さよなら!僕らのソニー の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本を代表するメーカー、ソニー衰退の裏事情。 かつてのソニーは、高品質な製品を作る代表的な企業として有名だったが、創業者亡き後、徐々にその評判が低下し現在では普通の電機メーカーになってしまった。長年ソニーを取材し続けてきた著者は、経営の度重なる方針転換が現在の状況を招いたと考える。時代をリードする技術を持ちながら、それを製品に生かせなかったこと。時代の流れを読み切れず、ユーザーの志向の変化についていけなかったこと。創業時の指針に反し、メーカーでありながら、コンテンツビジネスを重視したことで、核となる収益手段を失ったことが要因と指摘する。経営者が会社を纏めきれないことも原因としている。 著者は、様々な問題を抱えて、昔のような優秀な製品を生み出すソニーは戻ってこないと考えている。 若い頃、ソニーの製品を買った人達は、みんな誇らしげでした。ソニーは高性能の代名詞で、高価でなかなか手が出ないので、持っている人が羨ましかった記憶があります。また、優秀な企業として、多くのビジネス書に成功例として採り上げられていたのを思い出します。しかし、創業者が相次いで亡くなった頃から、革新的な製品が出なくなり業績が悪くなってきている印象があります。この本を読むとその理由が判るような気がしました。 (追記)2021年現在、ソニーは大復活を遂げました。1兆円の利益を挙げて、この本に書かれた時代とは大きく変わりました。この本のタイトルは「さよなら、昔のソニー」に変えた方が良いかもしれません。ビジネス本は難しい、、。
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近年でSONY製で買ったものといえばPSPしかありませんでした。昔はいろいろ買ったのに…。SONYがこういう風になったのもグローバル化のためなので、寂しいけど、まあしょうがないですね。
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そもそも、僕はSONYをアメリカや何かの会社とばかり思っていた。社名然り、アメリカ人CEOなどの印象が強かったせいだ。加えて、保険などやたら手広く事業を行っている企業、という印象もあった。筆者ではないが、少し前のSONYといえばやはり音楽機器の印象が、僕には強い。iPodの台頭以...
そもそも、僕はSONYをアメリカや何かの会社とばかり思っていた。社名然り、アメリカ人CEOなどの印象が強かったせいだ。加えて、保険などやたら手広く事業を行っている企業、という印象もあった。筆者ではないが、少し前のSONYといえばやはり音楽機器の印象が、僕には強い。iPodの台頭以前は良くMP3プレーヤーを使っていたものだった。様々な事業に手を出しはじめた頃から、僕はSONYという会社がよく分からなくなった。 テレビをはじめ、確かに今は、ハードの売上は見込めない時代に来ている。SONYだけではない。他多くのメーカーについても同じことが言える。SONYがソフト面を強化しよう、という考え方は時代の中の必然だ。だが、SONY世代をはじめとするSONYファンが求めているのは、手広く事業を拡大するアメリカ的企業の姿ではなく、愚直にものづくりに専念し、皆を驚かせるような商品を世に送り出そうとする、その『姿勢』なのではないだろうか。SONYの盛衰を綴る筆者の文章からは、そんなSONYへの期待と愛情が滲み出ていたように僕には思われた。
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そういう事だったのだねえ~トリニトロンでブランドを確立し,ウォークマンで神話が生まれ,WEGAで神話が復活したものの,ソフトに走って,技術を捨てた。井深大と盛田昭夫は頭脳と技術で祖国の復興に挑戦し,操業グループの岩間和夫,大賀典雄と続いたトップは1995年に東京通信時代を知らない...
そういう事だったのだねえ~トリニトロンでブランドを確立し,ウォークマンで神話が生まれ,WEGAで神話が復活したものの,ソフトに走って,技術を捨てた。井深大と盛田昭夫は頭脳と技術で祖国の復興に挑戦し,操業グループの岩間和夫,大賀典雄と続いたトップは1995年に東京通信時代を知らない出井伸之が社長になり,日本に住まないストリンガーが大きく舵をきった~ソニーを日本の会社だと思うのはやめましょう
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ウォークマンに代表される「技術のソニー」ブランドは、なぜかくも凋落してしまったのか。 大賀さん、出井さん、ストリンガーさん、最近の経営陣の話を中心に、経営の失敗がいかに企業ブランドに影響を与えるか、その恐さが見えてきます。 井深さん、盛田さんの話やソニーの素晴らしさの話、設立...
ウォークマンに代表される「技術のソニー」ブランドは、なぜかくも凋落してしまったのか。 大賀さん、出井さん、ストリンガーさん、最近の経営陣の話を中心に、経営の失敗がいかに企業ブランドに影響を与えるか、その恐さが見えてきます。 井深さん、盛田さんの話やソニーの素晴らしさの話、設立書からはじまり、出井さん、ストリンガーさんの話でクライマックスを迎えます。 ソニーに対して、遠慮なく悪いところは悪いと言っているところが本書の良いところでしょう。
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ひとつの企業が存続して利益を上げ続けるというのは大変だなぁと。 ソニーの経営戦略、よく分からないが大丈夫かなぁと。 筆者は辛らつなことを書くだけソニーブランドが好きで好きで仕方なかったんだろう 説得力がすごくある。 でもいかんせん、私にはソニーブランドへの信頼も愛着もさほどな...
