銃・病原菌・鉄(下) の商品レビュー
発明についてのところがおもしろい 歴史学についてよくわからないけど こういう歴史についての アプローチは新しいのでは? マクロ歴史学とでもいうか・・・ 丁寧に再読したい本
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すべての人に読んでもらいたいお勧めの本の下巻。 次に「文明崩壊」上下巻に続く。これも圧巻。未来は51%の可能性!を現実にするために、続けて読みましょう。 これほど生産力が豊かになった時代、豊かな国のはずの日本でさえも餓死者がでる格差社会、その根底に地球規模での南北問題、格差が...
すべての人に読んでもらいたいお勧めの本の下巻。 次に「文明崩壊」上下巻に続く。これも圧巻。未来は51%の可能性!を現実にするために、続けて読みましょう。 これほど生産力が豊かになった時代、豊かな国のはずの日本でさえも餓死者がでる格差社会、その根底に地球規模での南北問題、格差が残っている。 なぜ、これほどまでに発展の経過が異なり、西欧諸国が世界を席巻することにいたったのか、ジャレド・ダイヤモンド氏のこの著作は、現在までの多くの科学的な到達を、緻密に集約し、この謎を解き明かしていく。
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下巻は、上巻で得られた結論――食料生産をはじめることによってより複雑な社会を作ることができるようになり、病気に対する免疫を獲得、そして他の民族を圧倒する発明を得ることができた――をベースに、オーストラリア、太平洋の島々、アフリカが被征服民となってしまった理由を検証している。結局...
下巻は、上巻で得られた結論――食料生産をはじめることによってより複雑な社会を作ることができるようになり、病気に対する免疫を獲得、そして他の民族を圧倒する発明を得ることができた――をベースに、オーストラリア、太平洋の島々、アフリカが被征服民となってしまった理由を検証している。結局のところは上巻で得られた結論そのままであった点に物足りなさを感じたが、どういう手法で検証したのかという点は興味深かった。 共通する単語の分布という言語学的アプローチで文化がどのように伝わり定着したのかを見ることで、食料生産がなされていたか否かを調べている。つまり文化として伝わり定着した物は単語が借用され、定着しなかったものは失われるという観点での検討である。また、ゆっくりと伝搬していった栽培、飼育された物は各言語でだいたい同じような語感の単語になっているのに対し、急速に広まったものは言語ごとにバラバラであるという指摘は面白い。もう一つの視点として下巻で着目されていたのが気候と地形である。農作物や家畜が伝わったとしても気候の違いにより生産できなかったり、山脈や海が伝搬の障壁となっているという点である。これはオーストラリアとニューギニアの違いに顕著である。こういった視点で見ていくことで食料生産の始まった地域、食料生産が伝搬され定着した地域、そして食料生産が定着しなかった地域が見えてくる。食料生産に伴う人口増加、そしてそれに伴う複雑な社会システムの構築のスピードに差が生じ、そしてコロンブスらによる「発見」の際の差になったのではないかと結論付けられている。 食料を安定的に得ることができなければ、それ以外のことをすることができないというのは直感的で分かりやすいし、人種の違いに差がないというのも伝搬した技術をすぐに取り入れることが出来たという幾つかの例からも明らかである。食料生産が定着したかどうかが、征服民と被征服民の分かれ目であり、人種の違いに原因があるわけではないということが上下巻を通しての一貫した主張であるが、納得のいくものであった。
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基本的には興味深い内容だけど、ちょっと同じような話が何度も繰り返されててちょっと助長気味。 上巻を読み終わったら最後のエピローグ読むだけでも良いかも。 下巻では、タイトルの3つの事柄ではなく、いろいろな言語の語源を辿っていろいろな人種がどのように世界に広まっていったかの考察が主...
基本的には興味深い内容だけど、ちょっと同じような話が何度も繰り返されててちょっと助長気味。 上巻を読み終わったら最後のエピローグ読むだけでも良いかも。 下巻では、タイトルの3つの事柄ではなく、いろいろな言語の語源を辿っていろいろな人種がどのように世界に広まっていったかの考察が主要。
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面白かったー ついに上下読破ー 休暇中のビーチでひたすら読み倒しました。 「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」 という著者がフィールドワークを行ってい...
