ハロワ! の商品レビュー
初めて読む作家さん。 タイトルからもわかるようにハローワークを舞台とした物語。 そういや、寿退職した後数ヵ月通ったことがあったなぁ。しみじみ。 通ったことがあるなら話も想像しやすいというもの。 相談員の苦労もわかったりして(笑)。 無茶な応募ってあるんだろうしね〜。 真面目な沢田...
初めて読む作家さん。 タイトルからもわかるようにハローワークを舞台とした物語。 そういや、寿退職した後数ヵ月通ったことがあったなぁ。しみじみ。 通ったことがあるなら話も想像しやすいというもの。 相談員の苦労もわかったりして(笑)。 無茶な応募ってあるんだろうしね〜。 真面目な沢田くんが良かったわ。 ハローワークもハロワというのか。 仕事に就くには、己をよく知らねばならないということね。
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ここまで親身になってくれる相談員はいるだろうか。 読後感はさわやかだったけど、できすぎ、極端な気がした。 現実、ハロワの相談員までもが嘱託なのは 非正規労働者がメインになった社会の象徴のようだ。 時給雇用の数ヶ月後の所在が不確定な人に相談しても・・・ と思ってしまうのは私だけ? その辺りはスルーして、主人公はあっさり国家公務員2種試験に合格。
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ハローワークが舞台。 若いけど、芯のある青年が、相談者さん側にたって、 就職を手助けしようとします。 これまで縁のない組織のお話に興味がそそられました。 内容に深みはないけど、軽い読み物として、いいかも。 文中、主人公が就職が決まっていない大学生に 生涯賃金を説きます。 「70...
ハローワークが舞台。 若いけど、芯のある青年が、相談者さん側にたって、 就職を手助けしようとします。 これまで縁のない組織のお話に興味がそそられました。 内容に深みはないけど、軽い読み物として、いいかも。 文中、主人公が就職が決まっていない大学生に 生涯賃金を説きます。 「70歳まで」働く、ってところです。 勇虫は、世の中70歳まで働くことが当たり前なのか、 と暗澹たる気持ちに。 作家さんの意図したものではないと思うけど、 ハローワークって、 労働意欲がない人物が集まってくるんだなぁ。
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「小説すばる」の2010年3月号から2011年5月号まで連載されてきた、読み切りシリーズ8編のお仕事系小説。 昨今の経済情勢の悪化は、企業のリストラや人員削減を引き起こし、定職を失う人や就職できない若者たちを生みだしている。そんな就職難の時代背景を生かし、このハローワークを舞台にした小説が書かれたようだ。 東京のとあるハローワークで相談係の嘱託職員として働き出した若者・沢田信が主人公。一年間の彼の奮闘ぶりが、特異な求職者たちや同僚たちとのかかわり合いの中で描かれていく。 お仕事系小説と言っても、堅苦しさはなく、音楽好きで元引きこもりの若者の日常に適度なロマンスが散りばめられていて気楽に読み流せる。主人公や同僚が巻き込まれる災難や事件に、ハラハラそしてドキドキ。悪役や魅力的な脇役たちも次から次へと登場し飽きない展開だ。
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ハローワークに行ったことはないけれど、色々なことを代行して下さるんですね。 ひなたにちょっとイラッとしてしまった。ヤナギが結構好き。
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ハローワークに勤める青年の奮闘劇。まぁ普通かな? 2011.11.4
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表紙絵の通りのさわやかな青年が主人公でした。とはいえ、真面目でちょっとご時勢を反映した就活モノと思って読み始めたら、まさかの胸キュン。ますます、表紙をじっくりと眺めてしまいました。
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ハローワークを舞台にした長編小説。様々な事情を抱えた求職者がハローワークを訪れる連作短編のように物語は進行するのだが、久保寺健彦は人間の抱える心の奥深い所へ、ぐいぐいとペンを進めて行く。それがとても切なくて悲しいのだ。 でも、希望の余韻がのこるラストがいい。 ラストシーン、ボブデ...
ハローワークを舞台にした長編小説。様々な事情を抱えた求職者がハローワークを訪れる連作短編のように物語は進行するのだが、久保寺健彦は人間の抱える心の奥深い所へ、ぐいぐいとペンを進めて行く。それがとても切なくて悲しいのだ。 でも、希望の余韻がのこるラストがいい。 ラストシーン、ボブディランが夕日に向かって歌っていた。「くよくよしても始まらない。これでいいんだ」って。 次の作品が楽しみだ。
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作中の求職者でいったら自分はどのタイプだろう。そう思いながら読んだ。 キャリアの棚卸でいけば、「C調サバイバー」の柳下か。人物評定でいけば、「さよならファラウェイ」の能勢ひなたかもしれない。 ハローワークで職探しをしたことはない。行ったことはあるが、主人公の沢田信のような人には会...
作中の求職者でいったら自分はどのタイプだろう。そう思いながら読んだ。 キャリアの棚卸でいけば、「C調サバイバー」の柳下か。人物評定でいけば、「さよならファラウェイ」の能勢ひなたかもしれない。 ハローワークで職探しをしたことはない。行ったことはあるが、主人公の沢田信のような人には会ったことがない。真面目に職探ししなかったからだろうか。こんな人がいたら、と思わずにはいられない。 信は、少しアスペルガーの匂いがする。境界線が分からないところ、自分が納得しないとできないところ、ルールにこだわるところ。そういうところがすごく共感を呼ぶ。彼の戸惑いや、熱心さがまるで自分のことのように思えてくるのだ。 でも信は成長する。持ち前の誠実さ頑固さ熱心さで、いつの間にか仕事の能力を磨いていくのだ。 だからこそ、「音楽を君に」は切なかった。追い詰められていく岸川の気持ち、なんとかしたいと思う信の気持ち、そして訪れる破局。切なくて切なくて泣けてきた。 能勢ひなたの言動も、苛立たしいし腹も立つけれども、どうしてもそうしてしまう気持ちが他人事とは思えない。でも彼女も最後は自分の足で立とうと決意することができたのだ。 ハローワークの「傾聴、同意、開示」という基本姿勢は初めて知った。開示、は難しそうだなと思った。自分が求職者の立場でハローワークへ行ったときに、それができるかどうかわからない。 ハローワーク側に立つことはまずないと思うが、万が一そちらにたったとしてもできるかどうかわからない。 作中で信が、自分が就職活動に失敗した原因について「対人スキルが低い」と分析するところがある。 これはこの小説中で最もぐさっと来た言葉だった。「仕事」というのは最終的には対人スキルの問題に還元されるものなのかもしれない。 ほんとうに、他人事ではなく身につまされる小説だった。 久保寺健彦さんは、どんどんうまくなる。改めてそう思った。
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