ルーズヴェルト・ゲーム の商品レビュー
中小企業の厳しい現状と企業スポーツ(社会人野球)を題材に 双方の危機を乗り越え、会社が息を吹き返す感動小説。 「鉄の骨」「下町ロケット」に続き、ドラマ化を熱望します。 きっと誰もが、活力・勇気をもらい、前向きに進んでいけるのでは ないでしょうか?
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者の鉄板パターン。それを楽しむ人の期待には十分応える爽快な内容、今度は違う展開もあるかなと思って読むむきには、またか、と思わせるワンパターンでもある。タイトルや帯のコピーから会社の野球部の存続が絡んでくる物語とは判るが、これまでの作品との違いを見せるためのサイドストーリー程度(というと言い過ぎか。もうひとつの主題)であり、本題はやはり中小企業の生き残りをかけた奮闘っぷり。毎度のことながらよくもまぁ次から次へと問題をふりかからせるものだと、作者の創意工夫ぶりに感心する。野球部のほうにも冒頭に起きる監督交代や主力選手の引き抜き以外にも、故障、引退、暴力事件、マスコミ報道とそれなりに面白い難題を織り込むことも忘れていない。野球のゲームも活き活きと描けていて著者の筆致の確かさを伺える(投手萬田の性格を”グラウンドを離れても、ずっと二塁ランナーを気にしているような、神経質なところがある”と野球を絡めて記した表現がお気に入り)。 ただ、主題がふたつになり、登場人物が多岐にわたり、それぞれ個性的に活き活きと描かれてはいるものの、旧作の「タイヤ」や「ロケット」のようにその人となりに迫った深い記述や、家庭人でありながらの企業人という描き方が少なかったのが残念。主人公もいったい誰だったのか?(野球部三上部長か?細川社長か?)と思わざるを得ない散漫なところもなきにしもあらず。 弱きが強きを挫き、汗と涙で勝ち取る勝利を描き、未だ不況にあえぐ世の中に光と、日本のお家芸中小企業に活力を与える貴重ないちジャンルを築きつつある著者ではあるが、カタルシスを味わえる結末にもそろそろ期待したい。 (会社の先輩に借りて読む。次、後輩に回しました。「タイヤ」「ロケット」と池井戸作品の回し読みが職場で流行ってます)
Posted by
下町ロケットに続く、中小企業もの。展開はほぼ同じだけれど、野球部要素が加わり、より面白かった。すぐに読めました。 次回作も、企業ものなら読まないかもな~。
Posted by
企業の運動部(野球とかバレーなど)ってこんな感じなのかな? しっかり活躍すれば、会社のいい宣伝になるのは間違いないものね。 母体の会社の業績が不振となれば、その存続が危ぶまれるのも納得。だが、選手は? 野球部の今後も気になったけれど、会社の生き残りもきになった物語。社長の雰囲気が...
企業の運動部(野球とかバレーなど)ってこんな感じなのかな? しっかり活躍すれば、会社のいい宣伝になるのは間違いないものね。 母体の会社の業績が不振となれば、その存続が危ぶまれるのも納得。だが、選手は? 野球部の今後も気になったけれど、会社の生き残りもきになった物語。社長の雰囲気が反映されるのか、それぞれの持場でそれぞれが頑張っているところが魅力的だった。あきらめてはいけないということか。 野球のことはよくわからないけれど楽しめた。
Posted by
おもしろい!野球人の端くれ、そして社会人の端くれとして感動せずにはいられない。 中堅のメーカーが本業でも野球部でも競い合う。手に汗握る展開。 著者の方の本を読むのは下町ロケットに続き2作目。 冷静に企業の実態を描いたかと思えば、そこにいる従業員の熱い心がむきだしになる描写があった...
