人間にとって科学とはなにか の商品レビュー
図書館で借りた。 ノーベル賞を受賞した湯川秀樹氏と、『文明の生態史観』等で著名な梅棹忠夫氏の対談録。 2人の対談ってだけでも興味がそそられるが、その内容が深い。「科学とはなにか」湯川氏も非常に困ったような反応も多く、「科学者の立場で下手なことは言えないぞ」という反応がうかがえる。...
図書館で借りた。 ノーベル賞を受賞した湯川秀樹氏と、『文明の生態史観』等で著名な梅棹忠夫氏の対談録。 2人の対談ってだけでも興味がそそられるが、その内容が深い。「科学とはなにか」湯川氏も非常に困ったような反応も多く、「科学者の立場で下手なことは言えないぞ」という反応がうかがえる。「ノーベル賞の天才科学者も悩むのだなぁ」と感じ、その点でも面白い。 また、ふたりとも京都に馴染みが深く、関西弁が時折出てきたり、ローカルな話題にも入っていくのも興味深い。 雑誌の企画くらいの感覚で読み進められる。非常に楽しい本でした。 この本が中公クラシックスというのも意外だ。
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図書館で借りて、実はまだパラパラとしか読んでないけどこの本が私に必要すぎて今度買うことにした。 梅棹せんせいの言う通り、情報の蓄積がある意味では科学の楽しみを奪っているというのは感覚的にはその通りだと思うけど、だからこそもっと時間をかけて私が色々考えたい。
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多くの示唆にシビれる1冊。50年前に草食男子を予見していたり、パラダイムの概念を暗示するような発言があったり。 科学を相対化して考えるのにもってこい。
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科学的探求の根本原理は、真理の探求であって、究極的にはその無目的生、価値不在にいきつく。科学の成果は発見され、しかるのちに、目的と価値が人間によって与えられることになる。ハーバーマス的な言説でいうと、生活世界とシステムが分離していくように、科学もあるとき人間の手から離れるような...
科学的探求の根本原理は、真理の探求であって、究極的にはその無目的生、価値不在にいきつく。科学の成果は発見され、しかるのちに、目的と価値が人間によって与えられることになる。ハーバーマス的な言説でいうと、生活世界とシステムが分離していくように、科学もあるとき人間の手から離れるような瞬間がある。思惑とは別に、それ自体が生命を持っているかのように自己増殖していく。人間にとって、科学とはなんであったのか。どうあるのか。将来においてどうあるべきなのか。今一度問い直す必要があることは間違いない。
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