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すべて真夜中の恋人たち の商品レビュー

3.4

420件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    124

  3. 3つ

    135

  4. 2つ

    55

  5. 1つ

    6

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2022/03/03

川上未映子さんが描く大きな事件は起きず淡々と過ぎる物語やけど全体の文章の表現が描く雰囲気が心地よくて最後まで楽しめる長編小説。 川上未映子さんの作品は積読しまくってて初めて読んだんやけどさらっと流れるシーンやセリフに心動かされるし、頭になんか残るしすごい!!なんかよくわかって...

川上未映子さんが描く大きな事件は起きず淡々と過ぎる物語やけど全体の文章の表現が描く雰囲気が心地よくて最後まで楽しめる長編小説。 川上未映子さんの作品は積読しまくってて初めて読んだんやけどさらっと流れるシーンやセリフに心動かされるし、頭になんか残るしすごい!!なんかよくわかってないけどすごい!!これがいい文章ってやつなんやろうな〜読んだ後、川上未映子さんの書いた本を他にも読みたい!!って思ったら本棚に何冊か並んでいて今まで積読してきた自分にいきものがかりの「ありがとう」を歌ってあげたくなった。 表紙カバーの雰囲気が物語といい感じにリンクしてる感じがしてGOOD!

Posted byブクログ

2022/02/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作品紹介から、救いのある恋愛小説をイメージしていたのですが、「受動的に生きる主人公の”入江冬子”と、人との関わりが描かれた長編小説」という印象を受けました。 思いを寄せる”三束さん”との関係よりも、友人である”聖”とのやり取りが興味深かった。 自分の気持ちが分からず、アルコールの力を借りないと人に会う事も出来ない主人公。 ”聖”は、はっきりと自分の意見を言い、ファッションやスタイルにも気を配っていて、かっこよく映ります。 対照的な2人が、本音を言い合うことで、それぞれの悩みや孤独に気付き、分かり合うところがよかったです。 決断に必要な覚悟や責任が、主人公からは感じられず苛々したけれど、自分の事を情け無く思ったり、寂しさを抱えていて、、 「みんながあなたの常識で動いてるって思わないでほしい」というフレーズが刺さりました。 ”三束さん”は自分の深いところを見せずに、少しの時間を共有したかっただけなのか。一歩踏み出した、主人公からは離れてしまった。切ない。 物語の内容よりも、文章の美しさや、登場人物達の言葉が心に刺さった一冊です。

Posted byブクログ

2021/11/09

表紙が好きで読んでみた。 不器用だけど真っ直ぐで1人の恋愛 何も考えないって、きっと自分にある程度のダメージを与えるし、周りには何らかの影響を及ぼす お互いにとってきついことを言って、友達になりたいと泣く様子を見て辛かった

Posted byブクログ

2021/09/07

「わたし」の人生への向き合い方と自分の向き合い方が似ている気がして何とも言えない気持ちになった。どうやって生きていくのが正解なのか答えは無いと分かっているのに考えてしまう。

Posted byブクログ

2021/09/26

真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。 それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。 光をかぞえる。 夜のなかの、光をかぞえる。 雨が降ってるわけでもないのに濡れたようにふるえる信号...

真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。 それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。 光をかぞえる。 夜のなかの、光をかぞえる。 雨が降ってるわけでもないのに濡れたようにふるえる信号機の赤。連なる街灯。 走り去ってゆく車のランプ。 窓のあかり。帰ってきた人、あるいはこれからどこかへゆく人の手のなかの携帯電話。 真夜中は、なぜこんなにきれいなんですか。 真夜中はどうしてこんなに輝いているんですか。 どうして真夜中には、光しかないのですか。 耳を満たすイヤホンから流れてくる音楽はわたしを満たして、それがすべてになってしまう。子守歌。 ピアノのうつくしい子守歌。すてきな曲ですね。 そうですね。ショパンでいちばん好きな曲です。 冬子さんも、気に入りましたか。 ええ。まるで夜の呼吸のようです。溶かした光で鳴っているようです。 昼間のおおきな光が去って、残された半分がありったけのちからで光ってみせるから、真夜中の光はとくべつなんですよ。 そうですね、三束さん。 なんでもないのに、涙がでるほど、きれいです。 ▷美しい最初の1ページ

Posted byブクログ

2021/04/06

ほとんど引きこもりで、自分の誕生日であるイブの夜に1人散歩するのが「恒例」になってしまった、いい歳の大人・冬子が、不器用で純粋な片思いをする話。 だけど人とのかかわりが億劫になっているがゆえに、冬子はいつもお酒を飲んだ状態でお相手の三束さんとお茶をする。日本酒を入れた魔法瓶も持ち...

