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秘書綺譚 の商品レビュー

3.7

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    6

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2023/10/23

コツコツ光文社古典新訳文庫の時間です うーんやっぱり古典は当たり外れが大きいなぁ 「芥川龍之介、江戸川乱歩が絶賛したイギリスを代表する怪奇小説家の傑作短篇集。」とのことなんだけど、驚きみたいなんはなかったかな もっとじっくり読むとまた違うのかな? ただ短篇集は非常に多種多様...

コツコツ光文社古典新訳文庫の時間です うーんやっぱり古典は当たり外れが大きいなぁ 「芥川龍之介、江戸川乱歩が絶賛したイギリスを代表する怪奇小説家の傑作短篇集。」とのことなんだけど、驚きみたいなんはなかったかな もっとじっくり読むとまた違うのかな? ただ短篇集は非常に多種多様だったのと、描写力も高く、詩的表現もあったりして 怪奇小説の教科書、文例集みたいな感じがしました 年内に怪奇小説を書く予定のある人には非常に参考になると思うのでお勧めです(そんな奴おらんわ!いや決めつけ良くないわ!いややっぱ少なくともそんな人はひまわりめろんのレビューなんか読まないわ!)

Posted byブクログ

2022/07/29

 1906年から1923年に書かれたアルジャーノン・ブラックウッドの短編を集めたアンソロジー。  ブラックウッドといえば、どの作品だかもう分からないが(本書にも入っている「秘書奇譚」かもしれない)高校生の頃読んでひどく衝撃を受け、「これは凄いかも」と思ったことがある。しかし、その...

 1906年から1923年に書かれたアルジャーノン・ブラックウッドの短編を集めたアンソロジー。  ブラックウッドといえば、どの作品だかもう分からないが(本書にも入っている「秘書奇譚」かもしれない)高校生の頃読んでひどく衝撃を受け、「これは凄いかも」と思ったことがある。しかし、その後創元推理文庫『ブラックウッド傑作選』を読んでみると、そんなにショッキングなところはなくむしろ「ふつう」っぽくてがっかりしてしまった。あの時の「衝撃」というのは、その短編では恐怖小説の骨格ばかりが肉を落とされて露出し、その小説システムの露見が極めてラジカルなものに思えたのだ。骨格が露出するとともに、登場人物はハリボテ人形のような無機質な存在と化してしまう。その非-人間化のプロセスに衝撃を受けたのかもしれない。そうした非-人間化は、やはり私の好きなE. T. A. ホフマンの幾つかの短編にも見られるし、それを突き詰めてあっち側に飛躍してしまったようなのが、カフカの作品と言えるかもしれない。  本書で久しぶりにブラックウッドの怪奇短編を読んでみると、この作家の文章力はあまり良くないなと感じた。ちゃんと筋の通った文章ではあるが、何となく、リアルな描写という近代小説の必須な要素がしばしば置いてけぼりになって、小説と言うより神話的な語り口に見えてくるのだ。ラヴクラフトあたりと比べても、しっかりと描写を重ねていくところが物足りなく、一気に怪異の中心に飛び込んでしまうようなせっかちさが気になる。このせいで若い私に「骨格の露出」という印象を与えたのだろう。  本書前半の方の幾つかの作品は現在から見ると「あまりにもオーソドックスなホラー」という印象があるが、まあ、そういうスタイルを築き上げた古典的作品であるのかもしれない。  しかし特に本書後半はバラエティに富んだ感じがする。結構豊かな引き出しを持った作家だったのかも。あまり丹念に描写しない傾向が、ちょっと惜しい気がする。

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2022/03/26

ジム・ショートハウスが主人公なのは、空家/壁に耳あり/秘書奇譚/窃盗の意図をもって 「小鬼のコレクション」この部屋では、小さくてピカピカ光るものがなくなる。後でこっそり返ってくるところが可愛らしい。 ブラックウッド作品では、幻想と怪奇の「柳」が好きです。

Posted byブクログ

2018/07/12

説明できないけど何だか気味悪い、どうにもあの家や部屋や人が、理由はわからないけど我慢ができないのよ、という感じは誰しもあると思う。ホラーというには大袈裟であり、江戸時代の小豆洗いのような生活に密着した、避けようのない恐ろしさ、そういう気張ってない日常的な奇怪さを感じました。ジム・...

