野いばら の商品レビュー
文章上手いな しっとり時間が流れていく。 過去と現在を行きかうことで つらい結末もすべて遠い昔の事と 甘い余韻が残る。
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のいばらの象徴ともいうべきひとが最後を遂げた。幕末ある役目を背負い最後には自分の気持ちに忠実に生きた人がユキさん。エバンズとのこと。縣のかつての知り合いであるツカサさんと偶然であった。ロンドンの田舎
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日経小説大賞受賞作というので企業小説のような話かと思っていたら、これは恋愛小説だったんだ。 久しぶりにこんな恋愛小説を読んだ気がするなぁ。
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図らずも、立て続けに幕末の日本人女性と外国人男性の恋愛ものを読むことになった。 この時代の女性は、本当に楚として慎ましく、かつ、凛として描かれている。物語の良し悪しは、そのストーリーよりも、登場する日本人女性の良さが影響しているのではないだろうか。何となく、男性作家が持つ、古き...
図らずも、立て続けに幕末の日本人女性と外国人男性の恋愛ものを読むことになった。 この時代の女性は、本当に楚として慎ましく、かつ、凛として描かれている。物語の良し悪しは、そのストーリーよりも、登場する日本人女性の良さが影響しているのではないだろうか。何となく、男性作家が持つ、古き日本人女性へのオマージュが感じられる。 静かに美しく物語は進み、最後は儚く終わる。 現代の物語も並行して描かれているが、幕末ものだけで十分だったのではないか?幕末を舞台にした物語だけで、十分読み応えがあると思う。
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ワタクシモニゴザイマス ちょうど同時並行で読んでいた八十日世界一周と同じ時代背景で、どちらがどちらの本か分からなくなった。 爽やかで清らかな物語。 少し物たりなさはあるものの、楽しめた。
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読み続けるのに努力が必要でした。 面白くないわけではないけれど・・・ 現代はいらないような気もしました。 完全に時代劇とするか、現代を入れるならばもう少し 書き足すか。
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時空間の移動が巧み。表現しきらないところに想像力がはたらく。遺伝子とかDNAと言わず綿毛と種子でつないだところが粋。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今年読んだ本でベスト。オックスフォード近郊の庭園から幕末の生麦事件後の横浜にタイムスリップ。イギリス武官エヴァンスと攘夷派に通じていると思われる聡明な日本語教師由紀との愛の行方が抑制がきいた筆致で描かれます。文章が素晴らしい。景色、花、人物が活き活きと描写され本の中に入りこんでしまいます。二人の愛の象徴である野いばらの群生、匂いに最後圧倒されました。また江戸時代の日本文化の質の高さ、規律、清潔もエヴァンスの目から語られています。映画化を期待したい作品です。読後無性に藤沢周平を読みたくなった。
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幕末の不穏な空気の中で、日本語を習うということで知り合ったイギリス人エヴァンズと武家の離縁された女人ユキ。決して結ばれることのない運命の二人に通う静謐な時間と情感の美しさは素晴らしい。それを現代の視点で振り返るという二重構造はあんまりいいとは思わなかった。
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読み進むほどに切なく、そしてあたたかな気持ちになった。 もの言わぬ「吉次」が多くを語らぬ二人の間で重要な役目を果している。 子孫の女性と縣、そして縣と昔の知人の出会いもエッセンスとなっている。 昔読んだ、つげ義春の漫画を思い出した。 久しぶりに読み終わるのが惜しいと思う作品に...
読み進むほどに切なく、そしてあたたかな気持ちになった。 もの言わぬ「吉次」が多くを語らぬ二人の間で重要な役目を果している。 子孫の女性と縣、そして縣と昔の知人の出会いもエッセンスとなっている。 昔読んだ、つげ義春の漫画を思い出した。 久しぶりに読み終わるのが惜しいと思う作品に出合った。
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