モダンタイムス(上) の商品レビュー
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個性豊かなキャラクターが何人も登場する。いつ物語が動くのだろうと思いながら読んでいたらいつのまにか動いていた。最初はどこに向かっているかわからずただ読み進めていたがキャラクターが良いので何とか読めた。
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今回も洒脱な表現にユーモアセンスあふれる作品でした。 当初は展開の分からぬコメディかと思いきや、読み進めていくと政治ドラマやディストピアにとどまらない、「結局個々の人間の生きる意味って何なのよ」と問いかけるようなお話でした。 ・・・ 話のつかみは「恐妻家」でした。 男性諸氏の中でもこれを営業トークに使ったり、社内での潤滑油として話題にしていたりすることは多いかと思います。 主人公の渡辺拓海は、元夫が(理由は分からないが)死亡している、飛び切り素敵な女性と恋に落ち、結婚。奥様は「浮気したら殺す」と謂い、以前彼女の勘違いから、派遣されたヤクザ?に押し入られ、危うく指を折られそうになった経験があるという。そして再び、ブラックな感じの方に押し入られる。しかし今度は奥様の勘違いではない。という事は指は折られる?というか切られるか!? こうした猟奇的とも言える奥様の、想像を絶する愛?執着?はフックとしては十分な働きをしていました。 ・・・ 次に、何だこれ? 謎の作家の友人井坂幸太郎笑 この女たらしの一見サムい友人の出場頻度が高いですよね。 上巻は、全体でみるとドタバタ、ユーモア担当な感じでしょうか。 主人公渡辺、かれの下種な友人の井坂、そして渡辺を襲ってきたヤクザ的な岡本猛。この不思議な三人組がいつの間にか一体となり謎の企業Goshの謎を暴こうと真します。 その過程で、渡辺のシステム会社で剛腕五反田が失踪、パワハラ課長の加藤が自殺、気の弱い後輩大石の誤認逮捕等多くの事件が発生。 この怒涛の展開で上巻はあっという間に読了となることと思います。 ・・・ ということで相も変わらずの疾走感の伊坂作品でした。 一応魔王の後編という位置づけになります。是非事前に読んでおくことをお勧めします。当「モダンタイムス」の下巻が面白くなります。
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さすがに妻の差金で拷問を受けることから始まるとは思わなかった。下巻が早く読みたいと思いました。上巻の感想一言で言うと妻がやばい。
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システムエンジニアの渡辺のまわりの人々に起こる様々な不幸。ある言葉の組み合わせを検索した人がそうなっていると確信し…という上巻。 著者ならではのちょっと不思議な世界観が全体を支配している。未来のお話らしく、平成が大昔のように語られていたり、手元のグラスに画面が投影されていたり、徴...
