労働の生産性 桐原葆見の労働科学 の商品レビュー
今から60年以上も前から近年に至るまでの労働科学研究所の出版物を再録した本。紡績工場では工場の中に小さな繊維が飛び散り、2m先も見えないほどの中、9歳ぐらいの少女が顔面蒼白になりながら一日16時間も紡績機械を動かしていた。そんな時代に、労働者の保護と、労働生産性をいかにして向上さ...
今から60年以上も前から近年に至るまでの労働科学研究所の出版物を再録した本。紡績工場では工場の中に小さな繊維が飛び散り、2m先も見えないほどの中、9歳ぐらいの少女が顔面蒼白になりながら一日16時間も紡績機械を動かしていた。そんな時代に、労働者の保護と、労働生産性をいかにして向上させるのかを研究した男の履歴。 労働生産性を最適にするためには、週40時間労働が適切であるという結論に至るまで、長い間時間がかかった。 また、当時から機械化・自動化が進み、工員は非熟練工として、ただボタンを押し、材料を補給し、セットし・・・というような、すぐにマスターできるような単調な作業しかできない環境であった。熟練しないため、いつまでも低給であり、そして代替可能であるため、稼ぎを増やすためにひたすら長時間作業をするだけ。 そんな環境では、青年は夢が持てない。と、50年前にも言われ続けていた。今でもその旨の主張をするライターは少なくない。
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