ほとんど引きこもりで、自分の誕生日であるイブの夜に1人散歩するのが「恒例」になってしまった、いい歳の大人・冬子が、不器用で純粋な片思いをする話。 だけど人とのかかわりが億劫になっているがゆえに、冬子はいつもお酒を飲んだ状態でお相手の三束さんとお茶をする。日本酒を入れた魔法瓶も持ち歩く有り様。 人を想うときのことをこんなふうに繊細に描写できるものなのか、と驚きながら読み進めた。 冬子と三束さんは光について語り合っていたが、ふたりの関係や感情はまさに光のよう。 近すぎず遠すぎず、光のように静かで、美しくて、掴めなくて、儚い。 自分の抱く感情や気分や言葉はすべてどこかからの引用だ、という説は、確かにそうだと思い、それから不思議だとも思った。 自分で選ぶことをせず、周りに流されるまま、楽なほうの選択をしてきた冬子は、私の生き方と違う、とは言い切れず、胸が苦しくなった。

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2021/02/22

静かで脆い。 真夜中に光を探して散歩したくなる。 自分以外の誰かに別に何かを求めない代わりに、自分にも誰からも求めさせない。自分だけで完結させて他人と関わらないで生きていた主人公が選んだものは、望んだ形にはならなかったけど、光が溢れた。それぞれの正しさやエゴを押し付けあって正解な...

静かで脆い。 真夜中に光を探して散歩したくなる。 自分以外の誰かに別に何かを求めない代わりに、自分にも誰からも求めさせない。自分だけで完結させて他人と関わらないで生きていた主人公が選んだものは、望んだ形にはならなかったけど、光が溢れた。それぞれの正しさやエゴを押し付けあって正解なんて分からないけど、否定したりされたくないな。

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2020/11/21

川上さんのエッセイは何冊か読んだことあるけれど小説は初 特に大きな出来事も起きず淡々と進む物語だけど後半から引き込まれて一気に読んでしまった 主人公の不器用な生き方に共感するし、(途中アルコール依存みたいになって大丈夫かとハラハラしたけど) 水筒に冷たい日本酒たっぷり入れ...

川上さんのエッセイは何冊か読んだことあるけれど小説は初 特に大きな出来事も起きず淡々と進む物語だけど後半から引き込まれて一気に読んでしまった 主人公の不器用な生き方に共感するし、(途中アルコール依存みたいになって大丈夫かとハラハラしたけど) 水筒に冷たい日本酒たっぷり入れて~なんて川上さんの綺麗な文章じゃないと狂気を感じてしまう… 聖との距離感もリアルでラストに本音を打ち明けて友人になれてよかった

Posted byブクログ

2020/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自己表現とは、他者を理解するとは、について思わせられる。 人についてあれこれ言っている自分はその人と変わりがなかったりする。自分の気持ちはどこまで自分のものなのか、社会的常識に揉まれ生みでたものではないのか。全てに理論を求められる日常の息苦しさ。 ただ、最後のページで差し出された「すべて真夜中の恋人たち」だけは自分自身の、理屈なき言葉なんじゃないかなと思った。

Posted byブクログ

2020/04/06

ある女性(A)から見た彼女(B)の考察はこうで、確かにそれは的を得ている。そしてその彼女(B)から見た、周りの女性達はこうで、そのせいで私(B)はこの社会で生きにくいのだ。と、確かにそれも分かる気がする。そしてその最初の女性(A)から、あなた(C)は彼女(B)にいい様に利用されて...

ある女性(A)から見た彼女(B)の考察はこうで、確かにそれは的を得ている。そしてその彼女(B)から見た、周りの女性達はこうで、そのせいで私(B)はこの社会で生きにくいのだ。と、確かにそれも分かる気がする。そしてその最初の女性(A)から、あなた(C)は彼女(B)にいい様に利用されているのよと言われて、あなた(C)ははてと?なる。けれど読者の私は成る程!と言う気持ちになった。誰もが間違っていない様で、完璧では無く。彼女らから見える世界で、思った通りに、出来ることしか出来ないのだから。 社会の中の色々な立場の人達それぞれが、少しずつ誰かの足を引っ張り、誰かを少し窮屈にする。はじめは少し肩が触れて嫌だなと思っていた程度なのに、いつの間にか電車の中はぎゅうぎゅうで、身動きが取れず、自分の足で踏ん張ることさえままならなくなる。でも、満員電車なのだからしょうがじゃないじゃないかと、その状況に何も感じなくなって行く。今の日本のよう。そう思わされた。 納得させられるシチュエーション、それぞれの言い分。違う誰かの言葉が目の前の人の言葉と重なって、更に私を傷つける。こんな風に過ごしている人が居るなら誰かに少しずつ言葉を吐き出せて行けたらいいなと思った。 夜の静けさや、暗闇の温かさや、物理の不思議や、私の恋する想いが一緒になって静かに流れて、きらりとまぶたの裏を通って、ノートに言葉として着地する。抑え切れない強い気持ちと少しの優しい気持ちが心に残る作品でした。

Posted byブクログ