ルーズヴェルト・ゲーム の商品レビュー
たとえ何点差がついていようとも、ゲームセットまでは逆転のチャンスがあるのが野球の醍醐味だ。過去に高校野球では9回ツーアウトから9点差を逆転した試合もあったという。 生きることだって一緒だ。どれだけ苦境に陥ろうともアウトにならなければ試合は続けられる。そしていつかは逆転のチャンス...
たとえ何点差がついていようとも、ゲームセットまでは逆転のチャンスがあるのが野球の醍醐味だ。過去に高校野球では9回ツーアウトから9点差を逆転した試合もあったという。 生きることだって一緒だ。どれだけ苦境に陥ろうともアウトにならなければ試合は続けられる。そしていつかは逆転のチャンスが訪れる。仲間を信じてそれを待つ。 「ルーズヴェルトゲーム」は、企業小説と野球小説の両方の良さを併せ持つ秀作だ。 個人的には企業小説としての面白さに惹かれた。 技術力に自信を持つ電器メーカーの青島製作所は折しもの不況に立ち向かうためリストラを断行する。もちろんそれは名門野球部にも向けられた…。 経営コンサルタントから青島製作所の社長になった細川社長の苦悩や葛藤、そして野球を通じて価値観が転換していく様は読んでいて胸が熱くなる。 池井戸潤、相変わらず熱いよ! 「この工場が作っているのは、カネ儲けのための製品だけじゃない。働く人たちの人生であり、夢もだ。いまこの会社の社員として働くことに、夢があるだろうか。彼らに夢や幸せを与えてやるのも経営者の仕事だ」
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展開は読みやすいが、それでもやっぱりストーリーに引き込まれ一気に読んでしまいました。 野球という題材というのも個人的に感情移入しやすくよかったです。 読んだ後は気持ちがすっきり出来る作品だと思います。
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+++ 「一番おもしろい試合は、8対7だ」野球を愛したルーズヴェルト大統領は、そう語った。監督に見捨てられ、主力選手をも失ったかつての名門、青島製作所野球部。創部以来の危機に、野球部長の三上が招いたのは、挫折を経験したひとりの男だった。一方、社長に抜擢されて間もない細川は、折しも...
+++ 「一番おもしろい試合は、8対7だ」野球を愛したルーズヴェルト大統領は、そう語った。監督に見捨てられ、主力選手をも失ったかつての名門、青島製作所野球部。創部以来の危機に、野球部長の三上が招いたのは、挫折を経験したひとりの男だった。一方、社長に抜擢されて間もない細川は、折しもの不況に立ち向かうため、聖域なきリストラを命じる。廃部か存続か。繁栄か衰退か。人生を賭した男達の戦いがここに始まる。 +++ 池井戸節全開である。おおよその展開は予想できても、お約束のように用意されているシナリオに胸のすく心地を味わい、カタルシスを得るのが池井戸作品の醍醐味であろう。今回も、開発力に自信を持つ青島製作所と、営業力が強みの大手・ミツワ電器との合併話と青島製作所野球部の廃部問題、高校野球時代の不幸な因縁話を軸に、人事の妙や、社員の矜持、愛社精神などを絡めて、絶妙な物語になっている。野球部の命運が気になるところだが、最後の最後でそうきたか、という展開である。志眞社長、カッコイイ。ページを繰る手が止まらない一冊である。
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先の見えない不景気、ライバル企業の猛攻勢、リストラ、そして野球部存続の危機。 次から次へと難題が持ち上がるのですが、これがフィクションの見本とでも言わんばかりの鮮やかさで、すべてが華麗に解決されていきます。少し出来すぎの感もありますが、変に暗くなったりドロドロしたりすることがな...
先の見えない不景気、ライバル企業の猛攻勢、リストラ、そして野球部存続の危機。 次から次へと難題が持ち上がるのですが、これがフィクションの見本とでも言わんばかりの鮮やかさで、すべてが華麗に解決されていきます。少し出来すぎの感もありますが、変に暗くなったりドロドロしたりすることがないので、最初から最後まで安心して読むことができます。 そうしてラスト。 こうなるだろうな、と思って読み進めてはいたものの、みんなの頑張りが胸を打って、やはり涙目になってしまいました。 企業小説という枠組みはありますが、老若男女を問わず多くの人に愛されるタイプの小説です。
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野球は8対7と言うスコアが一番面白いって言うのは聞いたことがあったけど、これが野球を愛したルーズヴェルト大統領の言葉とは知らなかったです。内容的には「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「下町ロケット」と続いた路線と変わりがなく目新しさはないのだけど、それでも面白く感動しちゃうところによさが...
野球は8対7と言うスコアが一番面白いって言うのは聞いたことがあったけど、これが野球を愛したルーズヴェルト大統領の言葉とは知らなかったです。内容的には「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「下町ロケット」と続いた路線と変わりがなく目新しさはないのだけど、それでも面白く感動しちゃうところによさがあるのかもしれません。下町ロケットのロケットが野球に変わっただけと言う印象もあるのだけど、それでも面白くぐいぐい引きずり込まれてしまうのがとにかくすごい。 ありそうもない出来過ぎの話が思い通りに進む爽快感でしょうか(笑)。でも、野球部の扱いはあの伏線からこのようなエピローグだったのかって予想を裏切られたけど、眠れなくなる作品でした。
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池井戸さん作品2作目読了。 中小企業の生き残りをかけた闘いが見事に描かれていて、読み応え十分。 vs同業他社。 vs株主。 vs市場。景気悪化。 そんななかでの社会人野球部の存続問題。 いろんな角度から企業の生き残りの悲喜こもごもを描いていて、ドキドキワクワクしながら読みました。...
池井戸さん作品2作目読了。 中小企業の生き残りをかけた闘いが見事に描かれていて、読み応え十分。 vs同業他社。 vs株主。 vs市場。景気悪化。 そんななかでの社会人野球部の存続問題。 いろんな角度から企業の生き残りの悲喜こもごもを描いていて、ドキドキワクワクしながら読みました。 企業っていろんな顔を持ってるんだと、改めて思わされました。
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中堅クラスの会社の商品開発と野球部の話が交互に現れて面白い!企業モノを書かせたら右に出る作家は居ない!
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追い詰められた中小企業と、所属する社会人野球チームの存続の危機と2本柱でのストーリー展開のためか、どちらも中途半端になってしまった気がする。その性か、途中から話の展開が見えてきてしまい、残念。 とはいえ、池井戸さんの中小企業ものは読後感は良い。
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不況下で会社の生き残りをかけた奮闘ぶりに共感を覚え、その中で対立や衝突もある人間模様が、野球部としても青島製作所としても1つになるラストは良かった。長編ながら充実の一冊でした。
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うまいな〜。作者らしい作品なので、きっとこうなるっていうのが分かってるんだけど…心が動かされるの。 良かったです! ★4.5
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