戦中派焼け跡日記 の商品レビュー
作家山田風太郎が昭和21年、24歳の医大生だった時に書き記した1年間の日記の記録。 戦後の1年間を市井の人の視点から世相を書き表した貴重な記録だと思います。 文体は文語体なので、なかなか読み進めるのが大変でしたが、当時の様子や気持ちが当時の雰囲気のまま伝わってくる感じで...
作家山田風太郎が昭和21年、24歳の医大生だった時に書き記した1年間の日記の記録。 戦後の1年間を市井の人の視点から世相を書き表した貴重な記録だと思います。 文体は文語体なので、なかなか読み進めるのが大変でしたが、当時の様子や気持ちが当時の雰囲気のまま伝わってくる感じでした。 暗い日常にあって、文学と映画をこよなく愛し、自分のこれからの進路を見つめていく一人の青年の思いを21世紀に生きる自分が受け取った感じがしました。
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ほぼ同い年の時に、なんて厳しくてタフな次元で悩んでいるんだろう。 「真に勝利者を信ずべきか否か。」 「どちらがほんとうなのか?どちらもほんとうである。いや、ほんとうなのはこの「変化」そのものである。」 「吾々が「だまされていた」ことを確認するなら、まだ問題は簡単である。しかし「だ...
ほぼ同い年の時に、なんて厳しくてタフな次元で悩んでいるんだろう。 「真に勝利者を信ずべきか否か。」 「どちらがほんとうなのか?どちらもほんとうである。いや、ほんとうなのはこの「変化」そのものである。」 「吾々が「だまされていた」ことを確認するなら、まだ問題は簡単である。しかし「だまされていた」ことさえも信じられないものを!」 昭和21年の青年の深い困惑と懐疑を感じる。しかし、上の世代への怨みは感じない。プラカード事件への感想には、感じ入るばかり。
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