木練柿 の商品レビュー

あさのあつこ【著】

2012/05/28

やっぱり、やっぱり、私は信次郎が好きだーーー！
しゃべり方が、口調が、江戸時代ってことを考えるととってもかっこいい！
解説にも書いてあったけど、信次郎って、実際いたらめっちゃ嫌なヤツなんですよね。でも、何故か読者は信次郎を好きになってしまう・・・。私も、あさのさんの罠にはまっちゃいましたよ。
あ、あと、少ししか出てこないけど、太助も地味に好き。

話の内容はね・・・、実はあんまり覚えてないって言うか、印象がないというか・・・。おこまが無事に帰ってこれて良かったと思います。あと、信次郎が清之助に刀を向けるとは思わなかった。周りから見たら非常識な行動なんだろうけど、それも格好良く見えてしまうのは私が異常だからなのでしょうか・・・？（泣

2012/05/07

シリーズ3作目、短編集。前2作を先に読んでおいたほうがいい内容。

「楓葉の客」
遠野屋で働く女中のおみつがかつて嫁いでいたお店で働いていたという若者が接触してきて…。おみつが遠野屋という店のことを心底大切に思っているのだと伝わってくる。

「海石榴の道」
小間物問屋である遠野屋が主催となっている、他業種との合同商い。そのうちのひとりが浮気相手に呼び出されて出向くと、女は既に死んでいた。
女の愚かさと弱さ、怖さ。それらを描くのがうまい作家さんだと思います。新しい商売がしたいという思いを燻らせていた若い主人達のやりとりが心地いい。

「宵に咲く花」
岡っ引・伊佐治の家庭を舞台にした騒動。息子の嫁は幼い頃から昼顔が恐ろしくて堪らない。そのことが切っ掛けで過去の事件が明らかに…。

「木練柿」
遠野屋の一人娘おこまが誘拐されるが犯人からは一切の連絡が届かない。おこまはいったい何の為に攫われたのか…。
人を殺しつづけてきた清之介はおこまの存在に救いを見出すが、それは同時に弱みを曝け出してしまうことにもなるのだと悟らされる。

2012/04/12

弥勒の月から始まった遠野屋清之介と同心木暮信次郎のシリーズ第三弾。今作は表題作で刀を捨てて商人となった清之介にとって最大の弱点を曝すこととなった。娘だ。最後、信次郎は清之介に問う。この先、娘をたてにその剣の腕を振るえ、人を斬れと脅されたときおまえはどうするのかと。清之介は決して刀を拾うことはないという。その上で娘も守ると。信次郎はそれを信じない。けれど私は清之介を信じる。彼ならばそれもきっと成し遂げると。今作も抜群の安定感。表題作には心を動かされたがミステリとしては伊佐治親分のところのお嫁さんが巻き込まれた夕顔の話が好き。

2012/02/17

大好きなシリーズ3作目
今回は4編からなるお話

清之介の周りで起きる事件
そして同心の信次郎
相反する反面とても良く似た二人のやり取りが羨ましくもあり
ヒヤリとさせられる

2012/01/31

『弥勒の月』に始まるシリーズ三作目。短編集。
文章が美しく、また読みやすい。江戸のしっとりとした情緒と人情、人間の抱える闇を描きながらも、したたかさと切なさをを感じさせる大好きなシリーズ。
遠野屋の過去が語られて、また続刊を期待する。

2012/01/28

性格が悪いが頭が切れる同心・小暮信次郎と刀を捨てた商人・清之介の緊張感のある関わりが、二人を取り巻く人々に関わる事件を追いかけることで、少しずつ変化してゆく。
これから二人の関係がどうなってゆくか楽しみです。

2012/01/27

読み始めてしばらくは、どんな世界か？？な感じだったけれど、
思い出しましたよ。小暮のだんなと清さんの世界を。ゆったりした関係や緊張した関係や二度とない関係が形を変えて表れる。この二人はこの先どうなっていくのだろう

いつも最後に解説を読むと「ふ～～ん。あぁそうなんだ」が多いんだけれどこの解説を読んだ後は「そう　そう　そうだよね。私もそう思います！」でした♪

2012/01/24

あさのあつこさんの描くお江戸の世界はけっこう好き。随所に人生の教訓のような一節が含まれるのも〇。せつなくてしんみりくるストーリーが多くてこの先も楽しみ。

2012/01/21

内容（「BOOK」データベースより）
あの男には力がある。人を惹き付け、呼び寄せ、使いこなす、それができる男だ。娘は、男から刀を受け取り、抱き込みながら何を思い定めたのだろう。もう後戻りはできない。月の下でおりんは「お覚悟を」と囁いた。刀を捨てた商人遠野屋清之介。執拗に事件を追う同心木暮信次郎と岡っ引伊佐治。時代小説に新しい風を吹きこんだ『弥勒の月』『夜叉桜』に続く待望のシリーズ登場。

2012/01/18

読んでいると自然と背筋が伸びている。弥勒の月シリーズはそんな力があると思います。清之介の闇。どんな感じなのか味わってみたいけど、自分をしっかり持っていないと飲み込まれていくだけなんでしょうね。それでも、彼の傍で働くのは気持ちがいいんだろうなぁ。