面白かったー ついに上下読破ー 休暇中のビーチでひたすら読み倒しました。 「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」 という著者がフィールドワークを行っているニューギニアで問われた質問に対する回答として本書は進む。 なぜヨーロッパが現在世界を席巻しているのか、という理由を解き明かしていく1冊です。 究極的な要因は ①栽培が可能・かつ大人数を養うことが可能なエネルギー効率性の高い(ここでのエネルギーはいろいろ含む、笑)自生植物、および家畜化可能な大型哺乳類の存在 ②技術の伝播が可能な近隣文明との競争の存在 ③上記技術の伝播の容易とする環境の画一性 だそう。 あれ、もう少しあったかな、笑 とりあえず大陸レベルで競わせると、 大量の人間を養える栽培可能な植物のほとんどがユーラシア大陸にいて、耕したり重たい荷物を運んだり軍用に使えるような家畜化可能な大型哺乳類のほとんどもユーラシア大陸に存在して、 たくさんの人間を養えるので人口が増えて、いろんなところで文明が花開いた結果競争も盛んになっていろんな技術が切磋琢磨の末生まれていき、 かつ横に長いユーラシア大陸は環境の変化が縦長な大陸に比べて小さいから、ひとつの文明で創られた技術がそのまま他の文明でも応用できたので伝播しうる技術の数も多かったと。 そういうことでユーラシア大陸が圧勝したわけらしいです。 オーストラリアのアボリジニは環境としては最も上記の条件が外れた地域にいたために、つい最近まで非常に「原始的」な生活を続けていたわけだが、 それは彼らが怠けていたからでも、能力的にも劣っていたわけでもなく、自然環境上今の生活が最上であったからであり、所与の自然環境に適応するための技術力という意味では最先端を行っていたと。 うーん面白いねー でもユーラシア大陸の中でなぜ中国ではなく、中東ではなく、ヨーロッパが世界を支配することになったのか、についてはさらっとエピローグで触れられるだけで、それだけでも一見して説得力はあるのですが、やっぱりもうちょっと知りたい。 中東については環境変化。豊かだった大地は今や砂漠などたくさんの人口を養うのに必ずしも優しい環境ではなくなってしまった。 中国については政治。中国は成立以来ずっと統一され続けてきて、1つの政策が及ぼす影響が大きい、と。 なぜ中国は統一され続けてきたのか、やっぱりまだまだわかりません。。 アボリジニーや南米の先住民やアフリカのピグミーの人たちなど、現在「持たざるもの」と呼ばれる人々への尊厳に極力気を配っているという点でも好感度の高いこの1冊。 持たざるものは本当に持っていないのか。 何を持ち物とするかが外的に決められる中、こういう視点は大事です。 しかし、持つものが持たざるものを侵略してきたのが歴史であるなら、しかも持つものは乗数的にその持ち物を増やしてきたなら、今後持たざるものはどうするのでしょうね。 多様性の危機、と大学の人類学の教授が嘆いてましたが、究極的には持つものが持たざるものを圧倒し廃絶するようなことが来るのでしょうか。 そしてふと思うのが、アフリカなどいわゆる「発展途上国」で行われる“蛮行”は「発展途上」ゆえに起きるのでしょうか、ということ。 だとすれば彼らを「教育し」「文明化させ」、「先進国」が行うような「成熟した社会システムの遂行」なるものは今後10年とかって短すぎるスパンで可能なのかしら。。。
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約一万三千年前、氷河期の終わり、狩猟採集生活から現代に至る人類文明史を大きく捉えたスケール感のある本。大部だが、とても読み易く、一気に読むことができた。
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エピローグ残して放置してた、「銃・病原菌・鉄」をようやっと読了。 面白かったんだけ、ちょっと期待値あげすぎちゃってたな… 目から鱗な話がいろいろあるかと思ってたけど、そうでもなかった。 まぁ「病原菌」の話なんかは、ハードカバー版がでた直後に読んだら、たぶん目から鱗やったんやろけ...
