モダンタイムス(上) の商品レビュー
ハードカバーで読んだんだけど、大幅に加筆修正された上に、結論部分も変えたって伊坂が何かの雑誌のインタビューで言っていたから買った。 伊坂は社会派の小説家に脱皮しようとしているのだろうか。 こういうある程度「思想」みたいなものを織り交ぜる小説を書くなら、村上龍なみの知識をぶち込まな...
ハードカバーで読んだんだけど、大幅に加筆修正された上に、結論部分も変えたって伊坂が何かの雑誌のインタビューで言っていたから買った。 伊坂は社会派の小説家に脱皮しようとしているのだろうか。 こういうある程度「思想」みたいなものを織り交ぜる小説を書くなら、村上龍なみの知識をぶち込まないと切実さというか、鬼気迫る、あ~これは今をなんとなく無意識に生きているとやばいなと思わせる小説は書けないと思う。 どこかメルヘンな雰囲気を漂わせて、中途半端なおしゃれ感を読者に与えて終わる。それがいいならそれでいいんだろうけど。そうなりたいとも思えない。
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安藤潤也という聞き慣れた名前が登場する、チャップリン映画の名前を冠した本作『モダンタイムス』の舞台となるのは、『魔王』の50年後の世界。それは現代よりも少しだけ技術と仕組みが発達した徴兵制が存在する社会です。 恐妻家でありシステムエンジニアでもある主人公・渡辺拓海が、失踪した先...
安藤潤也という聞き慣れた名前が登場する、チャップリン映画の名前を冠した本作『モダンタイムス』の舞台となるのは、『魔王』の50年後の世界。それは現代よりも少しだけ技術と仕組みが発達した徴兵制が存在する社会です。 恐妻家でありシステムエンジニアでもある主人公・渡辺拓海が、失踪した先輩に代わり請け負ったのは、ある出会い系サイトの仕様変更の仕事。 前任者を失踪に追いやったその仕事の発注元は不明で、プログラムソースには隠された暗号文が存在するなど、一筋縄ではいかない。 過去の凶悪事件と何か関係があるという、この出会い系サイトの目的は一体・・・ 背景に漂う大きな権力の匂い、読みやすく平易な筆致で叙述される重要な事実の数々が、作品全体に程よい緊張感を与えています。 スリリングな場面を切るように配置された、どこか愛嬌のある言い回しを見るたびに、伊坂作品に帰ってきたという実感がわきました。 前篇にあたる本作で明らかにされたのは、『モダンタイムス』の意味そのものでした。 本作で広げられたいくつもの伏線が、今後どのような真実を浮かび上がらせるのか、待ち遠しい結びで下巻へと続きます。 余談ですが・・・『ゴールデンスランバー』にて、暗殺された金田貞義の後任で首相の座に就いた海老沢克男が、本作では現職の首相として登場しています。 読者を意識したのか、こういった細かい設定に嬉しいものを感じました。
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近未来だが、設定に少々入り込むのに手間取った。 つかみどころがない感じでフワフワしているがそこがいいのかも。
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福井エンターテインメント(Op.ローズダストかな) を読んだ直後で政治や日本人のありようが語られる部分の あっさり感に物足りなさを感じ (福井節が本当に何かを論じているのかは別として) 「魔王」では正直言ってそれほど面白を得ず、 「終末のフール」にしても終末の日常感では 「渚にて...
福井エンターテインメント(Op.ローズダストかな) を読んだ直後で政治や日本人のありようが語られる部分の あっさり感に物足りなさを感じ (福井節が本当に何かを論じているのかは別として) 「魔王」では正直言ってそれほど面白を得ず、 「終末のフール」にしても終末の日常感では 「渚にて」との比較で物足りなかったので この人の作品は書店の推しでも、売れ行きでも良かろうが チョッと手を出さず、しかし「魔王」との連続性がある という本作は少し気になっていた。 読み出してみたらグイグイ引っ張られている。 最終的な感想は下巻にて
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人は知らないものにぶつかった時、まず何をするか?検索するんだよ。 渡辺 大石倉之介 忠臣蔵 五反田正臣 考えてもどうしようもないことにエネルギーを費やすくらいなら、やるべきことをやったほうがいい。 徳川家康 John•レノン 工藤 勇気 アイムOnlyスリーピング お陀仏君 ディ...
