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逆説の政治哲学 の商品レビュー

3.8

10件のお客様レビュー

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2019/01/25

本棚の整理をしておりまして興味高じて再読です。 保守系はあいも変わらず、実に出世が遅いのだと痛感。 進む大学機関もそうならざるを得ません。 いまだにアカデミズムの世界では、左巻き志向が多いので。 賢いはずの人材が妙な世界にどっぷりと浸かってまあ。 保守系の育成には時間が必要以上に...

本棚の整理をしておりまして興味高じて再読です。 保守系はあいも変わらず、実に出世が遅いのだと痛感。 進む大学機関もそうならざるを得ません。 いまだにアカデミズムの世界では、左巻き志向が多いので。 賢いはずの人材が妙な世界にどっぷりと浸かってまあ。 保守系の育成には時間が必要以上にかかると思います。 薄っぺらな知識だけではなく、それ以上のことが 求められているものだから。 再読して、改めて付け足すことがあります。 入門者では決して収まらない可能性を持ち併せた「作品」 であると私は思うております。長生きして大きな知識人 になってほしいです。大学での出世なんぞ関係ねえと

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2017/05/06

保守系の人が書いているということで、若干そういう色が着いた文章もあるが、政治哲学の入り口としては非常に出来が良い。 章や節が短いので読み進めるのに苦が無く、平易な言葉遣いで、高校生くらいでも読める。 文献紹介も、発展的に知りたい人にはありがたい。 この人の他の著作のタイトルを見る...

保守系の人が書いているということで、若干そういう色が着いた文章もあるが、政治哲学の入り口としては非常に出来が良い。 章や節が短いので読み進めるのに苦が無く、平易な言葉遣いで、高校生くらいでも読める。 文献紹介も、発展的に知りたい人にはありがたい。 この人の他の著作のタイトルを見ると、何やら怪しげなのも混じってる気がするが、本書はそこまでイデオロギーを主張するものではなく、むしろそれに固執することの危うさに対して警鐘を鳴らしていると言える。

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2017/04/28

冒頭の政治科学と政治哲学の区別に始まり、どのページを開いても勉強になる。特に、アイン・ランドに関する記述「自己中心主義者(他人の目を気にしない人)」「利他主義者(他人のために尽くす人)」の区別が参考になった。たしかに良い教師は、例外なく利他主義者だ。彼らは優等生でも劣等生でも変わ...

冒頭の政治科学と政治哲学の区別に始まり、どのページを開いても勉強になる。特に、アイン・ランドに関する記述「自己中心主義者(他人の目を気にしない人)」「利他主義者(他人のために尽くす人)」の区別が参考になった。たしかに良い教師は、例外なく利他主義者だ。彼らは優等生でも劣等生でも変わりなく接するが、それは生徒が、自分が影響力を与えられる(「自分を頼ってくれる卑屈で従順な人」p.215)である限り、である。そして、「自己中心主義」がアメリカ精神の源流なら、彼の地に教育学(授業学)が不毛なのは当然と思う。

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2015/10/26

保守派の政治学者ということでそういった面を考慮にいれて読む必要はあるかなと思いましたが、さまざまな政治学者の考えの一端に触れるにはうってつけの一冊かなと。どちらかといえば私は革新派に分類されるだろう人なのでんーー? となるところがないわけではなかったですが、図書紹介まで繋げてある...

保守派の政治学者ということでそういった面を考慮にいれて読む必要はあるかなと思いましたが、さまざまな政治学者の考えの一端に触れるにはうってつけの一冊かなと。どちらかといえば私は革新派に分類されるだろう人なのでんーー? となるところがないわけではなかったですが、図書紹介まで繋げてあるあたりはまた読み直したいなと思わせてくれました。ただ古典と言われるようなところも多かったので図書紹介の本も全部読もうとするとかなり時間がかかりそうだなと。

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2015/01/29

歴史を専攻していた時も避けてきた、政治。 政治学には、政治哲学と政治科学があること。 政治科学では切り捨ててしまう、 個人の価値観の小さな違いが、 政治では決定的な違いになること。 哲学とは、世の中で常識とされていることに 懐疑の目を向けていくこと。 知っておかねばならぬこ...