エピローグ残して放置してた、「銃・病原菌・鉄」をようやっと読了。 面白かったんだけ、ちょっと期待値あげすぎちゃってたな… 目から鱗な話がいろいろあるかと思ってたけど、そうでもなかった。 まぁ「病原菌」の話なんかは、ハードカバー版がでた直後に読んだら、たぶん目から鱗やったんやろけどなぁ この本の影響だと思うけど、この10年でいろんなところで聞いちゃったんでねぇ。 あ、大陸が横に広がってるほうが、文明伝搬に有利ってところは、なるほどなぁでした。 事例の上げ方は懇切丁寧で、それはダイアモンドさんの学問的な誠実さのあらわれだと思うんで非常に好感は持てるのですが、実際読んでると冗長に感じちゃうんよねぇ… ヨーロッパ人が世界を制覇したのは文明の育まれた環境によるもので、人種的に優越性があったわけじゃないというが本書を通じて著者が明らかにしたかった点で、何度も繰り返し述べられるわけですが、日本人からすると、そりゃそうちゃう?って感じなんよねぇ。 あれだけ何度も繰り返すってことは、やっぱり白人社会じゃ白人優越の偏見って強いんやろなぁと思った次第。 山形浩生氏の訳した日本についての補遺も読んでおこう http://cruel.org/diamond/whoarethejapanese.pdf
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これ、本当にオススメ!面白くて、最後大事に大事に読んだ。エピローグにある「なぜ中国はヨーロッパのように主導権をにぎれなかったか?」という疑問に対する答えは実に興味深かった。
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本書のタイトルが、著者が現在の状態に人類が形成された理由の主なものであることをあらわしているという意味で、読まずとも概略は把握できる。後はひたすらに、古代史の発掘や自然環境の変遷のあとをたどり、少しずつ根拠を章をおうごとに根気よく積み重ねていくことで自身の主張を補強していく。 ...
本書のタイトルが、著者が現在の状態に人類が形成された理由の主なものであることをあらわしているという意味で、読まずとも概略は把握できる。後はひたすらに、古代史の発掘や自然環境の変遷のあとをたどり、少しずつ根拠を章をおうごとに根気よく積み重ねていくことで自身の主張を補強していく。 その意味では単にうわべだけを知りたいのであればタイトルと最終章だけを見れば知的満足を得られる人はいるかもしれない。しかし、もう少し1万3千年前からの人類史にロマンを感じながら思いを馳せてみたいならば分厚い本をじっくりとかみ締めながら読み進めることをお勧めする。 やはり、人類が現在の世界情勢の根幹をなす経済、社会、文化、慣習などを生み出せたことに、どれほどに地球環境が影響していたかを思い知らされる。普通に生活するだけでは、温度・湿度・天候等の肌で感じる変化や、温暖化・自然災害などの目耳で見聞きする情報だけでしか感じない地球と私たちとの接点。しかし、実は今のライフスタイル、生活環境、文化、食べ物、居住地などもっと根源的な部分で私たちは地球に生かされているのだと実感できる。 私たちの祖先が苦しんで地球に生かされることの意味を身体に刻み、現代にまでつむいできた命なので私たちは経済や社会の行く末ばかりに気をとられてはいまいか。そして人間が自然や生態系には目もくれずに、人間にだけ目を向けやすくなってはいないか。著者が最後で結ぶ人類史を解きほぐし、我々が過去から学べることの大切を訴える箇所に強く感じ入ることができるのは、最初から最後まで読み続けてきた方が味わえるご褒美だと思う。それが、後々深い刻印となって刻まれる次代への戒めでもあるのかもしれない。
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「幸福な民族はどれも似たようなものだが、不幸な民族はいずれもそれぞれに不幸なものである。」本書に書かれているアンナ・カレーニナの原則をもじったものであるが、本書の要点もこれであらわせられると思う。 すなわち、ヨーロッパや中国などは東西に長い(そのために食料や情報の伝播に有利な)...
「幸福な民族はどれも似たようなものだが、不幸な民族はいずれもそれぞれに不幸なものである。」本書に書かれているアンナ・カレーニナの原則をもじったものであるが、本書の要点もこれであらわせられると思う。 すなわち、ヨーロッパや中国などは東西に長い(そのために食料や情報の伝播に有利な)ユーラシア大陸にあり、肥沃な三日月地帯には栽培に適した植物や、家畜化に適した大型哺乳類がいた。一度、狩猟採集民族から農耕民族へ変化を遂げれば、余剰生産物から軍隊・政治機構・科学者といったものを作り出せるし、家畜と接して生活することで病原菌に対する耐性もつくようになることから、「銃・病原菌・鉄」といった武器を手にして他民族を征服できた。 大筋は理解できるが、やはり欧米人の書いた歴史書だけあって、「肥沃な三日月地帯」がいかに素晴らしいかに重点をあて(まるで神の祝福があったかのよう)、中国やインド文明についてはそれほど触れられていない。また、農耕民VS狩猟採集民というパターンから説明されることが多く、遊牧民の存在は忘れ去られたかのよう・・・ 問題は多いが、ある種の面白さのある本ではあった。
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