システムエンジニアの渡辺のまわりの人々に起こる様々な不幸。ある言葉の組み合わせを検索した人がそうなっていると確信し…という上巻。 著者ならではのちょっと不思議な世界観が全体を支配している。未来のお話らしく、平成が大昔のように語られていたり、手元のグラスに画面が投影されていたり、徴兵制があったり…! 渡辺の妻や、正体不明の安藤商会、井坂好太郎という作家も登場し笑、皆謎だらけで気になる存在。
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魔王の50年後を描いた続編で あの頃若かった犬養は政界を引退しており、詩織ちゃんも潤也くんもだいぶお年を召している 主人公の渡辺は、魔王の安藤兄貴よりもだいぶ"普通"の人物だが、まず妻がやばい そしてさらにやばい仕事で任されたプロジェクトによってどんどん危険な方向へ意図せず進まされてしまう 時代設定は詳しく分からないが、今より少し先の未来で今よりもっとネットが普及した時代と推定できる 「検索」という誰もが簡単に行えてしまう行動から、次々やばいことが起きていくのが恐ろしくも面白くもある 事態はどんどん深刻になっていくのに 渡辺の心の声によるつっこみが何故か常に冷静で秀逸で笑いながら読めてしまう さらに井坂好太郎(もう名前だけでおもろい)の存在や言動も物語全体を軽くしているように思える その一方で、そんな他愛もない独白や会話の中に隠された言葉があとあとの展開で生きてきたりもするからやっぱり気が抜けない 占いの文章の「〇〇ですよ、絶対」というのが癖になるのでどこかで使ってみたい
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期待通りと言えば期待通りな面白さ。魔王から50年後の世界らしい(現在よりも未来ですね)のですが、若干情勢は変わって徴兵制度なんてものができています(日本的にはでかい話ですね)。上巻では何が起きているのかはっきりしませんが、それがまた下巻に手が伸びる理由にもなって期待感大です。検索だけで…どういうインターロック?Matrixか?っていう。とにかく面白いです。
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何時もの伊坂作品とは少し毛色が違う気がする。 作者の世界観や思想が盛り込まれ過ぎて本編が中々進まない。 京極作品もそんな感じがあるが文章力が圧倒的に違うので少し退屈になってしまう。 兎に角理屈っぽい人物ばかりで一番付き合いたくないタイプが沢山登場する。 自分の名を借りた世間評に対...
何時もの伊坂作品とは少し毛色が違う気がする。 作者の世界観や思想が盛り込まれ過ぎて本編が中々進まない。 京極作品もそんな感じがあるが文章力が圧倒的に違うので少し退屈になってしまう。 兎に角理屈っぽい人物ばかりで一番付き合いたくないタイプが沢山登場する。 自分の名を借りた世間評に対する反論じみてるのも透けて見えるし、あまり読後感が良くない。 下巻でアッと言う展開を期待しよう。
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『魔王』がまるまる序章って感じ?う~ん、どうなるの?全然先が読めない。特別何か大きいことが起きてる感じはしないけど、これからなんか起こる?水面下ではもうすで何か動いてる感じだけど⋯⋯ただ監視社会は恐いよ、ほんとに。
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あるワードの組み合わせを検索すると、その人間には何らかの不穏な事態が発生する。伊坂作品中1、2を争うほど上位に食い込む作品。作中での展開と淡々とした会話文とのギャップが堪らない。このギャップが好きだから平和的な展開の小説より、国家やら政府やら何か巨大な権力が絡む小説が、伊坂作品...
あるワードの組み合わせを検索すると、その人間には何らかの不穏な事態が発生する。伊坂作品中1、2を争うほど上位に食い込む作品。作中での展開と淡々とした会話文とのギャップが堪らない。このギャップが好きだから平和的な展開の小説より、国家やら政府やら何か巨大な権力が絡む小説が、伊坂作品の中では好きなのかもしれない。 初読が10年以上前なので細部は忘れており、『魔王』とのリンクも新鮮に驚けて楽しめた。
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なんとなく、これまでの伊坂幸太郎作品とは違う異質さを感じるのはわたしだけでしょうか。 ひとつは「井坂好太郎」という作者の名前を模した人物が登場すること、ふたつは(どちらかというと主人公寄りの)登場人物がバタバタと死んだり不幸になったりすること。ただこれだけなのですが、特に後者の影...
なんとなく、これまでの伊坂幸太郎作品とは違う異質さを感じるのはわたしだけでしょうか。 ひとつは「井坂好太郎」という作者の名前を模した人物が登場すること、ふたつは(どちらかというと主人公寄りの)登場人物がバタバタと死んだり不幸になったりすること。ただこれだけなのですが、特に後者の影響なのか、なんだか冗談とかお気楽に読み進められる雰囲気ではないように感じてしまいました。 監視社会や陰謀論、国家というシステムとその歯車…いろんなテーマが含まれている作品のようですが、なんとなく、この作品の根底にあるのは不安や恐怖といったネガティブな感情なのかなと。だから勇気が必要なのかもしれません。
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