三・一一詩集 陸前高田の冬と春 の商品レビュー
震災とその後の避難生活の想いを言の葉にのせて、ただ訥々と。 それだけに、その「うた」は重く心底に落ちてきました。 「人を家を 車も船も 呑みし海 下弦の月が あわあわと照る」 冴えきった弦の光に照らされているかのごとくに、 音のない風景がただ哀しく、海泡のように浮かんできま...
震災とその後の避難生活の想いを言の葉にのせて、ただ訥々と。 それだけに、その「うた」は重く心底に落ちてきました。 「人を家を 車も船も 呑みし海 下弦の月が あわあわと照る」 冴えきった弦の光に照らされているかのごとくに、 音のない風景がただ哀しく、海泡のように浮かんできました。 詠い手の佐藤フミ子さんは、昭和三年生まれ、 私の祖母(昭和元年生まれ)と変わらないのに、驚きを。 また、1930年代(昭和三陸津波)、1960年代(チリ地震津波)でも甚大な被害と、 津波はこれほどに身近な存在かと、はじめて知りました。 家も子も、そして夫も失って、孫と二人、どう歩まれていくのか。 これもまた、伝えていくとの一つの在り様、、というには耐えきれず。 たまたま図書館で見つけた一冊ですが、手元に置いておこうと思います。
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