夕陽ヵ丘三号館 新装版 の商品レビュー
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1971年出版との事、舞台は戦後の高度成長期。 小さな話にどんどん尾鰭が付いて大げさに伝わっていく様は小説だからではない。本当にそうなるのだ。私も団地暮らしだったのでわかるがご近所って本当に怖い。 序盤は面倒な奥様方の人間関係の渦に放り込まれた音子に同情するものの、話が進むにつれて彼女自身も“面倒な奥様”と化していく様子に少々うんざりしながら読んだ。同性目線で見てもこんな奥様、夫子供はたまったものじゃないぞ。 だが主婦にとっては『夫が総てで子供が総て』。という音子の言い分に独身の私も妙に頷いてしまった。著者はなんでもない日常を面白く書くと母が言っていたが、579頁丸ごと なんてことない一人の主婦の数年間の社宅暮らしの日常である。ラストは爽やかに終わるがこの人たちのことだもの、またひと悶着あるに違いない。 ところでら抜き言葉はこの時代から浸透しだしたんだな。
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一般の主婦の日常。電化製品が出回りだし、家事が簡単になったがその分時間が空いて社宅での付き合いに右往左往する。 できる女性を読んでいただけに物足りなさを感じるが家の中だけが自分の世界ではこうなるんだろうなぁ 今も昔も変わらないのが分かる。
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社宅の事情。 たぶん自分は関わることのない世界。夫の会社の社宅で、夫人方とのお付き合いノウハウ、子育てのこと、学校のことなど。なんにせよ良い教訓にもなる内容だった。 相手には相手の事情があって、時にこちらが思うほど事は深刻でなくて、それを勝手な勘違いで空回りしてしまう言動。考え過...
社宅の事情。 たぶん自分は関わることのない世界。夫の会社の社宅で、夫人方とのお付き合いノウハウ、子育てのこと、学校のことなど。なんにせよ良い教訓にもなる内容だった。 相手には相手の事情があって、時にこちらが思うほど事は深刻でなくて、それを勝手な勘違いで空回りしてしまう言動。考え過ぎずポジティブに、笑顔でスマートに生き抜きたいもの。
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評価は5. 内容(BOOKデーターベース) 一流会社勤務の夫の転勤に伴い、東京で憧れの社宅暮らしをスタートした音子。喜びも束の間、社宅内の人間関係に振り回されてゆく。一人息子・悟の教育問題、見栄と欺瞞に満ちた主婦同士の情報戦に追い詰められ、焦った音子は愚かな行動に出るが―痛烈な人間描写、現代のドラマが大迫力、傑作長編エンターテインメント。 親は、子どもの地位=自分の地位と勘違いしてしまうし、子どもの勉強が出来れば、親の理想通りに進めば親のストレスはすごく減る。でも、本当は健康で元気ならOKなのだが・・そんな暇な母親の日常をつらつらと綴った話だったがやはり大作家!面白かった。
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団地のドロドロ!とにかく口は災いの元である。私もこれから親になるけど、子供の進路、夫の仕事の話はご法度だと思った。嫉妬って怖い。 男の子の子育てって難しそう。性のこととかあんまり学校のことはなさなかったりとか。男親を頼ったり、見て見ぬ振りっていうのも大事だなぁ。 読んでるだけ...
団地のドロドロ!とにかく口は災いの元である。私もこれから親になるけど、子供の進路、夫の仕事の話はご法度だと思った。嫉妬って怖い。 男の子の子育てって難しそう。性のこととかあんまり学校のことはなさなかったりとか。男親を頼ったり、見て見ぬ振りっていうのも大事だなぁ。 読んでるだけで疲れた。 もらったお中元をデパートで変えてもらったり横流しなんてことが…と社会的背景も面白く読んだ。
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商社の社宅に住む主婦達の狂想曲。 社宅には住んでいなかったものも、商社員の息子としてなかなか身に包まされる話でした。 世代的にはうちの両親より15-20歳くらい上世代が描かれていて、ある程度実感のある民俗誌を読んでいる気分でした。
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これエンタメと言うより恐怖小説だね。多少の時代の古さはあるけど、有吉佐和子の描く人間の愚かさ滑稽さ、今でも本質は変わらないのでは。 LINEでの無視や、裏サイトでの陰湿なイジメを聞くと、この小説で語られている社宅の世界となんら変わらない。 夫婦間のやりとりなども、うちと驚くほど...
これエンタメと言うより恐怖小説だね。多少の時代の古さはあるけど、有吉佐和子の描く人間の愚かさ滑稽さ、今でも本質は変わらないのでは。 LINEでの無視や、裏サイトでの陰湿なイジメを聞くと、この小説で語られている社宅の世界となんら変わらない。 夫婦間のやりとりなども、うちと驚くほど似ている。
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まだ3冊しか読んでないけれど、有吉佐和子は女の黒い部分、どうしてもマウンティングしてしまう生態、嫉妬、妬み…を描くのが上手い。というか、恐ろしい。 ただ、あまり盛り上がりに欠けて、少し消化不良。エンタメ小説としては中途半端。大きな事件が起きるか、主人公(お嬢様育ちで世間知らずの部...
まだ3冊しか読んでないけれど、有吉佐和子は女の黒い部分、どうしてもマウンティングしてしまう生態、嫉妬、妬み…を描くのが上手い。というか、恐ろしい。 ただ、あまり盛り上がりに欠けて、少し消化不良。エンタメ小説としては中途半端。大きな事件が起きるか、主人公(お嬢様育ちで世間知らずの部分あり)が発狂するか、誰かに制裁がくだる、などあって欲しかった。
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一流会社の社宅における人間関係のお話し。お中元の処理の仕方に時代を感じて面白い。 時代背景は少し古いと感じるだろうけれど、人間の心理、人間関係の問題は今に通じる。 人の噂、隣人との比較の中で、正しい価値判断ができなくなっていく主婦。 現代におけるママ友や会社の女性同士の人間関係...
一流会社の社宅における人間関係のお話し。お中元の処理の仕方に時代を感じて面白い。 時代背景は少し古いと感じるだろうけれど、人間の心理、人間関係の問題は今に通じる。 人の噂、隣人との比較の中で、正しい価値判断ができなくなっていく主婦。 現代におけるママ友や会社の女性同士の人間関係の悩みと同じだ。現代では、そこにブログやSNSなどネットからの情報も加わり混乱する。 知らないことは知らないままでいいはずなのに。 有吉佐和子が社会に問いかける作品では、ほのぼの感動する、切なく感動する、そういった方法をとらない。 現実の人間の愚かさと醜さを表現しながら、いつの間にか「家族には何が大切なのか」そういうことを感じさせてくれる、そういう作品である。
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カラーテレビやらお受験やら、話が少し前のことなんだけど、古臭い感じがしないのが、有吉佐和子のすごいところ。世の中は日々変わるけど、人間の本質は変わらないんだろうなと感じる。狭いコミュニティの中で、自分がいかに上にいくか、心理戦が面白い。ちょっと辟易してくる部分もあるけど。
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