ひとつの企業が存続して利益を上げ続けるというのは大変だなぁと。 ソニーの経営戦略、よく分からないが大丈夫かなぁと。 筆者は辛らつなことを書くだけソニーブランドが好きで好きで仕方なかったんだろう 説得力がすごくある。 でもいかんせん、私にはソニーブランドへの信頼も愛着もさほどないので「ふーん 大変なんだ」で終わってしまった
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会社の人に借りて読みました。SONYって、今の日本で有数の、優秀な人材が揃っている会社と思うんだけど・・・。古今東西、集団や組織の問題の困難さって変わらない、って事と、日本の右肩上がりの経済成長の時代は終わったんだろうけど、自分も含めて、人の意識って変わるのが難しいなあ、って事を...
会社の人に借りて読みました。SONYって、今の日本で有数の、優秀な人材が揃っている会社と思うんだけど・・・。古今東西、集団や組織の問題の困難さって変わらない、って事と、日本の右肩上がりの経済成長の時代は終わったんだろうけど、自分も含めて、人の意識って変わるのが難しいなあ、って事を思いました。
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SONYの創業から現在までの栄枯盛衰が描かれている。 最後の数行が、非常に残念ではあるけど、この著者の本音に共感する人は多いと思う。 SONYの経営方針の変化の理由をを、経営トップの人となりにだけに求めるのはナンセンスだと思いながらも、著者の、SONYに対する思い入れに引きずら...
SONYの創業から現在までの栄枯盛衰が描かれている。 最後の数行が、非常に残念ではあるけど、この著者の本音に共感する人は多いと思う。 SONYの経営方針の変化の理由をを、経営トップの人となりにだけに求めるのはナンセンスだと思いながらも、著者の、SONYに対する思い入れに引きずられ先を読まされる。 ある意味、主観的なレポートとも言える。 人も企業も、他人や社会から期待されなければ、成長しにくい。 著者のようなSONY信仰者とでも言うような人たちが離れて行きつつあるなかで、今後、SONYがどのように変化して行くのか、関心が高まる一冊でした。
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SONYの創業から現在までの栄枯盛衰が書かれた本。まさに「さよなら!僕らのソニー」です。井深さん、盛田さんが創業したときは、技術の可能性をとことん追求し、かつその先にある夢のある憧れの生活を顧客に提供し続けていた。そこにはSONYへの特別な憧れや信頼が存在していた。日本国民がSO...
SONYの創業から現在までの栄枯盛衰が書かれた本。まさに「さよなら!僕らのソニー」です。井深さん、盛田さんが創業したときは、技術の可能性をとことん追求し、かつその先にある夢のある憧れの生活を顧客に提供し続けていた。そこにはSONYへの特別な憧れや信頼が存在していた。日本国民がSONYに抱く特別な感情。あの頃、SONYはまだ「僕らのSONY」だった。転換期は、出井さん時代からはじまる。その頃から、「技術」から「エンターテイメント」へのシフトが始まっていく。そして、ストリンガーの時代に入ってそれが決定的になった。エンターテイメントへのシフトをするためのコストカットの名の下に、「技術のSONY」の差別化の源となっていた技術者や研究所はもちろん、製品への最新技術の搭載までカットされていった。そこには「技術」で他社を一歩も二歩も先にいっていたSONYの姿はない。さらには、その裏で私利私欲のために、資金が湯水のように流れていき、組織は崩壊していった。極めつけは、エンターテイメントへのシフトには成果もなければ、驚くことに戦略さえ存在してなかったのである。そこにはすでに「僕らのSONY」は存在しない。だからこその「さよなら!僕らのソニー」なのである。 その物語自体も非常にドラマチックに描かれていて面白いのだが、胸腺の源泉を見誤ること、コストカットの名の下に無駄の削減ではなく強みの消滅が進んでいくこと、トップにより組織が決まることなど、事業経営の怖さや落とし穴が、これでもかというほど鮮明に描かれていたので、学びにもなった。 面白く、かつ学べる本書は、読んで損はない本だと思う。
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この本を読んでいる最中に、例のソニーリストラがニュースになっていて、なかなかタイムリーなものを読んでるなあと実感。 タイトル通り、ソニーがいかにして今日のような状況になったのかと書かれている。 いわゆる迷走なのか、技術のソニーがそれ自体の方針を止めてしまったことが原因だと本書は指...
この本を読んでいる最中に、例のソニーリストラがニュースになっていて、なかなかタイムリーなものを読んでるなあと実感。 タイトル通り、ソニーがいかにして今日のような状況になったのかと書かれている。 いわゆる迷走なのか、技術のソニーがそれ自体の方針を止めてしまったことが原因だと本書は指摘している。 私自身、ソニーは別格だと考えない世代だし、景気もすごくいい訳ではないので、すべてがそうだとは思わないが、ただ大企業であっても中小零細企業であっても、会社は人次第(正確には、そのマネージ)ということは共通かと思える。特にソニーのような、『製品自体の圧倒的な差別化』がコンピタンスだった企業には尚更かと。
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