野いばら の商品レビュー
よくできた話ではある。生麦事件あたりの日英関係や江戸・横浜あたりの様子もイメージできるようになる。ただ、登場人物の造形やストーリーはありがちで、海外出張のビジネスマンに免罪符を提供するような語り口が、どうも自分の趣味にあわない。日経小説大賞受賞ということについては、妙に納得した。
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幕末の横浜に赴任した英国軍人エヴァンズが、簡素な暮らしの中で高度に洗練された日本人の美意識に心を奪われていく過程の描写がたまらなく美しく、そしてせつない。時空を超えた物語の展開も秀逸だが、もう少し余韻に浸れるような結末を用意して欲しかったのが本音である。この点を差し引いて☆4つ。
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幕末の混乱期に日本へ赴任した英国軍人と彼に日本語を教える事になった武家女性の物語。開国に向けて、やがては維新に向けて混乱し騒然とした巷の雰囲気とは対照的な二人が過ごす寺院での静謐な雰囲気。 日本にあった”良きもの”を英国人の主人公が述懐する場面には感慨深さがある。 己の分を知り日...
幕末の混乱期に日本へ赴任した英国軍人と彼に日本語を教える事になった武家女性の物語。開国に向けて、やがては維新に向けて混乱し騒然とした巷の雰囲気とは対照的な二人が過ごす寺院での静謐な雰囲気。 日本にあった”良きもの”を英国人の主人公が述懐する場面には感慨深さがある。 己の分を知り日々の暮らしに満足し誇りを持って仕事をする。 西洋的な考えだけでは測りきれない幸福の表現は今でも通じるのでは。 音楽と花についての美しい表現をはじめ、文章の美しさに圧倒される。 ただし、現代の部分はちょっと唐突で繋がりが感じられない。 ラストシーンのためだけに無理につなげたような印象があるのが残念。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
時空を越えた設定、着想と、冒頭からの文章力、展開力に思わず引き込まれるところは素晴らしい。しかし、中半、後半にかけての中だるみ感とエンディングの物足りなさがあり、読後感は、あまりスッキリとはしませんでした。ただし、文章力が素晴らしいので、次回以降の作品に期待大です。
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静謐。 一言で表すとしたら、この言葉以外にはない。 身分を越え、国境を越え、時を越え。「想い」がそこに永遠に咲き誇る様に、素直に感動する。 稚拙な表現だけれど、「自分が今そこにいるかのよう」に思える作品。 静かに流れるような文体が、読み手の心を落ち着かせてくれるからこそだと...
静謐。 一言で表すとしたら、この言葉以外にはない。 身分を越え、国境を越え、時を越え。「想い」がそこに永遠に咲き誇る様に、素直に感動する。 稚拙な表現だけれど、「自分が今そこにいるかのよう」に思える作品。 静かに流れるような文体が、読み手の心を落ち着かせてくれるからこそだと思う。 昨今の『バカ売れ本』にはない、素晴らしい本に巡り会えた。
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[コメント] NHK BS「週間ブックレビュー」2012/01/21 6:30- 久間十義氏紹介 [関連リンク] 週刊ブックレビュー: http://www.nhk.or.jp/book/review/20120121.html
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評判が良さそうだったので、読んでみましたが読む価値ありです。 読んでいるうちに、どんどんと引き込まれます。
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ワタクシモニゴザイマス 同じものを同じように美しいと共感できる人に出会えるって素敵なことだと感じました。 それに当たり前にある日本の風景や文化も、外国人からみるととても美しいものとして映るのかと誇らしく思うと同時に、私自身ももう少し日本の文化や歴史について学んでみたいと思えるよう...
ワタクシモニゴザイマス 同じものを同じように美しいと共感できる人に出会えるって素敵なことだと感じました。 それに当たり前にある日本の風景や文化も、外国人からみるととても美しいものとして映るのかと誇らしく思うと同時に、私自身ももう少し日本の文化や歴史について学んでみたいと思えるような本でした。
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日本開国前夜、イギリス将校・エヴァンズと 彼の日本語教師・由紀の、古く美しい恋物語。 由紀の兄が言うところの 「百回生きても使い切れないほどの富を追い求め、 まだ満足しないような化け物になる競争に参加する」 ことになってしまった今の日本を、強く考えさせられる。
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新年早々、とてもいい本に出会いました。 とにかく表現が綺麗。 21世紀のイギリスにて、たまたま趣のある庭を持つ家と遭遇する一人の日本人。 彼はそこで「日本人に読んでほしい」としたためられた一冊の日記に出会う。 その中には・・今から150年前、幕府の軍事情報探索の命を受けて日本に...
新年早々、とてもいい本に出会いました。 とにかく表現が綺麗。 21世紀のイギリスにて、たまたま趣のある庭を持つ家と遭遇する一人の日本人。 彼はそこで「日本人に読んでほしい」としたためられた一冊の日記に出会う。 その中には・・今から150年前、幕府の軍事情報探索の命を受けて日本に派遣された一人のイギリス人がある日本人女性に抱く切ない恋心が描かれています。 彼らはお互い好意を抱くものの、背負う任務もあり、お互いがその気持ちを秘めたまま日々をともに過ごします。 「同じものを同じように美しいと感じる。それだけがどれほど人を満たすことだろう。分かち合うことができれば、苦痛でさえ、ときにわれわれに活きる意味を与える。」 ・・ほんとにそうですね。 「この世には二種類の人間がいる。すべての問いには答えがあると信じて疑わない人間と、この世界が答えのない問いにあふれていることに黙って耐える人間と。」 最近、答えのない問いがあることに気付いた感じのする私にとって、この本に出会ったタイミングもちょうど良かった気がします。
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