの80年間を読み解く。 リーダーの本棚 ユニ・チャーム社長 高原豪久氏 日本の歴史について問題意識を持って学ぶことは私の習慣の一つになりました。また、グローバルに活躍することを目指す若いビジネスパーソンにどのような研さんを積むべきかと尋ねられると必ず「日本の歴史や文化について学びなさい」と答えるようにしています。

Posted byブクログ

2018/10/31

幕末から日中戦争直前までの政治を中心とした近代史を、改革から危機まで6つの段階に分けて大きな流れを描いている。内容は盛りだくさんで、基礎知識があることを前提にしている感もあり、途中から図説を傍らに見ながらでないと付いていくことができなかった。 「富国=大久保」「強兵=西郷」「公...

幕末から日中戦争直前までの政治を中心とした近代史を、改革から危機まで6つの段階に分けて大きな流れを描いている。内容は盛りだくさんで、基礎知識があることを前提にしている感もあり、途中から図説を傍らに見ながらでないと付いていくことができなかった。 「富国=大久保」「強兵=西郷」「公議=木戸」「輿論=板垣」 明治22(1889)年に発布された明治憲法の第11条「統帥権の独立」は、昭和6年の満州事変以降の現地軍の暴走の原因となり、第55条「国務大臣単独責任制」は昭和16年の対英米開戦や終戦に際しての首相以下各大臣の無責任体制の原因となった。

Posted byブクログ

2015/01/01

明治維新前後の「改革期」から、太平洋戦争開戦直前の「危機」の時代まで、日本の近代史を凝縮して解説した一冊。 ところどころで、基礎的事項が省略されているところもあるので、一通り、教科書レベルの前提知識があった方が読みやすいとは思うが、戦前の政治社会に関わった様々なアクターが、裏付...

明治維新前後の「改革期」から、太平洋戦争開戦直前の「危機」の時代まで、日本の近代史を凝縮して解説した一冊。 ところどころで、基礎的事項が省略されているところもあるので、一通り、教科書レベルの前提知識があった方が読みやすいとは思うが、戦前の政治社会に関わった様々なアクターが、裏付け資料とともに、イキイキと描写されており、関心を引き付けてくれる。 個人的には、政党が政治の主役になって以降、「崩壊」に至るまでの過程に、現代でも身につまされるところが、多々あるように思えた。 二大政党の両者、特に原敬と、民政党側の論客であった美濃部達吉への著者の微妙な評価が興味深いところである。

Posted byブクログ

2014/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] この国が最も激しく揺れ動いた一八五七(安政四)年から一九三七(昭和一二)年までの八〇年間。 近代日本の劇的な歩みを、「改革」「革命」「建設」「運用」「再編」「危機」という六つの時代に区分し、通観する―。 はたして日本の近代とは何だったのか。 わずか数十年の間にめざましい「近代化」を実現しながら、やがて「崩壊」へと突き進まざるをえなかった根本原因はどこにあるのか。 史料を精緻に読み解くことで、図式的な理解を超えて、近代史をダイナミックに捉えなおす。 [ 目次 ] 第1章 改革―1857‐1863 第2章 革命―1863‐1871 第3章 建設―1871‐1880 第4章 運用―1880‐1893 第5章 再編―1894‐1924 第6章 危機―1925‐1937 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted byブクログ

2014/05/15

難易度が高すぎたかもしれない。 読んでいて何度も眠気に襲われた。単に寝不足である可能性もある。 こういう時は、無理に読まないのが一番。周辺の知識を補い、身の丈にあった本を読み、しばらく時間を置いてからもう一度読んでみよう。

Posted byブクログ

2014/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

次の部分が印象的でした。  約1500名の軍人が重武装して総理大臣や天皇側近を射殺したというと、1936(昭和11)年の日本は無法者が支配する無秩序社会だったように響く。しかし、当時の日本は、大日本帝国憲法の下にある立憲国家であり、その第45条は、議会解散後の5ヵ月以内には特別議会を召集しなければならないと定めていた。先の解散が1月21日だったから、二・二六事件が起ころうとも、6月21日までには特別議会が召集されるのである。  また、特高は憲兵の支配した戦前日本にあっては、衆議院での議員の発言は制限され、その議事録にも検閲の手が入ったように誤解している人も少なくないが、衆議院は政府と並ぶ国家機関であり、政府の一部でしかない内務省警保局がその議事録を検閲したり、発言者を逮捕するなどの権限はなかった。言いかえれば、憲法の規定により5月4日に開会された第69特別議会で、議員は二・二六事件とその後の陸軍の対応を堂々と批判できたのである。

Posted byブクログ

2014/05/11

 タイトルの通り、1857年から1937年の80年間の日本近代史を、「改革の時代」、「革命の時代」、「建設の時代」、「運用の時代」、「再編の時代」、「危機の時代」の6つに区分して概観する本である。とにかく、史料を丁寧に読み解き、一般的に理解されている日本近代史の歴史的な理解をさら...

 タイトルの通り、1857年から1937年の80年間の日本近代史を、「改革の時代」、「革命の時代」、「建設の時代」、「運用の時代」、「再編の時代」、「危機の時代」の6つに区分して概観する本である。とにかく、史料を丁寧に読み解き、一般的に理解されている日本近代史の歴史的な理解をさらに迫っていく。  高校時代、日本史Aを習ったが、高校日本史の一般的な知識があると、教科書的な理解よりももっと深く、強いて言えば当時の政局判断・政策判断のウラの面がより分かって面白い。高校時代に習った日本史の内容がまさにドンピシャリだった。  特に大日本帝国憲法(明治憲法)制定後の帝国議会の政局について、教科書の一面的な理解を超えて、現代よりもいろいろと制限が多かった時代の中でも、民主的な社会を目指して試行錯誤が繰り広げられていたことがよく分かる。読んでいくと、戦前の日本の国家運営の失敗やなぜ大規模な戦争へと暴走していったのかの理由として、一般的に言われている「軍部の暴走」とか「市民的自由の権利を制限した」とかもあるけれども、政治家、軍部、官僚が個々の思惑や外交情勢、経済情勢、社会情勢などの要素ファクターを鑑みて政策判断をしようとしても、憲法や議会や制度上での手続きによってすぐに政策決定ができない仕組みによるものもあることが分かる(所謂「決められない政治」と言うもの)。乱暴に言えば、議会や軍部や官僚らのいずれかが行動しようとしても、相互に統一した決定がなされない以上、すぐに政策として実行できないことが挙げられる。要は戦前の日本は戦後以上に個々の縦割りが強かったことが分かる。  その後、戦争へ突入し敗戦へ至る時期を著者は「崩壊の時代」としているが、ここについて書く前に内容を終えている。

Posted byブクログ