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作家の使命 私の戦後 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2021/02/20

図書館にて借りた本。 山崎豊子の作品の制作背景について作者自身が語った本。彼女は取材を徹底的にしており多少のフィクション要素はあるものの史実に則って書かれている。よってかなり歴史の勉強になると感じる。 沈まぬ太陽では勧善懲悪では終わらず、主人公は再びアフリカへ左遷されてしまう。...

図書館にて借りた本。 山崎豊子の作品の制作背景について作者自身が語った本。彼女は取材を徹底的にしており多少のフィクション要素はあるものの史実に則って書かれている。よってかなり歴史の勉強になると感じる。 沈まぬ太陽では勧善懲悪では終わらず、主人公は再びアフリカへ左遷されてしまう。これが意味するのは、「どんな逆境であっても、明日を約束する心の中の沈まぬ太陽を持たなければならない」という作者のメッセージである。 彼女の作品のテーマとして「戦争と平和」があるらしい。しかし私自身は、山崎豊子の作品のテーマは「主人公の気概」であると思う。主人公それぞれが礼に反することなく謙虚で確固たる信念や理想を持っている。加えてどんな逆境にも屈しない精神力がある。そんな主人公を見てこれこそが日本人男子の理想ではないかと思う。 節目節目で彼女の作品を読み、理想の原点に立ち返りたいと思う。

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2020/07/06

「沈まぬ太陽」や「二つの祖国」「大地の子」など、執筆にかける思いやエピソードなどを著者である山崎豊子氏自身が語る。 取材にかけるエネルギーの凄さに恐れ入る。

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2019/12/07

作品執筆の苦労がよくわかった。複数掛け持ちで作品を手がけることなく、綿密な取材に注力した。名を挙げ、特に胡耀邦総書記との面談が叶った後は、自ら大作家然として、取材の依頼相手に「私を、そこらの作家と一緒にしないで下さい!」と怒鳴ったという場面には、少々鼻白んだ。2019.12.7

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2019/06/10

『花のれん』『白い巨塔』『華麗なる一族』『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』『沈まぬ太陽』『運命の人』等、多くは社会問題を鋭く抉る作品を世に問い続けてきた作家の気の遠くなるような取材の苦労等の執筆の裏側を書いたエッセイ。 もっとも著者は社会問題に挑むという勇ましい気持ちより、如...

『花のれん』『白い巨塔』『華麗なる一族』『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』『沈まぬ太陽』『運命の人』等、多くは社会問題を鋭く抉る作品を世に問い続けてきた作家の気の遠くなるような取材の苦労等の執筆の裏側を書いたエッセイ。 もっとも著者は社会問題に挑むという勇ましい気持ちより、如何に強烈な人間ドラマ描けるかを追い求めてきた結果だと言う。 一方で、著者は、参考とした資料をほとんど脚色せず作品に反映させたため、盗作との指摘を資料の執筆者から何度も受けている。 最初は「花宴」で盗作の嫌疑を受けて、「日本文芸協会」から脱退した。(後に再入会) その後も「不毛地帯」「大地の子」で同様の問題が持ち上がっている。 ただこのような盗作問題があるにも関わらず、彼女の作品は何度も、映画やTVでリメイクされ続けているのは、そのような問題を乗り越える魅力に満ちているのだろう。 不死鳥のような作家である。

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2018/11/28

最近の書店に並んでいる吹けば飛ぶような小説、読む気がしない。 大地の子に感動した中国の友人に刺激を受けて読んだ。山崎豊子、こんな作家はもう出ないだろう。

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2015/11/18

もう既に何度も読んだ内容であったが、最後の章のみ面白い。私をそこらの作家と一緒にしないで下さい!山崎豊子はそこらの作家じゃないわな。面白い

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2013/04/18

山崎豊子氏の各作品に込めた思い、取材での苦労話や必然的ともいうべき人びととの出会い等が面々と綴られおり、一気に読破しました。色んなことを考えさせられました。「作家の使命」とは、まさにそれを言い得ているタイトルだと思いました。 山崎豊子氏の作品は、ほとんど読んでいたつもりでいました...

山崎豊子氏の各作品に込めた思い、取材での苦労話や必然的ともいうべき人びととの出会い等が面々と綴られおり、一気に読破しました。色んなことを考えさせられました。「作家の使命」とは、まさにそれを言い得ているタイトルだと思いました。 山崎豊子氏の作品は、ほとんど読んでいたつもりでいましたが、まだ読んでいない作品を早速、注文しました。

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2012/10/21

量がないと質は高まらない。とは言うけれど、じゃあ寡作の国民的作家・山崎豊子はどうなるの?と思ったが、よく考えてみると、創作においてとんでもなく大量の取材を重ねている。恐るべき記者魂。やっぱり量がないと質は高まらない。 男以上に男の世界(特に嫉妬)を知っている山崎豊子が自作を振り...

量がないと質は高まらない。とは言うけれど、じゃあ寡作の国民的作家・山崎豊子はどうなるの?と思ったが、よく考えてみると、創作においてとんでもなく大量の取材を重ねている。恐るべき記者魂。やっぱり量がないと質は高まらない。 男以上に男の世界(特に嫉妬)を知っている山崎豊子が自作を振り返る。ファンには興味深い一冊。

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2012/05/06

以前から山崎豊子さんの小説が好きで、「どんな過程を経て作品を作っているのだろう」という興味があった。本書の中に「人間はその時代の社会との結びつきで動いているものだから、社会史的な背景をもって書くべき」とあって納得。どの作品も、舞台と登場人物が事前に構造的に練られている。そして何よ...

以前から山崎豊子さんの小説が好きで、「どんな過程を経て作品を作っているのだろう」という興味があった。本書の中に「人間はその時代の社会との結びつきで動いているものだから、社会史的な背景をもって書くべき」とあって納得。どの作品も、舞台と登場人物が事前に構造的に練られている。そして何よりも取材量の多さは想像以上で、この徹底力が他との差なのだなぁと実感。読んで良かった。

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