歴史を専攻していた時も避けてきた、政治。 政治学には、政治哲学と政治科学があること。 政治科学では切り捨ててしまう、 個人の価値観の小さな違いが、 政治では決定的な違いになること。 哲学とは、世の中で常識とされていることに 懐疑の目を向けていくこと。 知っておかねばならぬことが、たくさん。 知らないと、世の中が見えないと思った。

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2013/02/27

著者がいろんな政治思想を教えてくれます。テーマごとに別れてて、まとまりがあるし、説明もわかりやすい。ファシズムって具体的になんなのかとか、今にも通じる古典とか、勉強になった。あと著者の優しさを感じます。

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2012/06/30

M.サンデル教授の「正義について考えよう」と比較して読むといい。政治が取り扱う領域の奥深さについて、マンガの事例まで駆使して簡潔に記載されている。

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2012/03/21

――――――――――――――――――――――――――――――○ 「一国民が政治的なものの領域に踏止まる力もしくは意志をもはや持たぬことによって、政治的なものは地上から消滅しはしない。消滅するのは弱い国民である。」我々がどんなに逃げようとしても政治的なもの、すなわち友敵の関係は我々...

――――――――――――――――――――――――――――――○ 「一国民が政治的なものの領域に踏止まる力もしくは意志をもはや持たぬことによって、政治的なものは地上から消滅しはしない。消滅するのは弱い国民である。」我々がどんなに逃げようとしても政治的なもの、すなわち友敵の関係は我々にいつまでも、まとわりついてくるのです。これを否定し、「友」しか存在しない世界を夢想して政治的なものから逃れようとし続けたところで、政治的なものからは逃げられません。36 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 新自由主義は「努力する人間が報われ、怠惰な人間は報われることがない」という応報主義の前提に立って展開されています。(…)この世界では失敗は自らの怠惰が招いた「自業自得」ということになり、その責任を負うのは自分自身であるということになってしまいます。応報主義が貫徹する社会は、敗者、失敗者に対して、とてつもなく厳しい社会となるでしょう。203 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 政治学の課題は、民族や国家という集団精神を、個人によって媒介する知的基礎体力をつけることと私は考える。岩田先生の『逆説の政治学』は、「ファシズムの罠」に保守思想を学ぶ人々がとらわれないようにするための最良の教科書でもある。 解説 佐藤優 284 ――――――――――――――――――――――――――――――○

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2012/02/21

プラトン、キケロ、ホッブス、マルクス、フリードマン、ヒトラー、レーニン、シェイクスピア他と古今東西・左右両翼の古典の名言や、歴史上の事件を躊躇なく引用しつつ、説明が具体的かつ明快で読み手を引き付ける。今まで常識と考えていたことが、様々な逆説を知る中で相当刷新されるかもしれない。 ...

プラトン、キケロ、ホッブス、マルクス、フリードマン、ヒトラー、レーニン、シェイクスピア他と古今東西・左右両翼の古典の名言や、歴史上の事件を躊躇なく引用しつつ、説明が具体的かつ明快で読み手を引き付ける。今まで常識と考えていたことが、様々な逆説を知る中で相当刷新されるかもしれない。 3・11を経て今後の日本を新たに考えていく転機にある今、「政治」に対する視点や心構えを鍛える意味でも刺激になる書。引用された古典文献のレビューも丁寧に用意されており、何度でも読み返す価値がある。 筆者の今後の活躍も楽しみである。

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2011/08/20

各政治思想の説明と、その思想の限界、その思想が起こした悲劇などを解説している本。 各節が8ページ程度でまとめられているので、短い間時間で読み進めやすい。 印象的なのは、純粋さゆえ正しさを追求するあまり、正しくないものを排除・抹消する残酷思想・行動に行きついてしまう逆説。 純粋さ...

各政治思想の説明と、その思想の限界、その思想が起こした悲劇などを解説している本。 各節が8ページ程度でまとめられているので、短い間時間で読み進めやすい。 印象的なのは、純粋さゆえ正しさを追求するあまり、正しくないものを排除・抹消する残酷思想・行動に行きついてしまう逆説。 純粋さは美徳と評価されがちだけど、この本を読んでいると純粋さが怖くなる。 けど、この本の著者は純粋に政治を考えてる。 冷静に、徹底的に。 ありきたりな言い方だけど、政治の難しさを思い知らされる本でした。

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