道化師の蝶 の商品レビュー
スタイルだけが際立って、胸打つ処は何もない。年を取ったからでしょうか?期待していたけれど最後まで馴染めなかった。
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初円城作品。面白いなあ、これ。全然意味わかってないと思いますけれど。言葉の使い方とか、発想が素敵じゃないですか。それで面白いって言っても怒られませんよね? だって、面白いし。 意味わからない=つまらない、ではないと思います、小説って。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
3冊目の円城塔。 前に読んだピンクとイエローの短編集に比べるとかなり分かりやすいと言うか入りやすい気がする。いきなり時間が無限に分岐したりしてないし、巨大コンピュータが履歴改竄の応酬で戦争したりしてないし、情報と自分の間にある透明な何かに関しての記述が出てきたりしないし。 でもそういうウルトラファンタジックな設定で目を眩まされないと、改めて「これは文学なの?」と首をかしげたくなる。 なんていうか、頭の体操的な本があったとして、そこに出てくるエピソードが面白かったとして、その本を読んで何か感銘を受けるものがあったとして、それを「文学」と呼ぶのかどうかということ。 文学という舞台においては斬新過ぎて、それが「斬新である」という以上の評価は(賞の選定者のコメントや書評を見ても)まだ誰にも出来ていない感があります。
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第146回芥川賞受賞作。選者の黒井千次氏が「難しくて、読んでいる時寝てしまった」と言っていたのでかなり身構えたけれど、超面白いではないか(笑)「鶏が先か卵が先か」の様な話から始まり、次第に時間や場所が入り乱れ、最後には“わたし”もあやふやになり、自分が何を読んでいたのか分からなく...
第146回芥川賞受賞作。選者の黒井千次氏が「難しくて、読んでいる時寝てしまった」と言っていたのでかなり身構えたけれど、超面白いではないか(笑)「鶏が先か卵が先か」の様な話から始まり、次第に時間や場所が入り乱れ、最後には“わたし”もあやふやになり、自分が何を読んでいたのか分からなくなる。この浮遊感がたまらない。でも、こうして読者を突き放すくせに、物語の所々に作者の痕跡もちゃんと残してあるところが、また面白い。
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狸に化かされた…いや、道化師に眩まされたのだろうか。 頭の良い方向けなのか。 読み深めていったらまた違う感想が出てくるのか。
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美しい終わり方だったなあ。 円城さんの作品をはじめて読んだのはたぶん3年くらい前なんだけど芥川賞受賞をきっかけに「後藤さんのこと」を読み、受賞作のこの作品を読み今更ながらにはまってきました。
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確かに新しい香りを感じる本であり、また文章としても洗練されている。 一度読んだ時の理解できたのか理解できていないのか分からない不可解な気持ちこそがまさにこの本の醍醐味であると思うが、幾度か読み返すうちに理解出来てしまったとき、この本はその意味を失う。
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みんな絶対石原さんがケチョンケチョンに言ってるのに引っ張られてるだけだよー。これ面白いよー。 石原さんはつまらない言葉のあやとりと称したけど、それは納得な表現です。これはあやとりなのだ。私は存分にあやとりを楽しみました。小説があやとりだっていいじゃないかYO 表を用意して、いろ...
みんな絶対石原さんがケチョンケチョンに言ってるのに引っ張られてるだけだよー。これ面白いよー。 石原さんはつまらない言葉のあやとりと称したけど、それは納得な表現です。これはあやとりなのだ。私は存分にあやとりを楽しみました。小説があやとりだっていいじゃないかYO 表を用意して、いろいろ考えながら読みたくなる、私にとってはどこまでもあやとりでした。あやとりなんだけど、文章に「やだ味」がないというか、読みやすかったです。わくわくしました。よく眠れました。
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表題作『道化師の蝶』は状況のよくわからないまま無理矢理読み進めていたが、最後まで読むと作者の組立ての力に驚かされる。 『松ノ枝の記』は表題作より読みやすい構成になっているが、どちらの作品でも圧倒的な「言葉」に踊らされてしまう。 作者が言葉を大切に丁重に取り扱う人なのだという事を感...
表題作『道化師の蝶』は状況のよくわからないまま無理矢理読み進めていたが、最後まで読むと作者の組立ての力に驚かされる。 『松ノ枝の記』は表題作より読みやすい構成になっているが、どちらの作品でも圧倒的な「言葉」に踊らされてしまう。 作者が言葉を大切に丁重に取り扱う人なのだという事を感じさせられる、丁寧な作り。 言葉の渦どっぷりと浸って翻弄されながらじっくり読む作品。
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