検事の本懐 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
2022.4.21読了 佐方貞人シリーズ二作目。 一作目の『最後の証人』では弁護士であった佐方はいわゆるヤメ検であり、本作ではその検事時代の姿が描かれている。 計五篇の短編だが、連作となっているので長編を読む感覚で読めて最後まで飽きさせない。 佐方は最初から最後まで、事件を符号で見る事をせず、あくまで人間が起こすものとしてその背後関係を追う姿勢を貫く。そこに語られる人間ドラマに胸を打たれた。 次の作品『検事の死命』も楽しみ。
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連作短編集。 どれも面白かった。柚月裕子さんの天才ぶりが止まらない…。 ラストの「本懐を知る」は読み終わった後、放心してしまった。登場人物の優しさ、強さに圧倒される。兼先も記事にしなかった。取材結果を暴露したらスクープになったろうに…それをしなかったのは真実を知ってる人たちの本...
連作短編集。 どれも面白かった。柚月裕子さんの天才ぶりが止まらない…。 ラストの「本懐を知る」は読み終わった後、放心してしまった。登場人物の優しさ、強さに圧倒される。兼先も記事にしなかった。取材結果を暴露したらスクープになったろうに…それをしなかったのは真実を知ってる人たちの本懐に応えた優しさだったのだろうか。
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佐方、安心して読めて良い。基本的に良い人ばかり出てくるのも、心穏やかに読み進められて良い。昨今、肝が冷えるような悪事や悪意がとてもリアルに表現されている作品にあたることがしばしば。手に汗握るし大変面白いのだが、読後心が疲弊しているのに気づく。そんな作品とは対照的。でも事件は本格的...
佐方、安心して読めて良い。基本的に良い人ばかり出てくるのも、心穏やかに読み進められて良い。昨今、肝が冷えるような悪事や悪意がとてもリアルに表現されている作品にあたることがしばしば。手に汗握るし大変面白いのだが、読後心が疲弊しているのに気づく。そんな作品とは対照的。でも事件は本格的。そこも良い。
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いや面白かったんだけどね 主人公のキャラも良かったし でもなんかこう突き抜けたものがなかったというか平坦な感じを受けてしまって… 相性な気がする 自分と柚月裕子さんとのw
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上川隆也主演で2015年にテレ朝で2時間ドラマ化され、以後5作目までシリーズ化されている佐方貞人シリーズの原作の2作目。半年足らず前に再度読んだ1作目「最後の証人」で弁護士だった佐方がまだ検事だった頃の短編が5作収録。一部の短編はドラマ3作目の原作となっている。弁護士であろうが検...
上川隆也主演で2015年にテレ朝で2時間ドラマ化され、以後5作目までシリーズ化されている佐方貞人シリーズの原作の2作目。半年足らず前に再度読んだ1作目「最後の証人」で弁護士だった佐方がまだ検事だった頃の短編が5作収録。一部の短編はドラマ3作目の原作となっている。弁護士であろうが検事であろうが、佐方のマイペースぶりは変わらない。そして、彼の過去も明らかになる。広島県出身と云う設定なんだ
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柚月裕子作品。4冊目。 『佐方貞人』シリーズ第二弾を先に読んでしまった。が、第一弾の前の話とのことで問題は無いようです。検事時代の短編集。(第一弾の『最後の証人』を読まねば!) 検察官はこうあるべきだという姿をそのまま具現化した、佐方検事の在り方に、らしさを感じました。信念や強さ、折れないところ、に、今後の活躍が楽しみです ◆拳を握る:役所、官僚、会社員。組織で働くには、最後は、方針に従わなければならないのだろう。そして、意見を通すには上層部に上がるしかないのか?。従えない場合は、拳を握るしかないのか。辞めたくなる以外の解決策はないのか?これも袋小路。 ◆本懐を知る:恩人の秘密を墓まで持ってゆく3人の姿に、ふと、昭和の生き方のようなものを感じる。あるいは、それが人間本来の本懐だというのでしょうか。胸の内を曝け出すだけが生き方でないと。心に沁みる内容です。 気になったフレーズは以下: ★遠目から見れば一面緑の樹海でも、目を凝らせば一本一本の樹の集まりです。私たちの仕事は樹海ではなく樹を見なければいけない ★人間も犬や猫と同じだ。痛い目に逢わなければ、自分が悪いことをしたという実感がわかない。罪を犯しても罰せられなければ、罪の意識は生まれない。人はまっとうに裁かれなければ、罪を繰り返す。 ★あの人も本当は真面目な人だったのよ。真面目だから堕ちたのよ。 ★取り調べを受ける人間は参考人という記号じゃない。親が付けた名前がある人間です。相手に真実を吐かせようと思ったら、人間として向き合うべきでしょう ★わしは物心ついたころから、生きるためだけに働いてきた。じゃけんお前には、世のため人のためになる仕事をしてほしい、と。
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佐方弁護士には、このような検事キャリアがあったんだ。ヤメ検というと、ときにダーティーな荒稼ぎ弁護士が浮かぶけど、『最後の証人』での彼は理性的だった。そのルーツを知る。検事としても論理的に真相を見極める理性を備えつつ、情緒豊かで人を思いやる。人に寄り添うからこそ見える真実があるとい...
佐方弁護士には、このような検事キャリアがあったんだ。ヤメ検というと、ときにダーティーな荒稼ぎ弁護士が浮かぶけど、『最後の証人』での彼は理性的だった。そのルーツを知る。検事としても論理的に真相を見極める理性を備えつつ、情緒豊かで人を思いやる。人に寄り添うからこそ見える真実があるというのが正しいのかも。短編いずれも、うるっとくる。彼の性格ならば、確かに検事よりも弁護士の方が適任なんだろう。佐方シリーズ、検事編が続いているみたいだけど、弁護士編もよろしくお願いいたしたい。
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短編集で、第三者目線から主役が書かれます。 主役の検事が警察の調査で不審に思ったことをとことん調査して、本当はこうでしたよ。と、警察や上の人達にせつめいする時は、こちらもワクワクしました。 しかし、その相手は話が進むと大きな組織相手になっていきます。 それでも、同じように進め...
短編集で、第三者目線から主役が書かれます。 主役の検事が警察の調査で不審に思ったことをとことん調査して、本当はこうでしたよ。と、警察や上の人達にせつめいする時は、こちらもワクワクしました。 しかし、その相手は話が進むと大きな組織相手になっていきます。 それでも、同じように進めていき、違うものは違うという主役検事が好ましく思いました。
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「検事の本懐」第二作は、弁護士佐方貞人が検事だった頃のエピソードを集めた短編集。 第一作で見せた佐方のあくまでも実直な検事という仕事への取り組み方。その性格の根幹をなすものについての逸話。それらが、佐方貞人を形づくっているもの。 第三作を読むのが楽しみだ。
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あぁ いい物語に 出逢えたなぁ という 気持ちの良い 読後感に どっぷりと 浸ることが出来ました。 特に 「本懐を知る」が秀逸です。 ー人が人らしく生きること 小説だからこそ、 フィクションであるからこそ、 伝えることのできること なのでしょう 佐方貞人シリーズは これで二...
あぁ いい物語に 出逢えたなぁ という 気持ちの良い 読後感に どっぷりと 浸ることが出来ました。 特に 「本懐を知る」が秀逸です。 ー人が人らしく生きること 小説だからこそ、 フィクションであるからこそ、 伝えることのできること なのでしょう 佐方貞人シリーズは これで二冊目ですが 惜しみながら 慈しみながら ゆっくりと 次の「検事の死命」に 手をのばすことにします
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