説明できないけど何だか気味悪い、どうにもあの家や部屋や人が、理由はわからないけど我慢ができないのよ、という感じは誰しもあると思う。ホラーというには大袈裟であり、江戸時代の小豆洗いのような生活に密着した、避けようのない恐ろしさ、そういう気張ってない日常的な奇怪さを感じました。ジム・ショートハウスという人物が出てくるのを集めたようで、この人がわざわざ厄介ごとに興味を示して向かってゆく描かれ方が、愉快な調子で良かった。後書きには、あたりはずれの多い万華鏡のような作者だそうで、うまいこという。

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2018/04/08

ジム・ショートハウス物を全篇収録。解説でも書いてある通り、佳作揃いでどれを読んでも面白かった。クラシカルな怪奇モノではありますが、バリエーションに富んだ品揃えで。 あと、解説で芥川や乱歩のブラックウッド好きに触れてます。早くから日本に紹介されてた作家なんですよね-。

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2016/08/31

冒頭の「空家」が結構苦手な怖さで耐えられるかと心配になったが、あとは比較的好きなタイプの怖い本。 「壁に耳あり」やっぱ壁が膨らむところが怖い。 「スミス―下宿屋の出来事」ラブクラフト的? 「約束」これ好き。冷たいスコーンとか妙にリアル。 「秘書綺譚」壁の絵が怖い。狂気。 「窃盗の...

冒頭の「空家」が結構苦手な怖さで耐えられるかと心配になったが、あとは比較的好きなタイプの怖い本。 「壁に耳あり」やっぱ壁が膨らむところが怖い。 「スミス―下宿屋の出来事」ラブクラフト的? 「約束」これ好き。冷たいスコーンとか妙にリアル。 「秘書綺譚」壁の絵が怖い。狂気。 「窃盗の意図をもって」他のアンソロジーで読んだ。どれもそうだが、おかしくなった人の描写がリアルで本当っぽいのでぞわぞわする。日本の古典怪奇映画っぽいというのかな。 「炎の舌」ちょっと面白かった。自分でも気をつけよう。 「小鬼のコレクション」小鬼というよりフェアリー。きれい。 「野火」1回スルーしてしまった。改めて読んで詩に近いかなと。 「スミスの滅亡」切ない。 「転移」これがいちばん好きかなぁ。町とか地面とか人でないものが意識を持っているというのは私もそう思うときがあるので共感できるのです。 解説によると明治大正期に愛された怪奇小説。何編かに登場するショートハウス氏は解説を読むと自身の経歴をなぞった人物(破産状態で新聞記者にとか)。

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2016/05/17

「空家」は何度読んでもゾクゾクします。 ビジュアルではなく、音や触感で感じる恐怖。 私にとっては最高傑作です。 けれど他のどの作品もブラックウッドらしい美しくもの悲しい雰囲気の中、恐怖や不思議が絶妙に描かれていて読みごたえがあります。

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2014/10/02

幻想怪奇小説好きだけど幽霊ものはあまり読みたくない小心者、でも光文社古典新訳文庫の南條氏訳のは全部読みたい好奇心。というわけでやっと秘書綺譚を手に取った。幽霊譚でも<約束>はわりと好き。他は<スミス―下宿屋の出来事><小鬼のコレクション><転移>が好みだった。幻想・怪奇・神秘・恐...

幻想怪奇小説好きだけど幽霊ものはあまり読みたくない小心者、でも光文社古典新訳文庫の南條氏訳のは全部読みたい好奇心。というわけでやっと秘書綺譚を手に取った。幽霊譚でも<約束>はわりと好き。他は<スミス―下宿屋の出来事><小鬼のコレクション><転移>が好みだった。幻想・怪奇・神秘・恐怖小説を程よく楽しめる、ブラックウッド入門になる一冊だった。

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2014/09/06

スタンダードな幽霊譚や幻想的な「転移」「野火」。どれも恐ろしい感じはしないのだけど、不思議と登場人物の表情や暗い風景がありありと浮かぶ。とりあえず、ジム・ショートハウスは怖い思いし過ぎだと思います。 単純に私の感覚的な問題かもしれないけど「ホラー」という言葉には日本の小説がしっく...

スタンダードな幽霊譚や幻想的な「転移」「野火」。どれも恐ろしい感じはしないのだけど、不思議と登場人物の表情や暗い風景がありありと浮かぶ。とりあえず、ジム・ショートハウスは怖い思いし過ぎだと思います。 単純に私の感覚的な問題かもしれないけど「ホラー」という言葉には日本の小説がしっくりきて、「怪談」は欧米の古い作品がしっくりくる。

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2013/01/20

「幻想怪奇」という言葉に惹かれて。 一つ一つの話が「アレは何だったんだろう?」という後味の悪さを残して終わっていく。特に表題作「秘書綺譚」のアレは何だったろう?感が凄い。こういう引っかかる感じが、本読みにはたまらない。 確かに幻想怪奇な傑作が詰まった素晴らしき1冊。江戸川乱歩...

「幻想怪奇」という言葉に惹かれて。 一つ一つの話が「アレは何だったんだろう?」という後味の悪さを残して終わっていく。特に表題作「秘書綺譚」のアレは何だったろう?感が凄い。こういう引っかかる感じが、本読みにはたまらない。 確かに幻想怪奇な傑作が詰まった素晴らしき1冊。江戸川乱歩が絶賛しただけあるなぁ…。

Posted byブクログ