道化師の蝶 の商品レビュー
難解ではない。感覚として共通する部分が確かにある。 読みにくいとの批判が多いが、上のような理由により読んでいておもしろいと思える作品だった。
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確かに、なにか始まりそうな気がするが、見えてこないストーリー。読者に読ませる工夫がなさすぎ、これは怠慢に近い。
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本書の単行本には、『道化師の蝶』と『松ノ枝の記』の2作品が収録されている。2作品とも主人公をはじめ、登場人物の像が抽象的である。抽象的なのは人物だけではない。物語の設定もどこか幻想的で、現実社会と離れた曖昧模糊な世界である。 例えば、『道化師の蝶』には着想を捕える補虫網が描かれ、そこから世にも不思議な道化師のような蝶が現れる。 また、『松ノ枝の記』では、一人の人間の脳機能が二人に分けられた作家が出てくる。作家の脳の中では、性別の違う「わたし」が居て、彼が文字を書き、彼女が文字を読む。 独創的な2作品のうち、私は『松ノ枝の記』のラストが好きだ。 近くて遠い位置にある彼女と彼の記憶が一つに繋がる場面は、新しい世界が広がるような爽快感がある。
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芥川賞作品てことで読んでみたが、共喰いとはかなり毛色が違った。ある選考委員は「2回読んで2回とも眠った」らしいが、その気持ちがわかる感じで、現状では難解な文章で疲れたというのが感想。サイン本だし、売らずにそのうちまた読んでみようと思う。
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良く言えば前衛的、斬新。悪く言えば理解できない。 構成が難しくてストーリーが入ってこない。まるで日本語をパズルのようにして遊んでいるような感覚に陥った。物語よりも、その日本語遊びを楽しむような作品。
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文章はスラスラ読める。しかし残るのは煙に巻かれたような感覚で、話は随分と入り組んでいて複雑。しばらくしたらまた読み返したい。
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言わずと知れた芥川賞小説。変わった小説だが、こういうのは芥川賞らしくていいと思う。理解しようとするのではなく、楽しめばいいのでは?
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芥川賞受賞作。 帽子をすりぬける蝶が飛行機の中を舞うとき、「言葉」の網が振りかざされる。希代の多言語作家「友幸友幸」と、資産家AAエイブラムスの、言語をめぐって連環してゆく物語。 言葉に関心がある人にはかなり楽しめると思うが、ストーリーが若干追いづらいかもしれない。 どこか...
芥川賞受賞作。 帽子をすりぬける蝶が飛行機の中を舞うとき、「言葉」の網が振りかざされる。希代の多言語作家「友幸友幸」と、資産家AAエイブラムスの、言語をめぐって連環してゆく物語。 言葉に関心がある人にはかなり楽しめると思うが、ストーリーが若干追いづらいかもしれない。 どこかで意味が網から逃げ出してしまっていると思うので、また時間をあけて読んでみたい。
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評判がよくなかった割にはすらすら読めた。 日頃考えては消える思考を、理路整然と語れてしまうのはすごいと感じた。 でも、まあ、世界に入り込むのは難しかった。
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『道化師の蝶』は、円城塔の小説である。 「誰も使わなくなった言語」で書かれた小説を巡って、数人の「わたし」が世界の構造について探求する。 正直、非常に説明しづらい内容の小説である。物語に一貫性はなく、そもそも物語として成立しているのかが分からない。蝶のようにふわふわと宙を舞っているかのような印象を受けた。 所謂内容の理解ということに重きを置いた小説ではなく、小説の新しい姿勢を提示しているのではないか。 掴みどころのない浮遊感が持つある種の心地よさを与える小説だと感じた。
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