おもしろい!野球人の端くれ、そして社会人の端くれとして感動せずにはいられない。 中堅のメーカーが本業でも野球部でも競い合う。手に汗握る展開。 著者の方の本を読むのは下町ロケットに続き2作目。 冷静に企業の実態を描いたかと思えば、そこにいる従業員の熱い心がむきだしになる描写があったり。 登場人物の熱いところが好き。 自分みたいな凡人が読むとそんなすごく月並みな言葉になってしまうけど。最後じんときた。自分もがんばろ! ちなみに早く展開が知りたすぎて2時間で300ページぐらい読んだ。自分としては上出来なペース。
Posted by
直木賞受賞後 第一作品目とあって注目は高かったかもしれないけど 充分に期待に応えてくれる作品です。 俗にいう社会人野球の存続と 企業の生き残りをかけてリストラ・野球部の存続 ライバル会社との合併 とハラハラしっぱなしの一冊ですが 下町ロケット以上に面白かった~
Posted by
絶望と歓喜は紙一重。信念を通すという事の厳しさと這い上がる楽しさがじわじわと伝わってくる。経営者にはイズムがいる。ただ、現実は厳しい…そんな事は分かっているから、この作品に光を感じるのかもしれない。何ヶ月もかけて書かれた小説であるから、なるべく一気に読まないように気を付けています...
絶望と歓喜は紙一重。信念を通すという事の厳しさと這い上がる楽しさがじわじわと伝わってくる。経営者にはイズムがいる。ただ、現実は厳しい…そんな事は分かっているから、この作品に光を感じるのかもしれない。何ヶ月もかけて書かれた小説であるから、なるべく一気に読まないように気を付けていますが、ほぼ一日で読んでしまった。すいません。
Posted by
鉄板パターン来ました。弱きが強きを叩きのめす。 中堅企業の業績低迷に伴うリストラ、競合他社(ライバル)の仕掛けてくる吸収合併、などの困難に今回は野球部が絡んでくる。 読み終わった後の爽快感がたまらない!
Posted by
町工場を舞台にした『下町ロケット』で直木賞を受賞した作家の最新作。中堅電子部品メーカーの青島製作所と、その野球部がふんばりをみせる爽快な企業小説だ。 米国発の金融不況で、青島製作所は受注量を減らし、値下げも余儀なくされている。銀行から追加融資を引き出すためにはリストラの徹底...
町工場を舞台にした『下町ロケット』で直木賞を受賞した作家の最新作。中堅電子部品メーカーの青島製作所と、その野球部がふんばりをみせる爽快な企業小説だ。 米国発の金融不況で、青島製作所は受注量を減らし、値下げも余儀なくされている。銀行から追加融資を引き出すためにはリストラの徹底が必要で、年間3億円かかる野球部の廃部は必至。だが、部員の多くは契約社員である。物語は、ライバル企業のミツワ電器に優位にも見えるように進んでいく。他社製品の類似品を作って儲けてきたミツワに対し、リスクを冒しても新製品を開発する青島製作所。ミツワからの合併交渉に、青島のカリスマ的創業者でもある会長は、自身がヘッドハンティングした社長に経営判断をゆだねつつも釘をさす。工場が作っているのは働く者の人生であり夢なのだと。 逆境にある野球部を通して、皆のこころがひとつになる。野球好きのF・ルーズヴェルト大統領は、野球の試合で一番面白いスコアは「8対7」といった。まさに絶望と歓喜は紙一重だ。 (「週刊朝日」 2012/04/20 西條博子)
Posted by
営業力が強い会社と技術力しかない小さな会社との戦い。本業での吸収合併のあれこれに加えて、それぞれの社会人野球チームも戦う。 池井戸さんのいつものパターンだけど、パターンをなぞりすぎて物足りなかった。というのか厭きてきたのかな。小さいものが大きいものを倒すっていう構図。沢山の人の...
営業力が強い会社と技術力しかない小さな会社との戦い。本業での吸収合併のあれこれに加えて、それぞれの社会人野球チームも戦う。 池井戸さんのいつものパターンだけど、パターンをなぞりすぎて物足りなかった。というのか厭きてきたのかな。小さいものが大きいものを倒すっていう構図。沢山の人のために読みやすいものを書いてしまったけど、作者的には不本意という感じだろうか。
Posted by