原子力戦争 の商品レビュー
30年も前に書かれた話とは思えない。 福島の原発事故は原発をめぐる政治的経済的利益に群がるきな臭い動きが、この長い年月を経ても何も変わっていないことが分かる。
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国民に知らされている、情報とも言えないくらい希薄な情報を前提に、やれ推進派だとか脱原発だとか、いい加減なこと言える度胸はない。 ただ、山崎豊子ばりの「ドキュメント・ノベル」というカタチを借りたこの恐ろしい内容の読後感は、憂国の一言に尽きる。 「それぞれが自分にとって都合のよい、自...
国民に知らされている、情報とも言えないくらい希薄な情報を前提に、やれ推進派だとか脱原発だとか、いい加減なこと言える度胸はない。 ただ、山崎豊子ばりの「ドキュメント・ノベル」というカタチを借りたこの恐ろしい内容の読後感は、憂国の一言に尽きる。 「それぞれが自分にとって都合のよい、自分にわかりやすい構図にして説明してしまうもの…」登場人物が皆このロジックでやり取りしてるところをみると、国益ってなに?って思う今日この頃です。
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原子力という大きな引力に推進派も反対派も引きつけられて行く。原子力を「利用」しようとしたのはそこに群がる全員であったということが分かった。漁業より農業のほうが反対が強いし手慣れている。反対すればその後の買収で優位に立てることが分かっているからだ。TPPも同じ構造。
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確かTVでやっていた田原さんの特別番組を見たときも読みたいなぁ、と思ったんですが、実際は先日原田さんの訃報を見て、慌てて書店に買いに行きました。 まずは、筑摩書房さんに感謝!よくぞ文庫で再発して頂けました。しかも、野坂さんの当時の解説?まで一緒に掲載して頂いたのは嬉しい限りです。...
確かTVでやっていた田原さんの特別番組を見たときも読みたいなぁ、と思ったんですが、実際は先日原田さんの訃報を見て、慌てて書店に買いに行きました。 まずは、筑摩書房さんに感謝!よくぞ文庫で再発して頂けました。しかも、野坂さんの当時の解説?まで一緒に掲載して頂いたのは嬉しい限りです。 この文庫化にあたっての田原さんのあとがきにも感動しました。今回の原発事故報道におけるマスコミ、いやジャーナリズムのあり方への言及は、個人的には「その通り!」と思います。特に今のように個人が情報発信ツール、手段を得たときに、プロがどの様な態度で、どの様な振る舞いをし、何を提供すべきか?という事については、ちょっと前読んだ上杉さんの書籍(ウィキリークス本やジャーナリズム崩壊)に近い物を感じました。 この本を読んで一番感じたのは、「結局、何も変わっていないのね」って事です。'76に刊行された本とは思えないほど、リアルに感じる事が出来たというのは、ここで描かれている関係性や、それぞれの体質(隠蔽や後出しじゃんけん)が、全く変わっていないと言う事なんだなと。特に東電さんのTCIAとかは、いまも一生懸命企業保身のため社員夜警が行われているんだろうなと、想像せざるを得ないです。直近だと九州電力さんも同じなんだと感じましたが(笑)。 実は、本書を読んで一番残ったのは、内容とは直接関係ないのかも知れないけど、次の一説。 「それぞれが自分にとってわかりやすい構図にして説明してしまう」(p110) これって、自分の仕事のやり方、コミュニケーションの取り方にも当てはまるなぁと思いました。流れとしては、メディアの報道姿勢についての反省なんだけど…。 その他にも色々考えさせられる(自分の問題として)、反面教師として東電や国、そして市民活動を冷静に捉える事が出来るのではないかなと思いました。 そして、本文庫のあとがきで田原さんが書かれている「新原子力戦争の取材をはじめるつもりである」、これ、大いに期待しています! -------------------------------------------------------------------------- 以下、ちくま文庫さんHPより。 福島原発の事故はすでに起こっていた?七〇年代、原子力船「むつ」の放射線漏れ事件を背景に、安全よりも巨大利権が優先される過程を鋭く衝いたドキュメント・ノベル! 官僚と電力会社の主導権争い。アメリカをはじめとする諸外国の思惑。怪しい動きを見せるメディアや広告代理店。受け入れをめぐって揺れる地元と住民運動。そして下請け労働者の過酷な現実。これはすでに「戦争」なのだ。 http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480428462/
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田原総一郎さんの本を初めて読みました。小説仕立てで少し冗長。 福島原発の話では鎌田慧さんの「原発列島を行く」と被る内容もあって興味深かった・・・田原氏は「文章」の人ではなく「舌鋒」の人かな?
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