乱反射 の商品レビュー
モラルの無さは法では取り締まれない。 この言葉は普段何となく感じてた事を言語化してくれた様な気がする。結局人間の根っこは自分さえ良ければそれで良いんだろうな。
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読むのに時間がかかった ページ数も多さと登場人物が多さと なにより複数人称で物語が進むので、自分が今誰なのか考えねばならず、疲れる本だった。 で、 誰も救われず、嬉しい結幕もなく、やるせない。 唯一、読み応えはあった。
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章がカウントダウンしていき、0まで350ページ。そこまで読み切ればそこから気持ちが良いぐらいしっかり回収します。
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面白かった。あらすじの事件は半分ぐらいになっても起こらず、途中まではこれらの話がどう繋がるのか?という感じだったが後半から一気に読んだ。 終始うっすらと嫌な気分で読んだ。でもこういう人達の考え方や行動ってあるあるだと思う。自分も含めて。 久しぶりに小説を読んだけど、楽しかった...
面白かった。あらすじの事件は半分ぐらいになっても起こらず、途中まではこれらの話がどう繋がるのか?という感じだったが後半から一気に読んだ。 終始うっすらと嫌な気分で読んだ。でもこういう人達の考え方や行動ってあるあるだと思う。自分も含めて。 久しぶりに小説を読んだけど、楽しかった。 こういう面白い本が世の中にまだまだ無限にあると思うと、やはり読書は最高な娯楽。
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以前ドラマで見た事があった気がして何となくおもしろかった印象で未読であった原作を今回読んでみました。 結論、とても考えさせられて普段の自分の行動を見つめ直すきっかけにもなりました。 日常で深く考えずに行っているような些細なズルい、後ろめたい行動が複雑に絡み合った時、もしかした...
以前ドラマで見た事があった気がして何となくおもしろかった印象で未読であった原作を今回読んでみました。 結論、とても考えさせられて普段の自分の行動を見つめ直すきっかけにもなりました。 日常で深く考えずに行っているような些細なズルい、後ろめたい行動が複雑に絡み合った時、もしかしたらなんの罪もない人を殺してしまう可能性だってあるという話です。 正直、自分が登場人物の加害者側だったらこの本の人たちと同じように自分に責任は無いと被害者に隙を見せない為に主張してしまうのだろうなと思います。 被害者側だったら主人公のようには冷静には考えられず、もしかしたら加害者達?と言っていいのか分かりませんが、一人一人に復讐的な事をしてしまっているかも知れません。 主人公の息子を自分の娘と置き換えて想像してしまい非常にムカつき、落ち込み、加害者側達に対する憎悪が止まりませんでした。 最後には若干救いのあるような終わり方で良かったですが、これを読んだからと言って周りに何も迷惑を掛けずに、完全潔白な人生を送るということも本当に難しいのだろうなと感じました。 それだけ人間の意志というのは弱くて脆いものなんだろうと思います。 読んで日が浅い今は、ズルい自分が出てきた時に気を引き締めなくてはと思えてはいます。 今後はどうでしょうか? たぶんいずれ忘れて普段と同じ弱い自分に戻るのだろうなぁと感じています。
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「未必の故意」を残酷に描いた長編。 本書の最後のパートで、「ノンフィクションでは描けないこと」「小説だから可能なこと」が理解できた。ノンフィクションが必ずしも事実を描けるわけではないのだ。 前半は無関係の人物たちの日常を描いているため退屈に感じた。ストーリーとしても繋がらないの...
