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呪いの時代 の商品レビュー

3.9

101件のお客様レビュー

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2015/09/07

「呪い」の言葉に満ちたこの世界を、もっと幸福な世界に変えていくためのポイントは、「祝福を与えること」と「贈与を活性化すること」の二つだという。 「私たちの意識を批判することから提言することへ、壊すことから創り出すことへ、排除することから受け容れることへ、傷つけることから癒すこと...

「呪い」の言葉に満ちたこの世界を、もっと幸福な世界に変えていくためのポイントは、「祝福を与えること」と「贈与を活性化すること」の二つだという。 「私たちの意識を批判することから提言することへ、壊すことから創り出すことへ、排除することから受け容れることへ、傷つけることから癒すことへ、社会全体で、力を合わせて、ゆっくりと、しかし後戻りすることなくシフトして行くべき時期が来たと私は思っている。」(p285、あとがきより) という内田先生の主張は、シンプルで力強く、しかも温かい。それはとても難しいことだけど、単なる理想論や観念論ではなく、そうすることが一人一人を、そして世界をもっと幸福なものに変えていくためのベターな道筋だと、この本を読んで深く共感した。

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2015/08/21

思考の厚さ、を感じた。 得難いヒントが多くあったが、閉じれば忘れてしまうだろう自分。本も映画も、いいものは繰り返し味わうべし。

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2015/02/01

共同体を弱くするような言動は慎み、贈与(金銭だけの話しではない)に励むのがよろしいのではないかと思いました。

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2015/01/03

中盤までは、様々な社会的問題を取り上げ著者なりの切り口で解説しており非常に面白い。 後半、思想本になってしまい残念。

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2014/12/01

ネットで人をdisることについて。ガダラの豚読んで呪いのあり方に興味を持ったので。いつもながらわかりやすくて共感できる内容だけどタイトル通りの内容は1章と2章だけなので1章と2章だけ切り出して300円ぐらいで売ってほしい。

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2014/09/13

なかなか読んでいて難しい論述である。 それでも、難しすぎるわけでもなく、興味深く読みました。身の周りで起きていることをもっと注意深く、感じ、分析し、考えていくことが大事だよなと改めて思いました。 ・ネット社会での誹謗、中傷、言葉の暴力がいわば呪いと化して人を蝕んでいる社会構造 ...

なかなか読んでいて難しい論述である。 それでも、難しすぎるわけでもなく、興味深く読みました。身の周りで起きていることをもっと注意深く、感じ、分析し、考えていくことが大事だよなと改めて思いました。 ・ネット社会での誹謗、中傷、言葉の暴力がいわば呪いと化して人を蝕んでいる社会構造 ・お金を回すことで経済が潤う。回すためには贈与の精神を強化する ・お祭りや宗教儀式は、単なる習慣でなく、それゆえに「恐れ」を身近に感じ、忘れないためのシステムとしての役割を果たしている どっかの雑誌の連載エッセイがベースになっており、テーマは散漫な印象、言い換えればバラエティに富んだ話題で楽しいとも言えますが。

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2014/07/12

内田樹さんの名前は最近ネットでよく見かけるのだが、著書を読むのは初めだ。しかも、初めての電子書籍。 内田さんは学術論文も書かれているようだが、このようなごく分かりやすい一般向けの書物を、徹底的にわかりやすく書いている。そのへんのタコ兄ちゃんにでもわかるような文章なので、普段学術書...

内田樹さんの名前は最近ネットでよく見かけるのだが、著書を読むのは初めだ。しかも、初めての電子書籍。 内田さんは学術論文も書かれているようだが、このようなごく分かりやすい一般向けの書物を、徹底的にわかりやすく書いている。そのへんのタコ兄ちゃんにでもわかるような文章なので、普段学術書を読んでいる私にしてはちょっと「あまりにも簡単すぎる」という感じを否めない。 しかも、全体の構成もちょっと甘いようだ。「呪いの時代」というタイトルどおりの内容なのは最初の方だけで、あとはまったく違う方向に話が展開していく。書かれた言葉=エクリチュールというよりパロール。博識なおじさんが若者に、多少酔っ払いながらうんちくをたれているような話しっぷりである。 最初の方の、ネットにはびこる憎しみの応酬について指摘している部分が最も共感できた。 「ネット上では相手を傷つける能力、相手を沈黙に追い込む能力が、ほとんどそれだけが競われています。もっとも少ない言葉で、もっとも効果的に相手を傷つけることのできる人間がネット論壇では英雄視される。」 このへんは2ちゃんねるの類の掲示板や、Twitterでのやりとりをそのまま表していると思う。 そして『ほんとうの私』という幻想のイメージが「肥大した自尊感情」として現代人の心に巣くっている、という第1章の指摘は優れている。 しかしその後、話は散漫に広がっていく。福島原発事故に関する話もなかなか面白かった(賛同できる部分が多かった)けれども、全体としては、少し賛同できるが他の多くの部分は首肯できない、という感想だった。 たとえば「これからは間違いなく贈与経済の時代になる」という確信は何に根拠があるのか。人類学の知のひとつの結晶として「贈与経済」という主題があることは私も理解しているが、「これから、近い将来」そんな経済体制の時代になるなどということは全く考えられない。中沢新一氏でさえ、理想として贈与経済を語ったものの、それが現代社会に復活するとまでは、明確には断言できなかったと思う。 私としては、資本主義経済を経て贈与経済に移行するなどということは絶対に起こりえないし、夢想しても意味はないという気がしている。 ともあれ、意見は部分的にしか一致しないとはいえ、わかりやすく書かれ、かつ、読者にいろいろと考えさせる本だし、総合評価としては良質な本だと思った。

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2014/05/21

ちゃんと理解できていなかったからかもしれないけど、難しい本だった。 全体を通して、今問題視されている様々な現象に関して、政治的な観点から原因を探って議論している印象、特に一貫したテーマはないように思った。 特に気になったのは、 ・人間の記号化による9.11同時多発テロなどの犯罪 ...

ちゃんと理解できていなかったからかもしれないけど、難しい本だった。 全体を通して、今問題視されている様々な現象に関して、政治的な観点から原因を探って議論している印象、特に一貫したテーマはないように思った。 特に気になったのは、 ・人間の記号化による9.11同時多発テロなどの犯罪 ・「天職」という概念による転職ビジネス ・原発を「荒ぶる神」として鎮める という話だった。 ネガティブな話題が多かったけど、過ぎたことに対してポジティブに向き合う姿勢がいいと思った。 意識したわけではないけど、この人の著書は二冊目だった(一冊目は生物の福岡教授との対談)ので、この人の本は俺に合うのかも。

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2014/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アカデミズムの浸透か、政治家の欺瞞か、批評屋が跋扈し、体制をあっさり覆すことに賛成の手があがる時代。 滋味深い提言が並ぶ。

Posted byブクログ

2014/03/16

自分が漠然と感じていることを、簡潔かつ分かりやすい言葉で表現している。この人の思考に触れららることに感謝^o^

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