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山に生きる人びと の商品レビュー

4.2

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

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2023/08/18

読みやすさ ★★ 面白さ ★★★ ためになった度 ★★★★ 山の中というと静かなイメージがあるが、実はさまざまな人びとがそこに住み、時には他の山の民や権力者たちと闘争しながら、生きていたことを知った。最後は弥生式時代人と縄文式時代人の対立の歴史にも言及するダイナミックな著作。 ...

読みやすさ ★★ 面白さ ★★★ ためになった度 ★★★★ 山の中というと静かなイメージがあるが、実はさまざまな人びとがそこに住み、時には他の山の民や権力者たちと闘争しながら、生きていたことを知った。最後は弥生式時代人と縄文式時代人の対立の歴史にも言及するダイナミックな著作。 何度かチャレンジして今回ようやく完読した。正直なところ、あまり読みやすくはない。その原因は長い段落の多いことがあるが、鉛筆片手に段落内で大きく意味が切れるところに印をつけながら読んでいくと、だいぶわかりやすくなった。久しぶりに読み応えのある本を読んだ。

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2023/08/11
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    -2023.08.11.読了 「古い縄文期の民族的な文化が焼畑あるいは定畑などを中心にした農耕社会にうけつがれ、一方水田稲作を中心にした農耕文化が天皇制国家を形成してくる。そしてこの二つのものはずっと後々まで併行して存在し、かつ対立の形をとったのでまなかろうか。」

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2021/02/11

私の中でサンカブームがやってきたときに購入。 定住せずにあちこちに居を移し、竹細工をして、川魚を食べ暮らしていた彼らの生活に思いを馳せながら読みました。 人間は結構自由な動物だなと思いなおした本。

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2018/10/20
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濃い本であった。 日本は単一民族の国という認識をあらためたところだけれど、農耕民族の国という認識も改めるべきかもしれない。

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2018/02/23
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実地調査に裏付けられた、相変わらずの生き生きとした文章。この筆者に取材された人は、きっととても幸せなんだろうなと思える。

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2017/08/09

(01) 山の可能性を描いている。一見すれば、本書は過去へのノスタルジーに支えられているようにも見受けられるが、著者が未来の未来を見据えたときに現われた山の生活(*02)と読むこともできる。交通、生産、信仰、闘争など山にありうる生き様を、著者が山を歩きまわるうちに出会ったものを根...

(01) 山の可能性を描いている。一見すれば、本書は過去へのノスタルジーに支えられているようにも見受けられるが、著者が未来の未来を見据えたときに現われた山の生活(*02)と読むこともできる。交通、生産、信仰、闘争など山にありうる生き様を、著者が山を歩きまわるうちに出会ったものを根拠に示そうとしている。 (02) この生活は過去の日本列島の生において一般なのか特殊なのかと考えたとき、その動的な可能性に力点が置かれている。つまり、人は山を生産手段も求めることもあるし、里に暮らすこともあり、そのときそのとき、その場その場で、しのいでいる人びとの選択や意志も見えてくる。そして人びとの移動が単一でない複合的な生活手段を開発(*03)している。この山稼業コンプレックスともいうべき器用さと技術が山の仕事に集積したという事実は面白い。 (03) 開発がもたらしたのは当然に資源の枯渇であった。獣、木、鉄などの資源が加工され消費地に流通され、山から資源が目減りしていった過程も本書に詳しい。むしろ、高度な加工や頻繁な交通は資源不足の常態化の上に築かれたものと見るべきであろう。

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2017/07/27

宮本常一氏の「山に生きる人びと」、1964.1刊行、2011.11文庫化、「海に生きる人びと」に次いで読了しました。農林水産業、農山漁村といいますが、平地での自給自足、農業よりかなり高度の技を要し収穫にバラツキがある漁業、そして林業の厳しさ、山に生きる人びとの暮らし・・・、なんと...