「未必の故意」を残酷に描いた長編。 本書の最後のパートで、「ノンフィクションでは描けないこと」「小説だから可能なこと」が理解できた。ノンフィクションが必ずしも事実を描けるわけではないのだ。 前半は無関係の人物たちの日常を描いているため退屈に感じた。ストーリーとしても繋がらないので、散漫な印象。 だが、後半に入り、事故が起きたポイントからバラバラの人生が収束していく。視点人物の新聞記者が独自調査を進めていく流れから、個々人の些細なルール違反の連鎖が重大な事故を引き起こした事実が浮き上がってくる。 前半の退屈さは後半のパズルのために必要なパートなのだ。
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久々の読書に初めて読む作家をチョイス。 ストーリーは我が子を失った加山がその原因を追求していくという内容だが、かなり残酷である。 事実関係だけを見ればたまたま診断を怠った街路樹が強風で倒れ、運悪く息子が下敷きになってしまったという表現が正しいはずである。 しかし、なぜ街路樹は診断されなかったか、なぜすぐに緊急外来で処置が施されなかったか、なぜ、なぜ…を全て追っていくと多くの人間の「まあ、これくらいなら」が詰まっていて、それぞれの人物が思い思いに「責任は私にはない」という主張がやるせなさを増幅させる。
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ひとつひとつは些細なものでも積み重なると時には人を殺すこともある「法では裁けないモラル違反」に警鐘を鳴らした作品。 600ページの長編だが半分を過ぎても事件が発生しないスローペースで、出てくるのが短絡的で自己中な行動をする登場人物ばかりのため読んでいてフラストレーションが溜まり、後味もあまり良くはない。 ラスト20ページの勢いはよく、それまで子が死んだ要因となった他者の行動を糾弾していたが、実は自分も同じようなモラル違反をしていたと気づき、冒頭の主人公の懺悔に繋がるという構成は良い。(冒頭で提示しているため驚きはしない) ただ社会派の作品であり、モラル違反に対する警鐘を鳴らした内容であるにも関わらず所々でリアリティを損なっていたり、善悪の線引きが曖昧な部分があり、そこがどうしても気なってしまった。 また、作者的には狙って書いた訳ではないかもしれないが、後半で加山が子どもを亡くした要因をひとつずつ見つけ出し糾弾していくパートは、私刑を行う人が目立つようになっている今の時代に読むと、作品発表当時とはまた違った感想を持つのではないかと感じた。 以下、具体的に気になったところ ・医師の久米川が患者である安西の個人情報を外部の人間に漏らしている(モラル違反どころか情報流出なのにお咎めなし) ・榎田克子が車を放置してしまった原因のひとつは家族が麗美を甘やかし意見を通し続けてしまったことであり、麗美や両親の理不尽な言動を描写しているにも関わらず麗美や両親にはお咎めなし ・p345で小林が古い糞以外は回収したとあるのに、p351では足達が木の幹に排泄されたばかりの新しい糞があると視認しており矛盾が生じている ・本来生活環境課で受ける苦情電話を受付の判断で、担当でもない道路管理課が受け対応までさせられている(普通は該当部署の職員が戻り次第対応を依頼する運用が多いと思われるため、生活環境課がその日に対応できず、そのうち木が倒れてしまったくらいで収めた方がリアリティを保てる)
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ちょっとした出来心でやったそれぞれの行いが取り返しのつかない事になってしまう、読んでいてずっとモヤモヤしてしまう話だった。けれど、日常にはそんな事が溢れているようにも感じた。徳を積むではないけれど、自分も周りも気持ちよく過ごせるような行動をしていきたいとおもった。
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いやーなストーリーだったけど面白かった。まったく関係性が見えない人たちの群像劇で視点を変えながら進んでいく 読み進めていく中でこういう展開が来るだろうなぁと分かってしまうその瞬間鳥肌が立つ。そして分かりきった結末に対して読み進めないと行かないつらさ。 因果応報という言葉が似合...
いやーなストーリーだったけど面白かった。まったく関係性が見えない人たちの群像劇で視点を変えながら進んでいく 読み進めていく中でこういう展開が来るだろうなぁと分かってしまうその瞬間鳥肌が立つ。そして分かりきった結末に対して読み進めないと行かないつらさ。 因果応報という言葉が似合う。
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