ラブレス の商品レビュー
読み応えがありました。他人から見ると辛く哀しい人生ですが、本人はしっかり生ききった人生であったのでしょう。ラストは良かったね、と言いたいです。
Posted by
「誰が何と言おうと、あたしは幸せだった」 強すぎる。悲しいくらいに強すぎる。私はこんな風に生きられるだろうか。 こんな風に人の生涯を振り返ってみると、平凡でつつがない人生なんて、ありえないんだなと痛感させられる。どの人生も波乱万丈なんだ。 北海道の貧しい農村で生まれ育ち、高校に...
「誰が何と言おうと、あたしは幸せだった」 強すぎる。悲しいくらいに強すぎる。私はこんな風に生きられるだろうか。 こんな風に人の生涯を振り返ってみると、平凡でつつがない人生なんて、ありえないんだなと痛感させられる。どの人生も波乱万丈なんだ。 北海道の貧しい農村で生まれ育ち、高校にも通わせてもらえず、咆哮先を飛び出して旅一座に入った百合江。その一座も解散し、後は食うにも困る生活。娘は誘拐され、男には逃げられたり殴られたり。二人目の娘とも心が通わせられない。挙句の果てには老衰・・・ 最後、宗太郎が「ユッコちゃん、あたしよ、聞こえる?」といって、「情熱の花」を歌うシーンは爆涙だった・・・ 私の人生は、百合江のように波乱に満ちてはいないけれど、けれど、一生懸命に生きようと思う。最後には、百合江のように「あたしは幸せだった」といえるように。
Posted by
ぐいーっと引きつけられて読了。 普段読まないジャンルだけどとても面白かった。 子供がいなくなるくだりは恐ろしかった。はー、こわいよぅ。 百合江、里実、小夜子、理恵、 百合江の娘は理恵だけど、今は仲悪くて 里実の娘は小夜子だけど、小夜子は百合江の方を慕ってて メイン登場人物の名前...
ぐいーっと引きつけられて読了。 普段読まないジャンルだけどとても面白かった。 子供がいなくなるくだりは恐ろしかった。はー、こわいよぅ。 百合江、里実、小夜子、理恵、 百合江の娘は理恵だけど、今は仲悪くて 里実の娘は小夜子だけど、小夜子は百合江の方を慕ってて メイン登場人物の名前と関係がややこしくて 最後まで、百合江?小夜子?小百合?(さゆりはいない) と戸惑ってしまった。 全部の登場人物が回収される安心感なので 誰にでもおすすめできる一冊。
Posted by
北海道の開拓村に生まれた女性を主人公として彼女とその周囲の人々の生き様が描かれます。どんな不幸も幸福も「長くは続かない」と達観しつつもその日その日を力強く生きる主人公の最期には思わず目頭が熱くなりました。幸せというのはあくまでも主観的なものなんだと気付かされ、勇気付けられます。
Posted by
読了。昭和の女を地でいくような話。北海道の貧しい家庭から抜け出すために、旅芸人の一座へ。幸せの形は人それぞれなれど、悲しくも納得させられてしまう。しかし、あの装丁(表紙)はあえて対比させたかったのだろうか?
Posted by
戦後北海道、開拓農民は極度に貧しかった。 そんな時代に生きた二人の女性。十六で家を出て旅一座に身を寄せた姉と、現実を見据えてひたむきに生きる妹。 互いに反目しながらも壮絶な人生を歩んでいくが、風のふくままにたくましく生き抜いた姉の生き様が魂を揺さぶる。 昔は皆貧しかったでは語り...
戦後北海道、開拓農民は極度に貧しかった。 そんな時代に生きた二人の女性。十六で家を出て旅一座に身を寄せた姉と、現実を見据えてひたむきに生きる妹。 互いに反目しながらも壮絶な人生を歩んでいくが、風のふくままにたくましく生き抜いた姉の生き様が魂を揺さぶる。 昔は皆貧しかったでは語りつくせない、幾度も降りかかる困難に、抗うよりも受け入れる人生。その一生には一種の爽快感がある。
Posted by
直木賞候補の一つでした。内容は 大変失礼な言い方かもしれないけど よくある話。 でも。 ココまで ぐいぐいと読ませる作品は少ない。とにかくやめられない。お尻に根っこが生えたように 動けなかった。 読み終わってようやく 落ち着いた。 「しあわせは 条件ではない」 人によっての幸福さ...
