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ブータン王室はなぜこんなに愛されるのか の商品レビュー

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2015/04/13

田中敏恵著「ブータン王室はなぜこんなに愛されるのか」小学館(2012) *ブータンはチベット仏教の信仰国であり、「国民総幸福(GNH:Gross National Happiness)」というユニークな理念と政策を掲げる国として注目を集めている。かつて行われた国税調査では国民の9...

田中敏恵著「ブータン王室はなぜこんなに愛されるのか」小学館(2012) *ブータンはチベット仏教の信仰国であり、「国民総幸福(GNH:Gross National Happiness)」というユニークな理念と政策を掲げる国として注目を集めている。かつて行われた国税調査では国民の97%が「私は幸せである」と答え「幸福大国」と形容する人も多い。またブータン国王が日本に来日した際に国王が訪問した各地で見せた日本への愛情の情あふれる姿、そして王妃との仲睦まじい様子。これ自体も幸福を体現したような姿であった。 *国民総幸福という理念を打ち出したのは、先王である第四代国王である。また、2008年の完全民主化まで、ブータンでは王制が引かれていた。 *ブータン第4第国王が語った言葉より 「ブータンは近代化はするが西洋化はしない。わが国は内陸にあり、資源に乏しいヒマラヤん小国だ。そんな国が持ちうる最大の強み、それは1人ひとりがそれぞれに持つ、国のアイデンティティーしかない。私が国民総生産という言葉を表現したかったのは人生の充実である。」 *GNHの立脚点は、人間は物質的な富だけでは幸福になれず、充実感も満足感も抱けない、そして経済的発展および近代化は人々の生活の質および伝統的価値を犠牲にするものであってはならない、という信念です。 *GNHという考え方は環境の破壊や伝統文化の喪失の上に成り立つものではない。また、人々の生活の犠牲の上に成り立つものでもない。必要十分な生活の質と、心と健康それzれに充実感を得る。それがGNH でいう所の幸せなのだ。 *ブータン第5第国王の言葉より 「今日のめまぐるしく変化する世界において、国民が何より調和を重んじる社会、若者tが優れた才能、勇気や品位を持ち祖先の価値観によって導かれる社会。そうした思いやりのある社会で生きて行く我々のあり方を、私は最も誇りに思います。わが国は有能な若きブータン人の手の中に委ねられています。我々は歴史ある価値観を持つ若々しい現代的な国民です。小さな美しい国ではありますが、強い国でもあります。」 *ブータン第5代国王の小学校の子供たちに語りかけた龍の話より 「みなさん、龍をみたことがありますか?私はあります。龍は1人ひとりの心の中にいます。私たちは人格という名の龍を持っています。龍は私たちみんなの心の中にいて経験を食べて成長します。だから、年を重ね、経験を積むほどその龍は強くなるのです。そして、感情をコントロールして生きていくことが大切です。皆さんも自分の龍を大きく素晴らしいく、大切に育ててください。」 *ブータンでは幼い頃から「隣人の幸福を羨むのではなく、よかったねと褒めましょう。」と親に言われて育つという。他者を羨むわけではないから「それに比べて自分は」などと卑下するようなこともない。 *まさに「ないものねだりではなく、あるもの自慢」という姿ではないか。経済成長を主とする先進諸国の指摘のような「外からの価値観」ではなく、自分たちの国んの財産を見つめる「内から生まれた価値観」という視点とそれに対する肯定力こそブータンらしさなのである。「ないもの」ではなく「あるもの」に焦点を当ててきたからこその結果である。

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2014/08/22

天皇陛下みたいな人だね 隣人の幸福を羨むのではなく、良かったねと誉めましょう 美しい伝統のまま、西洋化でない近代化をし続けてほしい 日本もそう転換できたらいいのにね せめて自分だけでもそうしよう

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2014/01/19

人口わずか70万人の国家が、世界に与える印象は大きい。 こういう稀有な国家が、このままで続いてほしいと願う。 素敵な国だが、政治的に危うい面も多々あり、そうした面もよく知っておくべきだろう。

Posted byブクログ

2012/05/05

田中さんによるブータン本。 ブータンの市井の人々から話を聞くに、ブータン王室も決して愛されてばかりいるわけではない(ただしやはり第4代国王のみは別格)と思うが、昨年11月以降の日本でのブータン・フィーバーを思い返すには/ブータン王室の入門書としてはちょうど良い一冊。

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2012/03/06

2012年16冊目。 ブータンは僕にとって、「幸福の国」よりも「リーダーシップの国」。 第4代ジグミ・シンゲ・ワンチュク雷竜王の話を以前読んでから、 すっかり引き込まれてしまった。 カリスマ性を持つがゆえに、国王が恐れることは「民の盲従」と想像しながらも、 国王の数々のエピソー...

2012年16冊目。 ブータンは僕にとって、「幸福の国」よりも「リーダーシップの国」。 第4代ジグミ・シンゲ・ワンチュク雷竜王の話を以前読んでから、 すっかり引き込まれてしまった。 カリスマ性を持つがゆえに、国王が恐れることは「民の盲従」と想像しながらも、 国王の数々のエピソードに僕自身も敬意がやまない。 「草の根を歩き、民の声を聴く」、そこから感じ取った必要に対しては「英断、実行」。 素晴らしいロールモデルに出会えたことに感謝。

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