体育科卒の英語教師 の商品レビュー
中学校の英語教師54歳の自伝エッセイ。「英検一級取得」では、英検1級を50歳目前で取得するまでの苦労話を含めた体験談をなぜ大学が体育科なのかという話から書かれている。「まさかの学級崩壊」は30代後半で自信にあふれていた著者が経験する学級崩壊や、うつについての話。 学級経営に関...
中学校の英語教師54歳の自伝エッセイ。「英検一級取得」では、英検1級を50歳目前で取得するまでの苦労話を含めた体験談をなぜ大学が体育科なのかという話から書かれている。「まさかの学級崩壊」は30代後半で自信にあふれていた著者が経験する学級崩壊や、うつについての話。 学級経営に関する本をamazonで探していた時に、たまたま見つけて衝動買いしてしまった。1時間くらいのうちに全部読めてしまう内容だったが、前半の「英検一級」の話は自伝の域を超えていない内容で、読んでもあっそう、という感じだった。読みたかったのは「まさかの学級崩壊」の話で、30代半ばから40代というのは仕事がバリバリできる立場で、なぜ学級崩壊というようなことが急に起こってしまうのだろうというのが知りたかった。 結局、プライドが高い著者による高圧的な指導、というのが原因ということだろうか。「以前の私は、人生を肯定的に考え向上していく自分をイメージし、積極的に生きることについて書かれた自己啓発の本が好きで、『サクセス=成功』という言葉は、自分のためにあるようにさえ思っていた」(p.121)って、そんな人おれも嫌だよ、って感じだった。だいたい自己啓発の本とかおれは嫌いだし。「掃除のときは、膝をついて生徒と一緒に床磨きをした。」(p.89)、「今はこうして床磨きをしているのかと思うと惨めな思いだった」(p.90)のところは、え~、教師が生徒と一緒に掃除するなんて当たり前じゃん、とか思った。こういうおれとの意識の違いは年齢の差によるもので、学級崩壊に至った理由は、大雑把に言えば著者が時代についていけてなかった、ということなのかなあ、とも思った。いずれにせよ、何の解決の糸口も見つからないまま人事異動で別の学校に行き、環境が変わってその後はうまくいきました、という幕切れになっていて、物足りない。だいたいこの著者の略歴も何も提示されていないのが不思議だ。(12/11/1)
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