オンリー・イエスタデイ1989 の商品レビュー
著者は保守系オピニオン雑誌「諸君!」の編集長を昭和63年から平成3年まで勤めた方だ。この本はその間の記憶に残る出来事を綴ったものである。当時はまさに日本が最高の好景気に沸き、アメリカをも抜いて世界の覇権国になるとさえ言われており、世界経済は日本とアメリカ・欧州の3極で考えられてい...
著者は保守系オピニオン雑誌「諸君!」の編集長を昭和63年から平成3年まで勤めた方だ。この本はその間の記憶に残る出来事を綴ったものである。当時はまさに日本が最高の好景気に沸き、アメリカをも抜いて世界の覇権国になるとさえ言われており、世界経済は日本とアメリカ・欧州の3極で考えられていた。現在に置き換えれば、今の日本と中国と韓国を合わせた物造りを日本一国で行っていた感覚であろうか。とにかく莫大な貿易黒字を累積させていたのであった。しかし昭和が終わり、東西冷戦が終わり日本のバブルは弾け、現在に至るまで世界は混沌としている。日本の政治思想もずいぶん変わったが、やはりそのときが大きな転機となった感がある。その「諸君!」も廃刊となったが、冷戦構造の終焉と共に日本の保守思想はどんどん歪になっているように思う。
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