図説 ヨーロッパ100名城公式ガイドブック の商品レビュー
昨日読んだ日本100名城と同じシリーズもの。 公式ガイドブックといっても、これを選んだのはヨーロッパの団体ではなく、日本100名城を選定したのと同じ日本城郭協会ということなので、(う~む?)と思います。 現地ではほとんど効力が無さそうなリストですね・・・。 ともあれ、城郭のプロ...
昨日読んだ日本100名城と同じシリーズもの。 公式ガイドブックといっても、これを選んだのはヨーロッパの団体ではなく、日本100名城を選定したのと同じ日本城郭協会ということなので、(う~む?)と思います。 現地ではほとんど効力が無さそうなリストですね・・・。 ともあれ、城郭のプロの方々が選定したリストなので、どれも歴史的価値の高いものであることは保障されています。 ヨーロッパの城は、①軍事上の施設 ②城郭都市 ③大邸宅、ワインの醸造所としての3種類に分けられるとのこと。 日本よりもバリエーションが多いわけですね。 日本とヨーロッパの城は、まったく異なるように見えても、封建制をもとに、地元の農業社会を管理するものである点が共通しているそうです。 ヨーロッパ旅行をした時に、こだわって訪れたルートヴィヒ二世ゆかりの城は、すべて選から漏れていました。 城郭本来の軍事的意味を持たない、擬古城と見做されるのが原因のようです。 観光客と城郭専門家とでは、チョイスのポイントが違うことがわかります。 リスト内で、これまでに訪れたことがある城は、ウィンザー城、エディンバラ城、城郭都市ヨーク、カステルヴェッキオ(ヴェローナ)、スフォルツァ城(ミラノ)、シヨン城、アルハンブラ、城郭都市トレド、ハイデルベルク城、城郭都市ニュルンベルク、城郭都市ローテンベルク、テオドシウスの城壁(トルコ)、ブダ城、アンジェ城、アンボワーズ城、シノン城、ディフ城、モン・サン・ミッシェル城郭修道院、城郭都市カルカッソンヌ、モスクワのクレムリンの20城。 外観だけ見た城は、ロンドン塔、サンタンジェロ城、ホーエンザルツブルク城、クローンボー城、プファルツ城(ドイツ)、マルクスブルク城の6城。 モスクワのクレムリンは、イヴァン大公がミラノから建築家を招き、スフォルツァ城に似た様式で城郭を完成させたと知りました。 スフォルツァス家ゆかりの城はどれも城塞のような武骨なデザインですが、それがロシアに引き継がれたとは思いもよりませんでした。 マルセイユ沖のディフ城は(シャトー・ディフ)ですが、イフ城の方が通名ではないかと思います。 1560年にアンボワーズ城でギーズ公により行われた「アンボワーズの大虐殺」は、若き王、王妃とおつきのものは最後まで、新教徒1500人の処刑の臨席を強いられたそうです。 王の名の下で、実質的にフランスを支配していたという公の強さがわかるエピソードです。 サンタンジェロ城もモンサンミッシェル、二つを比べてみたことはありませんでしたが、どちらも守護天使ミカエルを祀っている建築物であることに気がつきました。 戦争目的としていない優美な城は省かれたリストであるため、紹介された城はどれも戦いの歴史を持つものばかり。 私はつい観光名所として城を見てしまうため、歴史的遺産としての本来の価値基準によって掲載された城のリストにとまどうこともありましたが、そのどれもがヨーロッパの歴史を伝え来る過去からの使者だと思うと、あらためて一つ一つに興味がわいてきます。 今回は、日本100名城版のように、巻末に専門用語インデックスは掲載されていませんでしたし、専門用語自体、それほど登場しませんでした。
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世界遺産(とりわけ文化遺産)が好きで、この本を手にとった。でも、私はどうもお城よりも教会やモスクの方が好きなのではないか…ということに、この本によって気づかされてしまった。100教会、100モスクの発刊をお待ちしています。
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