宮本常一氏の「山に生きる人びと」、1964.1刊行、2011.11文庫化、「海に生きる人びと」に次いで読了しました。農林水産業、農山漁村といいますが、平地での自給自足、農業よりかなり高度の技を要し収穫にバラツキがある漁業、そして林業の厳しさ、山に生きる人びとの暮らし・・・、なんとなく感じてはいましたが、この本を読んでよくわかりました。昔は物々交換本位制、今は流通の恩恵にあずかっていますが、「自分が自分の力で生きていく(大変さ)」という原点を忘れないようにしたいと思いました。

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2017/05/10

民俗学者である宮本常一氏の著書、人里離れた山中で暮らす人々について考察する作品。 人が山で暮らすようになった経緯は色々だが、もともと山で狩猟生活を行っていた民族は、焼畑による畑作へ移行する場合が多く、平家の落人のように平地から山間部へ移り住んだ人々は、棚田などで稲作を行う事が多...

民俗学者である宮本常一氏の著書、人里離れた山中で暮らす人々について考察する作品。 人が山で暮らすようになった経緯は色々だが、もともと山で狩猟生活を行っていた民族は、焼畑による畑作へ移行する場合が多く、平家の落人のように平地から山間部へ移り住んだ人々は、棚田などで稲作を行う事が多いそうだ。 山での職業も様々で、狩猟を行うマタギ、食器や民芸品を製作する木地屋、木材を切りだす杣人、鉄山で働く鍛冶屋や炭焼きなどなど、実に多種多様である。中でも木地屋が偽の文書で役人をだまし、全国各地で商いを行っていたという話や、江戸時代に酒の輸送で活躍した鴻池が、現代でもサントリーなど酒造メーカーとの取引が続いているのは大変興味深い。 論文タッチで記述されているので、文書的な面白さでは『忘れられた日本人』にはかなわないが、資料としては非常に価値の高い作品だと思う。

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2016/01/25

とてもよかった。宮本常一の本を読んだのは3冊目だが、一番心をつかまれた。山とか森とかについて書いているから、だろうか。 50年前の本で、「山に生きた」ではなく「山に生きる」と銘打つことができる時代であったことにジェラシーも感じさえするが、いやはやそうだとしても見事な見取り図である...

とてもよかった。宮本常一の本を読んだのは3冊目だが、一番心をつかまれた。山とか森とかについて書いているから、だろうか。 50年前の本で、「山に生きた」ではなく「山に生きる」と銘打つことができる時代であったことにジェラシーも感じさえするが、いやはやそうだとしても見事な見取り図である。 そしてまた俺自身が、各地の森や川に触れてきて実感できることも増えているからというのもあるのだろう。 塩の道としての川、信仰対象としての山…。 木曽の木材が姫路城再建や(墨俣であげるのを経て)南禅寺建立にも使われたということ。 サンカや木地屋が美濃山中にもいたということ、近江方面も含めて山沿いに回遊していたということ。 鍛冶屋や鉄山師や炭焼きのこと。多種多様な職が山(森)にはいて、でも次第に里におりてきたということ(特に、ダムによる水没や災害の影響により、しかも映ってきたあとはそれなりに新天地を気に入っていたりもする。。。) いずれ、山や森の暮らしも、単に林業とか木こりとかひとくくりにしてはいけない、と思った。また岐阜近辺も古くから様々に、山や森に根差してきたのだな、いろんな山の生き方があったのだな、と知った。 特に、木地屋の話を最近きいたり、鍛冶屋体験をしたりしたのも効いている。鍛冶屋に関していえば、木炭をとても多く使うということ(発見)とか、あるいは小屋の素朴さとか、ふいごの便利さとかの実感も、今にして思えば収穫。又、森を転々としながらろくろ等を使ってお椀等の製作にあたり、各地で小屋を建てていた木地屋のことも、興味が出てきた。本と体験とは、車の両輪であるよなぁ。

Posted byブクログ

2018/10/19

150110 中央図書館 狩猟、千枚田、漁り、塩の交易、サンカなど、昭和の途中までは、まだ普通に残っていた、山に暮らす人々の情景を、宮本風にスケッチしたものの集積とみえる。

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