共喰い の商品レビュー
小説は,簡潔で分かりやすさを求められるビジネス文書とは違い,作家が自らの世界観を文章を通して伝えようとするため,独特な文章で表現されることがあります。それは,読者によって捉え方は異なり,同じ文章でも読みにくいと評価されたり,文章力が高いと評価されたりすることになります。 単純な文...
小説は,簡潔で分かりやすさを求められるビジネス文書とは違い,作家が自らの世界観を文章を通して伝えようとするため,独特な文章で表現されることがあります。それは,読者によって捉え方は異なり,同じ文章でも読みにくいと評価されたり,文章力が高いと評価されたりすることになります。 単純な文章でも,その周囲や背景,心理などを細かく描写することにより,一つの文章が長くなり,それについていけるか,ついていけないか,つまり,読者側の読解力によってその評価は変わってくるのではないかと思います。 芥川賞受賞作品は,受賞後,批判的な評価も多くなる作品が多いと感じますが,それは選考側と読者との読解力の差によるものが原因なのではないかと思います。 田中氏の小説は,内容やストーリーはともかくとして,他の表現では決して伝わらない圧倒的な文章が魅力ですが,僕個人的にはついていくのが精一杯です。油断すると字だけを追って頭に入っていかないときがあります。
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父を殺そうかどうか迷っているオイディプスに代わって 母親がしゃしゃり出る話 いわゆる「セカイ系」批判であり 老いた戦闘美少女(右手は義手)が普通の女に戻る話でもある だが結果的に主人公自身は、何も変わってないような気がする…
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共喰いはかなりインパクトのある物語だった。 血がつながっているから、親のようになるのではないかという不安。 たとえ父親がいなくなっても、次の世代へと果てなく繰り返され、抜け出せなくなるような感覚になった。
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いかにも芥川賞という感じの、暴力と性を現した作品。 作者の言動からして、この人がこの作品を書いたんだと納得。
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えげつなさを生々しく描写している。いつも通りの上手い文章表現だと思います。この作家の「正直さ」「純粋さ」「素直さ」が私のお気に入りです。
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あの話題になった会見をみて、面白そうな人だと思ったけれど。 石原慎太郎氏ではないけれど、「さらば、芥川賞」。 このところ、最近の芥川賞作品を読んできたけれど、 しばらく、離れることにします。 ストーリーのぶれない軸が全然見えてこない。 でも、文章は上手だなあ・・・・。
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二話収められています。 暴力と性、死について書かれています。 読後感は良くないですが、背景がしっかりと描写されています。
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ミーハーなので読んでみたくて図書館で借りました。 第一印象はいかにも芥川賞を意識した作品だなーってこと。会見の席ではあんなこと言ってたのに本当は狙ってたんじゃん!と言いたい(笑) 純文学って娯楽性より芸術性に重きを置くっていうけど、それには必ず性と暴力がつくものなのかしら?読み手としては辛いです。 あとはとにかく出鼻から昭和63年という時代設定に違和感を覚えました。63年って来年から平成よ。 それと、短編だから仕方ないとも言えるけどその雰囲気作りの描写に終始していた分、登場人物の人物像があまり見えてこなかった・・・ 芥川賞作品&あの会見だったから、純粋に本を楽しむのではなく、なんだか著者の実力を探るような読み方をしてしまいました。 それよりも、一緒に収録されている「第三紀層の魚」の方がよかった。 曾祖父の死を受け止めて、少年が少し大人になり、それでもまた人生は続いていく、みたいな地味な雰囲気の話なんだけど、少年の大人っぽさ幼さが入り混じってもやもやした感じが上手にあらわされててほほえましかったです。
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芥川賞を受賞して、「もらっといてやる」と言い放った田中 慎弥氏の作品。 表題作の「共喰い」と「第三紀層の魚」の2作品収録。 「共喰い」の方は、正直読んでいて不快となったし、先も読めた。。。。 「第三紀層の魚」の方が読んでいて、面白かった。 寝たきりの曾祖父と少年のやりとり、...
芥川賞を受賞して、「もらっといてやる」と言い放った田中 慎弥氏の作品。 表題作の「共喰い」と「第三紀層の魚」の2作品収録。 「共喰い」の方は、正直読んでいて不快となったし、先も読めた。。。。 「第三紀層の魚」の方が読んでいて、面白かった。 寝たきりの曾祖父と少年のやりとり、そこで起こる色々な感情の変化、生きるということの厳しさが表れていた。
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性と暴力を描いた、受賞時の作者のコメントが話題となった芥川賞作品。 見せてもらおうか!田中慎弥の自信の根拠とやらを! ってことで、多分好みの作品ではないのかなと思いながらも、やっぱり気になっていたので読んでみました。 これはなんというか、非常に評価しづらい小説ですね。 よかっ...
性と暴力を描いた、受賞時の作者のコメントが話題となった芥川賞作品。 見せてもらおうか!田中慎弥の自信の根拠とやらを! ってことで、多分好みの作品ではないのかなと思いながらも、やっぱり気になっていたので読んでみました。 これはなんというか、非常に評価しづらい小説ですね。 よかったと絶賛することも、つまらないとバッサリ斬り捨てることもできない。普通かといわれると普通とはいいたくない。少なくとも何も残らなかったという本ではない。好きか嫌いかと言われれば好きではない。 評価は...うーん、★3あげるから貰っといてくれ!(笑)
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