直木賞候補の一つでした。内容は 大変失礼な言い方かもしれないけど よくある話。 でも。 ココまで ぐいぐいと読ませる作品は少ない。とにかくやめられない。お尻に根っこが生えたように 動けなかった。 読み終わってようやく 落ち着いた。 「しあわせは 条件ではない」 人によっての幸福さは ものさしが全く違う。とにかく後悔しないよう生きていくことが大切だと 物語っていた。
Posted by
第146回直木賞候補作。濃い2組の親子の女性の物語。と書けばいいのかな?寒い夜に読むと、ちょっと生き方考えるかも。 追伸:装丁が頂けないのだけは残念
Posted by
「BOOK」データベースより 馬鹿にしたければ笑えばいい。あたしは、とっても「しあわせ」だった。(中略)昭和26年。百合江は、奉公先から逃げ出して旅の一座に飛び込む。「歌」が自分の人生を変えてくれると信じて。それが儚い夢であることを知りながら―。他人の価値観では決して計れない、ひ...
「BOOK」データベースより 馬鹿にしたければ笑えばいい。あたしは、とっても「しあわせ」だった。(中略)昭和26年。百合江は、奉公先から逃げ出して旅の一座に飛び込む。「歌」が自分の人生を変えてくれると信じて。それが儚い夢であることを知りながら―。他人の価値観では決して計れない、ひとりの女の「幸福な生」。(後略) 飛び出した先での幸福を信じて進んだ道。しかし、その道が正しかろうが間違っていようが、平穏な日々は続かない。むしろ捨てられ、騙され、肩代わりする羽目になる。 しかし、百合江は生きる。絶望しても、「それがあたしの人生だ」とでも言うように。 (引用)「まるで双六だ。サイコロを振って升目を進んでは、振り出しに戻ってまた歩き始める。」 そう言って、百合江は今日・明日を生きる。 他人になんと言われても、自分の信じた道。その道が、他人から見れば誤った道であろうとも、その道で生きていくという決意。思い人のことを「柳のような人」と言う百合江自身もまた柳のように、世間に吹かれながらも折れずに生きていた。 その人生が幸か不幸かは、その人生を生きる本人が決める。 気が強い妹・里実、その里実に愛されなかった小夜子、百合江を愛せなかった子・理恵、飲んだくれの父・卯一、まるで自分の意思がないような母・ハギ、その3人息子、そして百合江の周りを通り過ぎていった男性たち。 百合江の周りの人物もまた、身勝手なようで、そのときそのときを一生懸命に生きた結果の行動なのかもしれない。時には優しさを見せ、時には保身に走り、時には、世話をしているという「優越感」で。 話の構成としては、とある嫌われ女の一生を書いたものと同じ風。家族の愛に恵まれず、家を飛び出した女性が、様々な男性、女性、家族らと会い、波乱の一生を送っていく。そしてその周りの、懸命に、それぞれの価値観で生きる人々の様子。 登場人物の性格がハッキリしていて、その中心に、何があっても受け入れる百合江がいるので、物語に入りやすい。 悪人が悪人らしく描かれている様子とか。 個人的には、百合江の母ハギの後半がとても胸を締め付けられる感覚になった。 読んでいると、昭和の時代が、自分が生まれていない、覚えているはずもない昭和の風景がなぜか懐かしく浮かんでくる。 話のテーマでもある「テネシーワルツ」そしてザ・ピーナッツの「情熱の花」を聴きながら読むとより一層情景が増しそうです。
Posted by
◎第146回直木賞候補作品(2011年度・下半期)。 2012年3月17日(土)読了。 2012-22。
Posted by