人は知らないものにぶつかった時、まず何をするか?検索するんだよ。 渡辺 大石倉之介 忠臣蔵 五反田正臣 考えてもどうしようもないことにエネルギーを費やすくらいなら、やるべきことをやったほうがいい。 徳川家康 John•レノン 工藤 勇気 アイムOnlyスリーピング お陀仏君 ディスティニー=運命 永嶋丈 人間を動かすのは、正論や正義感ではなく、恐怖や損得である。 芥川龍之介 危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である。 アルゴリズム【algorithm】 ある特定の問題を解いたり、課題を解決したりするための計算手順や処理手順のこと。これを図式化したものがフローチャートであり、コンピューターで処理するための具体的な手順を記述したものがプログラムである。イランの数学者・天文学者、アル=フワーリズミーにちなむ。 井坂好太郎 人生は要約できない 安藤潤也 ロミオ 死んだ真似 薬 岡本猛 アドルフ•アイヒマン ザッツライト ジョルジオ•アルマーニ 見せかけの真実は見たくない
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再読(単行本以来)なのに、全くストーリーを覚えていないことにビックリ。 「魔王」の数十年後の世の中を描いた作品。システムと個人。システム化された世の中は独自に意志を持って動き始める。 システムに対する側である個人の物語が「魔王」よりもちゃんとした立ち上がっているので、読んでいて...
再読(単行本以来)なのに、全くストーリーを覚えていないことにビックリ。 「魔王」の数十年後の世の中を描いた作品。システムと個人。システム化された世の中は独自に意志を持って動き始める。 システムに対する側である個人の物語が「魔王」よりもちゃんとした立ち上がっているので、読んでいて面白い。SEが大活躍するってのもいいね。
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舞台となるのは「魔王」から50年後の世界。 そもそも「魔王」を読んだのが3年前なのでもはや記憶は曖昧ですが、上下巻を読んでいくうちに甦ってくる、民衆のカリスマによって独裁化への道を進み始めたあの世界から50年。 「人は知らないことにぶち当たると何をするか。」 「検索するん...
舞台となるのは「魔王」から50年後の世界。 そもそも「魔王」を読んだのが3年前なのでもはや記憶は曖昧ですが、上下巻を読んでいくうちに甦ってくる、民衆のカリスマによって独裁化への道を進み始めたあの世界から50年。 「人は知らないことにぶち当たると何をするか。」 「検索するんだよ。」 その検索内容によって自分が誰かに監視されていたとしたら? ネット社会の急速な発達はその匿名性に起因するところが大きいが、だからこそ情報漏洩の危険性と常に隣り合わせになっているのだと考えさせられました。 拷問シーンが度々登場するのと、理不尽ながらやたら頼りになる妻、結局はSF頼みの展開などなどご都合主義な部分はあるものの、文章やテーマは分かりやすく読みやすいです。 3つのキーワードで検索したくなる!笑
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小説としては上級レベル、でも伊坂幸太郎としてはちょっと、、、という感じの小説。 この頃から作風を変えた伊坂先生、おもしろいことはおもしろいけど、まだ新しい作風をつかみ切れていない印象です。なにか、伏線の貼り方が空回りしてるというか、せっかく貼った伏線が不発に終わっているような。 この作品でやりきれなかったことが、同時期に並行して書かれた「ゴールデンスランバー」でやり切れてる気がします。 週刊マンガ誌に連載されていたということを含めて、実験的な作品だったのかな、と思います、はい。
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『魔王』から50年後の話。ネット文化がさらに発達し、多くのものがデジタル化した時代。システムエンジニアの渡辺は、ある仕事を受注してから周囲で奇妙なことが起き始める。身近で失踪や自殺をする者が現れ、自身も拷問されかける。それはあるワードを検索したことが原因だった。 検索から、監視が始まる。 前作『魔王』を読まなくても面白いが、読んでからの方が前作とのリンクを楽しめる。下巻では50年前の話が語られることもあるので、やはり読むことをオススメする。 上巻で渡辺が事件に巻き込まれていく様子を描き、下巻で事件の全容に立ち向かう様を描く。飽きることなく一気読みしてしまう作品。
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